対訳 ディキンソン詩集 の商品レビュー
アメリカを代表する女…
アメリカを代表する女性詩人の作品集です。彼女の人生は孤独なものでしたが、彼女の詩はとても放埓で、自然豊かな詩が多いのが不思議です。「細長いやつが草むらを」という詩は蛇の動きを微細に表現していて、詩人としての力を感じさせます。
文庫OFF
私にとっては難しいのだけど、対訳で説明してくれて、とても美しい言葉を書く方だなと思いました。ゆっくりしか、読めないけれど、好きです。 こどものような、ユーモアのある詩が素敵です。
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高原英理さんの『詩歌探偵フラヌール』で取り上げられていたので気になって読みました。1775編の詩の中から50編を厳選。自然や死、神について語った静かな詩でありながら、何処かお茶目でユーモラスな雰囲気があり、軽やかな作風は読んでいてとても楽しかったです。何となくシモーヌ・ヴェイユの...
高原英理さんの『詩歌探偵フラヌール』で取り上げられていたので気になって読みました。1775編の詩の中から50編を厳選。自然や死、神について語った静かな詩でありながら、何処かお茶目でユーモラスな雰囲気があり、軽やかな作風は読んでいてとても楽しかったです。何となくシモーヌ・ヴェイユのような雰囲気も感じました。ディキンソンの詩は他にも色々読んでみたいです。
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傍に置いて、ふとした時に読み返したい本。 難しいところもあって理解しきれたとは言えないけど、寄り添って読むうちになんだか澄み渡ってくる。慰められてるんだと思う。 なんだか蜘蛛に親しみがわいた。 解説のおかげで理解が進むので助かる。
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“わたしは「死」のために止まれなかったのでー”この詩が最も心に残りました。人生において「死」が真実であり「永遠」である事を、美しい余韻を残して表現しています。
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買った後にわかったことではあるが、サリンジャー作の登場人物のフラニーがディキンソンに溺愛しているのに気付いてこのディキンソン詩集を読んでいった。これは訳者である亀井俊介氏が精選した50の詩で構成されている。全体的に美しく包まれていて清らかだ、と読んでいて思った。中でも数行の短い詩...
買った後にわかったことではあるが、サリンジャー作の登場人物のフラニーがディキンソンに溺愛しているのに気付いてこのディキンソン詩集を読んでいった。これは訳者である亀井俊介氏が精選した50の詩で構成されている。全体的に美しく包まれていて清らかだ、と読んでいて思った。中でも数行の短い詩が個人的に光ってみえた。没後に発表されたことが悔やまれる詩人の1人だと思う。
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デュラスの『エミリー・L』の世界を旅する詩人が、この孤独なひとりの詩人を下地にしてゐることを知り、呼び寄せた。 別に英語に特段詳しいといふこともないから、読み方もしらなければ、単語もよく知らぬ。ましてや文法など余計に知らぬ。けれど、このひとが、はるか遠い世界まで思考し、それをつぶ...
デュラスの『エミリー・L』の世界を旅する詩人が、この孤独なひとりの詩人を下地にしてゐることを知り、呼び寄せた。 別に英語に特段詳しいといふこともないから、読み方もしらなければ、単語もよく知らぬ。ましてや文法など余計に知らぬ。けれど、このひとが、はるか遠い世界まで思考し、それをつぶやくやうにおずおずと書きとめたのかはわかる。 生涯のほとんどを自宅から離れず過ごしたといふ。しかし、彼女の心のなんと自由なことか。一滴の水から、川は流れ陸を貫き、大海へと至る。彼女の精神は大陸を流れる。さうかと思へば、空高く、どこまでも光を求め、手を伸ばす。すると、今度は地中深く堕ちてゆき、静かに眠る。縦横無尽に世界の隅々まで駆け巡る。 生きること、死ぬこと、おそらく彼女はひとつの同じことだと看破した。だからこそ、信仰が信仰であることの本質も見抜いてしまつた。きつと叫び声をあげてしまひたくなつたこともあるだらう。ところが、書くことに賭けて、決して彼女は叫ぶことはない。多用される―が示すやうに、声にならないものだけが、力なく漂ふ。まるで伸ばした手が何にも届かず、そつと胸にあてられるやうな。 書きながら、彼女はかなり迷つてゐたのではないか。表現云々ではなく、書くことでことばになることで生じる痛みに。出版などもつての他、できるなら誰の目にもふれずしまつておきたかつたのだと思ふ。しかし、書かなかつたり、処分できなかつたりしたのは、生れてきてしまつたものを、殺すことが彼女にはできなかつたからではないか。思考の止まる場所、自身の死をどこまでも書きつづけたのは、それだけ、それこそ旅など必要ないほどに、ことばの、生命の躍動の中で生きてゐたからに他ならない。 天国にしろ、冷たい墓の中にしろ、もうひとつの世界にしろ、そこに辿り着けるなら彼女はどれほど渇望してゐたことか。しかし、辿り着くには、どんなに考へても生きてゐる限り決して届かない。死が隔絶した何かであることを知つてしまつた。そして、死ねなかつた。生きることしか彼女にはできなかつた。それが彼女のどこか不器用なつぶやきだつたのだと思ふ。
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「今日から地球人」がとてもとてもよかったので、そのなかに出てきたエミリー・ディキンソンの詩を読んでみよう!と。 うーん、わたしには難しかった。。。 対訳で、英語と日本語、プラス解説があるんだけど、解説があるのでやっとなんとなく意味するところがわかるような、という感じ。解説なかっ...
