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存在の耐えられない軽さ の商品レビュー

4.1

232件のお客様レビュー

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自国の過酷な歴史に翻…

自国の過酷な歴史に翻弄されるチェコ人のカップル、愛人の女性と、そのまた相手の男性…。複数の国、人間が織り成す複雑な関係の中、自分の存在をどれだけ感じられるか。

文庫OFF

チェコの作家クンデラ…

チェコの作家クンデラの代表作です。一見恋愛小説ですが、本書のテーマは「たった1回限りの人生の限りない軽さは、本当に耐えがたいのだろうか?」という哲学的な問題です。けして軽い恋愛小説ではありません。

文庫OFF

チェコの人気作家ミラ…

チェコの人気作家ミラン・クンデラ著の名作です。恋愛小説だけど、哲学的意味もたくさん込められていて非常に面白いです。当時のチェコの様子もうまく描写されていて、チェコに興味が持てます。

文庫OFF

2026/04/17

私は同性ということもありテレザに感情移入してしまいトマーシュの人生というものに目を向けていられなかった。しかし最終章のテレザの語りで、確かにトマーシュはテレザのために何もかもを捨ててここに来たのに、テレザは何も失っていなかったことに気がつき、私こそがトマーシュの人生を軽く見ていた...

私は同性ということもありテレザに感情移入してしまいトマーシュの人生というものに目を向けていられなかった。しかし最終章のテレザの語りで、確かにトマーシュはテレザのために何もかもを捨ててここに来たのに、テレザは何も失っていなかったことに気がつき、私こそがトマーシュの人生を軽く見ていた(無視していた)ことに気がついた。相手のために生きることは難しいにもかかわらず、誰かのために自分を捨てて下へ下へ行くということを選んだトマーシュの人生は、本当に軽々しいものなのだろうか? 一度は数のうちに入らない、人生は軽い、これはこの小説で言われていた言葉だが、カレーニン含む三人の人生は、確かに人生自体は軽いもの(傍を通る人々が、相手同士の人生を決して重視しないように、この三人の人生も、筆者が意図して書かなければ当然無視できるものであり、そういう意味で人生は軽々しい。)だが、彼らの過ごした十年自体も軽いものだろうか?軽さはあれどそこに何らかの重さは残っていないのだろうか?重さより軽さが勝るのは、いつもだろうか? 人生は軽い。相手の人生も、私の人生も軽い。しかし同じ分だけ軽いからと言って、それは相手の人生を決して軽いものと見做して良いことにはならない。 一度は数のうちに入らないと仮定するならば、私がこの小説を読み切ったことは『まだない』と言える。この小説を初めに読んだ時私は何を感じるのか。時間が経ったらこの小説を読もうと思う。

Posted byブクログ

2026/04/04

面白かった、けど、全然消化できておりません。 まとまってないので箇条書きの感想になる。 ・恋愛小説というより哲学書 ・軽いと重いはどっちが良い?軽く生きる方が楽ではありそう(人に対してということではない、生き方や死に方) ・自分の生き方、欲求を捨て、愛する人のために生きるのは...

面白かった、けど、全然消化できておりません。 まとまってないので箇条書きの感想になる。 ・恋愛小説というより哲学書 ・軽いと重いはどっちが良い?軽く生きる方が楽ではありそう(人に対してということではない、生き方や死に方) ・自分の生き方、欲求を捨て、愛する人のために生きるのは難しい、重い ・重さを受け入れるのは難しい、けど本当は重さを受け入れて生きていきたい ・母からの女としての生き方の呪縛 ・俗悪なもの(キッチュ)とは偽善、まがいもの(デモ行進、カメラを向けられると子供を抱きかかえる政治家、お涙頂戴) ・途中で著者の思想が突然介入してくるのが面白い ・詩的、メタファーを感じさせる女性が、特別な存在となる(情事中の雷のくだり) ・幸福とは繰り返しへの憧れである 最終章はボロボロ泣きながら読んでしまった。 今までのドロドロした気持ちとか陰鬱さとか全部吹き飛ぶくらい暖かくて幸福だった。 印象に残っているのは、 「Einmal ist keinmal(一度は数のうちに入らない)、一度だけ起こることは、一度も起こらなかったようなものだ。人がただ一つの人生を生きうるとすれば、それはまったく生きなかったようなものである。(中略)」との文。 これが本当ならば、人生がこんなに軽いものならば、とても楽だろう。 実際は人間は歴史を生きて、思想を持ち、人と衝突し、悲しんで、苦しんで生きている。 これのどこが軽いんだろうか。人生は結局は重いものだと思う。

Posted byブクログ

2026/03/23

最初は「軽い男の恋愛と思想の話」だと思って読んでいたけど、読み終える頃には全く違う印象になっていた。 この小説は、人生に「正解」や「答え合わせ」が存在しないことを突きつけてくる。人生は一度きりなので、選ばなかった選択肢と比較することはできない。だからこそ、どの選択も“軽い”とも...

