無限論の教室 の商品レビュー
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わかりやすい。無限論の立場が2つあるというのは初めて知った。 筆者は、多くは実存無限の立場で可能無限は小数という。 しかし、イプシロン・デルタ法なんかは、可能無限であろう。 本書の精神的背景は、ウィトゲンシュタイン。 参照した本は、 森毅 無限集合 共立: 無限集合論の解説書としては出色 大学410.8Su23.4 ムーア 無限 その哲学と数学 東京電機大:無限論入門として最適 県立'96 大学文庫(学術)111Mo39'12
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無限が実在でなく思考の産物にすぎないこと、集合とは概念であるということ、そこから生まれるパラドクスをどう回避するか、等々について、軽妙に、しかし手数をかけて解説してくれている。対角線の話にはなるほどと思いつつ、最後の2章(ゲーデルの不完全性定理)は話についていききれなかった。また...
無限が実在でなく思考の産物にすぎないこと、集合とは概念であるということ、そこから生まれるパラドクスをどう回避するか、等々について、軽妙に、しかし手数をかけて解説してくれている。対角線の話にはなるほどと思いつつ、最後の2章(ゲーデルの不完全性定理)は話についていききれなかった。また読んでみます。
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「無限」という言葉を哲学的、数学的に解き明かしていきます。 しかし哲学はともかく数学的なアプローチは非常に苦手です。 なので全体と通して「理解したか」「理解していないか」という点に絞ればきっと「理解していない」と思います。 理解出来たらならかなり面白い内容の本だと思います。
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20160715 リブロ池袋で店員オススメの本として紹介されていたため、購入した一冊。 後半の方は正直難解で理解が追い付いていない部分があるが、理系の考え方、空中戦と呼べるような理論のぶつけ合いはいい頭の体操になった。
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かつてアリストテレスの時代から現代まで議論されている「無限」についての問題。その問題を大学の講義物語形式でわかりやすく学べる一冊。 無限はもとから存在する立場をとる実無限の立場と無限という可能性が存在する可能無限の立場。そういったものから無限を証明するための対角線論法や排律中など驚きや好奇心に満ちた新書!
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「無限」についての数学の哲学の入門書だとおもう 「無限」ということについて、今までに何が知られているのか、これまで何が考えられてきているのかがざっと(たぶんものすごく省略されつつ)書いてある。初めから終わりまで一貫して、「実無限派」と「可能無限派」という無限に対する数学(の哲学...
「無限」についての数学の哲学の入門書だとおもう 「無限」ということについて、今までに何が知られているのか、これまで何が考えられてきているのかがざっと(たぶんものすごく省略されつつ)書いてある。初めから終わりまで一貫して、「実無限派」と「可能無限派」という無限に対する数学(の哲学)上の二つの立場の相容れなさが軸になって話が進む。「実無限派」は本文中で「対角線論法」と呼ばれる武器を使って次々に新しいことを展開して、それに「可能無限派」が反論する。で、「実無限派」が最後にゲーデルの不完全性定理を導いて終わる、というあらすじだった。 対話篇でもあって、対話篇というより形式は小説という感じだけど、大学の全12回の講義という形式が取られている。視点人物は二人の受講生のうちの一人の学生で、ほかにもう一人の受講生と、先生の、全部で3人だけの人が登場する。本文は大体先生が話している。たった3人の授業で
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カントールからゲーデルまでの集合論がたどった歴史を、小説形式で分かりやすく解説している本です。「和尚さん」と呼ばれることになる、冴えない大学生の青年が、彼とタカムラさんという女子学生の2人しか受講者がいない、タジマ先生の無限論のゼミに出席することになり、毎週タジマ先生の研究室で、...
カントールからゲーデルまでの集合論がたどった歴史を、小説形式で分かりやすく解説している本です。「和尚さん」と呼ばれることになる、冴えない大学生の青年が、彼とタカムラさんという女子学生の2人しか受講者がいない、タジマ先生の無限論のゼミに出席することになり、毎週タジマ先生の研究室で、集合論の歴史と先生の反実在論の主張について学んでいきます。 数式はまったくと言っていいほど使われておらず、フォーマルな議論をすっとばして、集合論のいちばんおもしろい話題を分かりやすく説明しているところが、本書の魅力だと思います。
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対角線論法、濃度の概念、、からゲーデルまで。これだけの内容の超アウトラインを、軽妙な、それでいてちょっと物悲しい感じの対話編で書いてしまうというセンス。
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哲学に数学の話も絡んでくる無限論って難しかったなー!哲学系の本でありながら、小説のスタイルで書かれていて、文章の雰囲気は読みやすい一冊だったとは思うけど、全体的にユーモアが少し入り過ぎな印象があるかなぁ・・・。
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無限論についての話を大学のゼミを舞台にした寸劇形式で解説している。無限論にはまだまだ議論の余地があるのかな。 ゲーデルの不完全性定理もどこまで正確かどうかわからないのだけど、何となくわかりやすくなっている気がする。
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