「今日から地球人」がとてもとてもよかったので、そのなかに出てきたエミリー・ディキンソンの詩を読んでみよう!と。 うーん、わたしには難しかった。。。 対訳で、英語と日本語、プラス解説があるんだけど、解説があるのでやっとなんとなく意味するところがわかるような、という感じ。解説なかったら、まったくなんのこっちゃ?だったかもしれない。この詩がすばらしいのかどうなのか、ほかの詩人の詩と比べてどうなのか、とか、わたしにはさっぱりわからないのかも。。。(泣) エミリー・ディキンソンの詩も小説のなかで、引用されていたり、話に出てきたりすると、いいなと思うのだけれど。 でも、解説のおかげで、エミリー・ディキンソンがどんな人だったのかということはけっこうわかった気になっている。 共感できるというか、親しみがわいた、というか。
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亀井俊介 編「対訳 ディキンソン詩集」赤310-1 岩波文庫 初めて詩集を読んでみました。 編者によって選定された50篇のなかで、特に印象的だった詩は下記の6篇でした。 ‘I like a look of Agnoy,’ (わたしは苦悶の表情が好き) ‘This was ...
亀井俊介 編「対訳 ディキンソン詩集」赤310-1 岩波文庫 初めて詩集を読んでみました。 編者によって選定された50篇のなかで、特に印象的だった詩は下記の6篇でした。 ‘I like a look of Agnoy,’ (わたしは苦悶の表情が好き) ‘This was a PoetーIt is That’ (これが詩人というものー詩人とは) ‘The Poets light but Lampsー’ (詩人はランプに火をともすだけー) ‘Tell all the Truth but tell it slantー’ (真実をそっくり語りなさい、しかし斜めに語りなさいー) ‘A word is dead’ (ことばは死んだ) ‘The Heart has many Doorsー’ (心にはたくさんのドアがありますー) 生涯孤独で、人生の半分以上を引きこもっていた彼女の詩について訳者のまえがきではこう述べられています。 『孤独で、頼りなげだが、ぎりぎりのところで無類の硬質さを示している。そして、外見だけ派手な「金めっき」文化の中で、いわばダイヤモンドの輝きを発するのだ。』 何も考えずにパラパラと読み、引っかかったものについてはじっくりと読みました。
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左ページに英文が、右ページ和訳が載っており、下部に単語ごとの詳細な解説と詩全体が記載されている。和訳を楽しみながらも、左ページで原文に触れられる形式になっている。 和訳ページだけではエミリーディキンソンの声を聞くことは難しいかもしれない。今までにエミリディキンソンの詩集や解説を...
左ページに英文が、右ページ和訳が載っており、下部に単語ごとの詳細な解説と詩全体が記載されている。和訳を楽しみながらも、左ページで原文に触れられる形式になっている。 和訳ページだけではエミリーディキンソンの声を聞くことは難しいかもしれない。今までにエミリディキンソンの詩集や解説を見たことがない人には取っつきにくいものが散見される。自分もその中の一人であった。和訳をただ単調に読み進めたのなら読まないことと同じであり、文字を追ったという事実しか残らないだろう。しかし、原文を読むにしてもある程度の語力が必要となる。そんな人たちのための下部の解説であろう。 解説を読めば詩の内容はもちろんのことエミリディキンソンという人物についても深く知ることが出来る。そして、徐々に彼女の詩の読み方を理解できるように変わっていくことが出来るのだ。
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