最初は「軽い男の恋愛と思想の話」だと思って読んでいたけど、読み終える頃には全く違う印象になっていた。 この小説は、人生に「正解」や「答え合わせ」が存在しないことを突きつけてくる。人生は一度きりなので、選ばなかった選択肢と比較することはできない。だからこそ、どの選択も“軽い”とも“重い”とも言い切れない。 トマーシュの軽さは、単なる無責任さではなく、彼なりの原理や論理に裏打ちされたものだった。どこかキリッとした白ワインのような、無駄を削ぎ落とした軽さ。一方で、サビナの軽さはもっと直感的で、過去や意味を切り離していくような軽さで、夏に飲む強めの酒のようにあっけらかんとしている。この二人の軽さは似ているようで全く違う。 二周目で特に印象が変わったのはサビナだった。自由でかっこいい存在に見えていたが、実際には何にも縛られない代わりに、どこにも帰れない孤独を抱えている。その軽さは、決して気楽なものではなかった。 トマーシュは最終的に社会的には失われたものが多い人生を送るが、それでもテレザと過ごす時間の中に穏やかな幸福があったように見える。成功でも悲劇でもなく、ただ一つの人生として静かに成立している。その在り方はどこか納得感があった。 読み終えたあとに残るのは、強い感動というよりも、不思議な軽さとわずかな苦味だった。シャルドネのように整った軽さでもなく、カティサークのように割り切った軽さでもない、どこか中途半端な余韻が残る。 自分の人生もまた、重い決断の連続というよりは、軽い選択の積み重ねなのかもしれない。だからこそ、「何が正しかったか」ではなく、「自分が選んだという事実」を引き受けていくしかないのだと思う。

Posted byブクログ

2026/04/14

三宅香帆さんの書評から、久しぶりに海外の名作に手を出す。 難解だという評判も目にし、恐る恐る読み始めたけれど、意外といける!登場人物の思想について事細かに説明があるので、全てを自分で推察しなければならない系純文学より読みやすい気もする(と思ったけど、「大行進」以降の後半は難しかっ...

三宅香帆さんの書評から、久しぶりに海外の名作に手を出す。 難解だという評判も目にし、恐る恐る読み始めたけれど、意外といける!登場人物の思想について事細かに説明があるので、全てを自分で推察しなければならない系純文学より読みやすい気もする(と思ったけど、「大行進」以降の後半は難しかった…)。 ただあらすじにあるように「究極の恋愛小説」を期待して読むもんではない!テーマは性愛、政治的弾圧、母からの影響と多岐に渡り、その時によって、何に引っ掛かるか人によって変わりそう。わたしは共産主義についてもっと知りたくなった。 そして今に残る名作なだけあり、はっとさせるような普遍的な文章が随所にある。これもすごく人によって違うと思う。 わたしは今回、以下の引用箇所に惹きつけられた。 「重荷が重ければ重いほど、われわれの人生は地面に近くなり、いっそう現実的なものとなり、より真実味を帯びてくる。 それに反して重荷がまったく欠けていると、人間は空気より軽くなり、空中に舞い上がり、地面や、地上の存在から遠ざかり、半ば現実感を失い、その動きは自由であると同様に無意味になる」 →結局どっちの方がいいのか、読了してもよくわからない。解釈分かれそう。テレザの人生とサビナの人生、どちらがいいですか?ということなのかも。 もっと若い頃はサビナの「軽い」人生のがいいと思ったと思うけど、今は「幸福は繰り返しへの憧れ」というテレザの呟きもよくわかる。 「今や彼女は羞恥心を失っただけでなく、徹底的に恥ずかしさと関係を断つことによって、人生に華々しい一線を引き、自分が過大評価した若さとか美しさというものが実際には何らの価値もないと叫びたがっているようであった」 「お前の身体は他の身体と同じようなもので、恥ずかしがる権利などない。他の何億という同じような例があるのに、それを隠す理由など持ち合わせていない。母親の世界ではすべての身体が同じで、一列になって行進していた」 →若さや美しさの価値を否定するため、あえて下品に走る母親の気持ちもわかるような気がした。歳をとり、人間の体の動物性を感じて失望する気持ち。所詮みんな同じ女の体なんだと、自分の体は取るに足らないものだと思う気持ち。

