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太陽の子 の商品レビュー

4.5

205件のお客様レビュー

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2021/10/01

【いまも戦争はおわっていない。】 神戸にある沖縄料理屋『てだのふあ・おきなわ亭』に集う人たちの人生を小学生のふうちゃんの純粋な心を介して紐解いていく物語。沖縄とそれ以外の日本との間にある構造的な差別や不平等が登場人物の生と一緒にあぶりだされています。 てだのふあ・おきなわ亭の人た...

【いまも戦争はおわっていない。】 神戸にある沖縄料理屋『てだのふあ・おきなわ亭』に集う人たちの人生を小学生のふうちゃんの純粋な心を介して紐解いていく物語。沖縄とそれ以外の日本との間にある構造的な差別や不平等が登場人物の生と一緒にあぶりだされています。 てだのふあ・おきなわ亭の人たちと触れ合うことで自分自身の生をみつめたキヨシ少年が言っています。「日本は沖縄の心にふれて、だんだんまともになっていくのとちがうやろか。そやなかったら日本は死ぬだけや。」 太陽のような明るい未来への象徴ともいえる、こどもの生に、戦争という暗闇で散っていった命。沖縄戦や原爆で深い苦痛、悲しみを負った人たちの生を対比させていくことで、生と死、過去と未来を対極ではなく、連なり合う一つのものだと伝えてくれています。自分の生がどれほど沢山の人の悲しみの果てにあるのかを思うことで、本当の平和について考えたふうちゃんの心は、今を生きる私たちにも必要な心なのではないでしょうか。(菊地・PITOPE)

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2021/09/20

灰谷さんの優しさが溢れ出ている。子供や人間をみる目の優しさがこれでもかというほど詰まっている。悲しくてとか感動して泣くことはあるけど、優しさで泣かされたのはこの本が初めて。嗚咽しながら読んでいた。

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2021/08/29

 最後は切ないけど、とても心温まる素敵なお話だった。ふうちゃんのお父さんは、沖縄での戦争という一人ではとても背負いきれない経験のために、心を病んでしまった。主人公のふうちゃん自身はもちろん、ふうちゃんの周りの大人たちも同級生のときちゃんも真剣に物事に向き合っている人たちばかり。私...

 最後は切ないけど、とても心温まる素敵なお話だった。ふうちゃんのお父さんは、沖縄での戦争という一人ではとても背負いきれない経験のために、心を病んでしまった。主人公のふうちゃん自身はもちろん、ふうちゃんの周りの大人たちも同級生のときちゃんも真剣に物事に向き合っている人たちばかり。私も子ども時代、何かと物事を隠しがちな大人は嫌いだったが、時期を考えず何でもかんでも教えてしまってもいけなかったのかと気づいた。  集団就職や沖縄差別があったことを初めて知った。特に沖縄の人への風当たりが強かったのはなぜだったんだろう。沖縄の人への差別というか、自分の属するコミュニティ以外を区別して排斥しようとする行動はどこにでもあるんだろうな。

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2024/06/27
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優しさとは何かをまた考えさせられた。(1999.1.1HPの日記より) 【amazon紹介文】 ふうちゃんが六年生になった頃、お父さんが心の病気にかかった。お父さんの病気は、どうやら沖縄と戦争に原因があるらしい。なぜ、お父さんの心の中だけ戦争は続くのだろう? 著者渾身の長編小説! ※1999.1.1読了  2010.12.21売却済み

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2021/05/30

兎の目を読んでその続きで読んだ 私が普段どれだけ何も考えずに幸せに生きてるんやなってことを考えさせられた 小さいときの方がもっと感性豊かで人のこととか物事をちゃんと考えてたんじゃないかな 今は楽な方に楽な方にと考えて行動してる気がして、ほんとうにえらい人 っていうこととか、知りた...

兎の目を読んでその続きで読んだ 私が普段どれだけ何も考えずに幸せに生きてるんやなってことを考えさせられた 小さいときの方がもっと感性豊かで人のこととか物事をちゃんと考えてたんじゃないかな 今は楽な方に楽な方にと考えて行動してる気がして、ほんとうにえらい人 っていうこととか、知りたくないことを知ろうとする勇気を持てない人になりたくない っていう言葉とか、考えてました 色んな人にも読んでもらいたいなって思った その人の中にどれだけ他の人がいるかで、優しさは決まるっていう言葉がインパクトがあった でも辛い思いをしなかったら人の痛みがわからんってよくいうけど、ずっと辛い思いしないんやったらそれはそれでいいのじゃないかな、鈍くなることも術じゃないかっていう、人としてはいけないんやろうけど考えてしまう

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2021/05/06

NHKドラマ『太陽の子』が放送されるというので、同名小説が原作と思いKindleで購入。 どうもドラマとは違うものだった。 話は、沖縄出身で神戸で居酒屋を営む両親を持つ小学校6年生の女の子ふうちゃんが主人公だ。 ふうちゃんは、真っ直ぐで感受性が豊かな女の子。ふうちゃんの父親が...