Posted byブクログ

2026/03/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

軽さ(自由)と重さ(愛と責任)への考察と、自己欺瞞的な俗悪と、弱さの強さがこの本で一貫して強調されていた。 登場人物が基本的に自分の行為に意味付けをしたり、自分の思想と行動との首尾一貫性を省みたり、内省的で読み応えがあった。 共産主義国が故の監視社会から誘発された神経症くらいにしか、あまりプラハの春は関わっていなかったように思う。舞台移行の装置としては機能してたけど。 夢診断も急に入ってきたり、特にテレザに関しては他人のノートを覗き見しているかのような気持ちになった。 犬飼ったことないけど、犬が死ぬシーンでいちばん感動したかもしれない。 そこで二人の関係の不安定さと、テレザの生き物に対する公正さを表したんだろうな。 この本はテレザが魅力を発揮出来るように他の登場人物を出しつつ、作者がテレザには見合わないが描きたい思想を他の登場人物や舞台に合わせて露出しているように思えた。 トマーシュ 外科医 女好き 肉欲と愛情は別だという思想を持っている "そうでなければならない"という強迫観念に囚われていたが、最終的に使命だと感じていた外科として神秘をメスで暴くのも、女性の根本的なところを性的関係で暴くのも、手放した。 テレザ マザコン持ち 依存的 文学的 トマーシュのみに固執し、他の写真家としての道や交友関係は全てとマーシュのための手段として扱っていた 性的なものを軽く扱い、テレザの若々しい女性性を低俗なものへ陥れる母親との関係が悪い トマーシュへの愛情と献身を自覚していたが、最後田舎でエリート街道から落とされ老いぼれたトマーシュと象徴的な夢を見て、トマーシュと自分のパワーバランスを均等にしようとトマーシュの胃痛や愛情に漬け込んでいたこと、トマーシュを愛しているなら外国に留まったままでいればよかったことを自覚した。重さ側 ザビナ 画家 性に開放的で他人に執着しない 刺激と軽さを求め放浪する 罪悪感と暴力性の美徳に囚われている トマーシュと性的関係、フランクと恋人関係にあったが、トマーシュはテレザと消え、フランクとは安定が見え始めた頃にかんけいをたった。軽さ側 フランク 善良で誠実なエリート 妻子を持っていながら刺激的なザビナに傾倒する ザビナと別れ学徒と付き合い愛し合いながらも、ザビナを内面で規範化、神格化し、"ザビナのために"紛争地域へ政治運動をしに行き現地民に殺された 改めて振り返ってみると、こんなにもメタファーや哲学が詰め込まれた重厚感のある作品なのに、なんであまり没入も共感もできなかったんだろうと思うと、テレザやザビナの女性特有の弱さを美徳や武器として扱う自己欺瞞的な所に同族嫌悪があったのかもしれない フランクのヒロイズムな自己欺瞞にも辟易とした テレザの夢診断やヒステリックなどの弱者を利用しつつ暗い顔で自己分析をする所は、まるで受験期の自分を見てるみたいで不快だった

Posted byブクログ

2026/03/14

人生は必然とも偶然とも言い切れないさりげなさで過ぎて行く、この瞬間を何度でも繰り返してもよいと言えるほど、ぼくらはこの人生を肯定できるのだろうか。確かに時々、その軽さに耐えきれなくなることがある。

Posted byブクログ

2026/02/19

以前一度読むのを挫折していて、数年経って改めて読んだらとても面白かった。  わかりにくい比喩や慣れない言い回しに、なかなかテンポ良く読み進めることができなかったが、新しい考えを与えてくれるパートがいくつもあった。 ただ1度では理解しきれず、何度読んでも意味が分からなくて飛ばして...

以前一度読むのを挫折していて、数年経って改めて読んだらとても面白かった。  わかりにくい比喩や慣れない言い回しに、なかなかテンポ良く読み進めることができなかったが、新しい考えを与えてくれるパートがいくつもあった。 ただ1度では理解しきれず、何度読んでも意味が分からなくて飛ばしてしまった箇所もあるので、また改めてじっくり読み返したいと思う。 タイトルの意味について腑に落ちた箇所 「サビナに落ちてきたのは重荷ではなく、存在の耐えられない軽さであった。 これまではそれぞれの裏切りの瞬間が裏切りという新しい冒険に通ずる新しい道を開いたので、彼女を興奮と喜びで満たしてきた。しかし、その道がいつかは終わるとしたらどうしたらいいのか?人は両親を、夫を、愛を、祖国を裏切ることができるが、もう両親も、夫も、愛も、祖国もないとしたら、何を裏切るのであろうか? サビナは自分のまわりに虚しさを感じた。ところで、もしこの空虚さが彼女のこれまでのすべての裏切りのゴールだとしたら?」

Posted byブクログ