NHKドラマ『太陽の子』が放送されるというので、同名小説が原作と思いKindleで購入。 どうもドラマとは違うものだった。 話は、沖縄出身で神戸で居酒屋を営む両親を持つ小学校6年生の女の子ふうちゃんが主人公だ。 ふうちゃんは、真っ直ぐで感受性が豊かな女の子。ふうちゃんの父親が心の病に罹り、父親の郷土沖縄での戦争体験を周りの経験者から自ら学ぶ。ふうちゃんを通して心の成長と戦争の残酷さ、本当の愛とは何かを考えさせられる作品だった。 思わず涙してしまったのは、ろくさんの過去。 戦争のない時代に生まれ、日々を過ごしている私が言えることは何一つない。「人を愛することは」とろくさんの言った言葉は、ろくさんの経験を持ってしてから言えることであり重みがあった。 キヨシ少年の成長は心を暖かくさせるものだった。 児童文学として評されるには、あまりに重い。小中学生の自分ならこの話を読めなかったかもしれない。年齢を重ねたから読めたと思う。 人の心は見た目以上に複雑で、戦争という国と国の争いが市民に与えたものは何一つ良いことはなかった。 楽しそうに笑っている人も全てがうまくいっているように見える人も、誰にも言えないことがあり、心を保っているんだとおもう。当たり前のようで忘れかけていたことをふうちゃんと戦争を通して身につまされた。

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2021/04/06

沖縄がかかえる問題、平和な日本の中にある闇を 神戸で沖縄料理を営む家族とお客様が悲しくも明るくも日々を生きていく。てだのふぁおきなわ亭 というお店の名前のように太陽の子、ふうちゃん が光を与えてくれている。

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2021/02/21

神戸の沖縄料理店「太陽の子(てだのふあ)おきなわ亭」。 そこに集まる沖縄出身の人々の過去の秘密や悲しみを、てだのふあを営む夫婦の娘、ふうちゃんの目を通して伝えた物語です。 心の病に苦しむ父、片腕を失ったロクさん。この店に来る人はみんなかなしみを背負って生きています。 つらいこ...

神戸の沖縄料理店「太陽の子(てだのふあ)おきなわ亭」。 そこに集まる沖縄出身の人々の過去の秘密や悲しみを、てだのふあを営む夫婦の娘、ふうちゃんの目を通して伝えた物語です。 心の病に苦しむ父、片腕を失ったロクさん。この店に来る人はみんなかなしみを背負って生きています。 つらいことを経験した分、他の人に同じ思いをさせまいと、周りに優しく接しているのです。 現在、戦争は歴史の授業で年号や事がらだけを覚えて、受験が終わったらぜんぶ忘れてしまいます。 しかしそこに人々のどんな思いがあったのかを知り、考え、そしてそれを忘れないでいることが、戦争の本当の学びなんだと思いました。 過去の歴史もきちんと知った上で、またいつか今の美しい沖縄を見に行きたいなと思います。

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2021/02/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

沖縄出身の両親とともに神戸で生まれ育った「ふうちゃん」と家族が営む「てだのふあ・おきなわ亭」(沖縄の家庭料理の店)を舞台に、そこに集う沖縄出身の人々の物語。 小学6年生のふうちゃんが主人公の物語ではあるが、本作は単なる物語と呼ぶべきではない。 日本人とは、沖縄とは、生きるとは、死ぬとは... 「とんび」(重松清)を読んだ時に感じた「考えさせられる」とはちょっと違いますが、本作もすごく考えさせられる作品でした。 本作の中で少し触れられた先の大戦での沖縄の悲劇。 「悲劇」なんて簡単な一言で済ませてはいけない。 「太陽の子」というタイトルから想像していた内容よりもすごく深い作品でした。 説明 内容紹介 ふうちゃんが六年生になった頃、お父さんが心の病気にかかった。お父さんの病気は、どうやら沖縄と戦争に原因があるらしい。なぜ、お父さんの心の中だけ戦争は続くのだろう? 著者渾身の長編小説! 内容(「BOOK」データベースより) ふうちゃんは、神戸生まれの女の子。おとうさんとおかあさんは沖縄出身で、神戸の下町で琉球料理の店「てだのふあ・おきなわ亭」を営んでいる。やさしい常連さんたちに囲まれて明るく育ったふうちゃんだが、六年生になった頃、おとうさんが心の病気で苦しむようになる。おとうさんの病気の原因は何なのか?ふうちゃんは、「沖縄と戦争」にその鍵があることに気づきはじめる…。戦争は本当に終わっているのだろうか。なぜおとうさんの心の中でだけ戦争は続くのか?今、日本人が本当に知らなくてはならないことがここにある。

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2020/07/28

沖縄の歴史なんて、詳しいわけでも精通しているわけでもないけど、それでも、人は辛い時、苦しい時、悲しい時にこそ、絆というものが一番大切なのだと思う。 それにしても、ふうちゃんのなんと愛らしいこと! その一途さに、心が震えるほどだ。彼女に愛される全ての人は幸せだ。

Posted byブクログ