存在の耐えられない軽さ の商品レビュー
チェコを主な舞台に3人の男女の関係が対比され続ける小説。 一回読んで終わりというタイプではなく、何度も読み返すような本。一回だけだとよくわからないことも多い。 軽さと重さはどちらが良いのか、男女、共産主義などが対比されるのでやや難解
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タイトルからかっこいい。 一回読んだら終わりという作品ではなく、生涯傍らに置いて節目に読み返せば、また違った印象をうけそう。哲学的で?な箇所も味わい深い名作。
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登場人物の心情描写を機械的に分析し、冷たさすら感じさせるほど淡々と綴る文体。基本的に彼ら彼女らの欠点ばかりが強調され、誰に対しても感情移入がしにくい。ジャンルとしては恋愛小説に分類されるらしいが、そのような描写を期待して読むことはおすすめしない。哲学的テーゼに触れるための媒体とし...
登場人物の心情描写を機械的に分析し、冷たさすら感じさせるほど淡々と綴る文体。基本的に彼ら彼女らの欠点ばかりが強調され、誰に対しても感情移入がしにくい。ジャンルとしては恋愛小説に分類されるらしいが、そのような描写を期待して読むことはおすすめしない。哲学的テーゼに触れるための媒体としても、哲学徒である私からすれば物足りず、終始どのように接すれば良いのか判断しかねる作品であった。 身も蓋もないことを言ってしまえば、作者はおそらく恋愛小説以外のもの(例えば論理的なミステリーなど)を書いてみればさらに良いものができるのではないかと、私などは思ってしまった。 評価の軸を変えれば、高い評価も可能ではありそうだ。
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感想 愛は誰のものでもない。だが私の人生には必要。愛がない人生をどうやって渡り歩けば良いのか。しかし与え続けなくてはいけない。
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「人間というものは、ただ一度の人生を送るもので、それ以前のいくつもの人生と比べることもできなければ、それ以後の人生を訂正するわけにもいかないから、何を望んだらいいのかけっして知りえないのである」 ご冥福をお祈りします。
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10年おきぐらいに気になって読み返し、そのたびに新たな発見がある。 哲学的ながらも文学として心地良いテクストで、気がつくと没入して読んでいる。 人生の最後にどういう心境で読むことができるか、自身の価値観が映し出される名作。
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存在の耐えられない軽さ 1.動機 読者レビュー「読んでみたら?の外国文学」にあったためです。 外国文学は、年に一冊読むか?読まないか?です。 結論、出会えてありがとうございます の書籍となりました。 2.舞台 ソ連に侵攻されたチェコが舞台です。 著者の故郷です。 チェコが開放...
存在の耐えられない軽さ 1.動機 読者レビュー「読んでみたら?の外国文学」にあったためです。 外国文学は、年に一冊読むか?読まないか?です。 結論、出会えてありがとうございます の書籍となりました。 2.舞台 ソ連に侵攻されたチェコが舞台です。 著者の故郷です。 チェコが開放されて、解禁となった著書であると後書きにありました。 3.主人公 外科医。応援でたまたまチェコへ。 外食先のレストランで1人のウェイトレスと出会います。 そのウェイトレスは、彼が読む書籍が、自身と馴染みのある同じ書であったため、彼に惹かれます。 そして、2人は、ソ連侵攻後に、夫婦となります。 4.書籍より 「人生のドラマは重さというメタファーで表現できる。その重さに耐えられるか?または下敷きになるか?勝つか?負けるか?」 「人間の真の善良さは、いかなる力も提出することのない人にのみ純粋にそして自由である。」 5.読みおえて ①国家と市民 ②共産主義と民主主義 ③母と娘 ④男と女 ⑤理性と欲望 ⑥残された人と亡命した人 ⑦人間と動物 ⑧生存と死 読み返すことで、これらの構造があること、さらに複数のテーマが重曹的に展開されていることに気づきます。 チェコで侵攻を体験し迫害を受けた著者だからこそ描けた世界。 そして、この日本語訳が、解釈を読者に委ねてくれる幅を持たせてくれているのでは?と思えるほどの深い書でした。
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何度も読みたい作品 オススメされて読んだが、この小説をきっかけにミラン・クンデラにはまった。 数年経ってもう一度読んだとき、今と違う感想を抱くんだろうと思う。 是非手にとって読んで欲しい
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思っていたよりも中欧であることが大きな要素としてあった。 皆の考えが説明されていて、哲学してるのが面白く、興味深かった。トマーシュ、サビナ、フランツとかの考えることは割にわかる部分もあるけど、テレザさんは分からないところが多い。 作者の視点というか存在があるのもおもしろかった。タ...
思っていたよりも中欧であることが大きな要素としてあった。 皆の考えが説明されていて、哲学してるのが面白く、興味深かった。トマーシュ、サビナ、フランツとかの考えることは割にわかる部分もあるけど、テレザさんは分からないところが多い。 作者の視点というか存在があるのもおもしろかった。タイトルに惹かれてずっと読みたかった本
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5章めぐらいまで延々主人公とその周囲の恋愛・性愛生活を語るので、「可憐で一途な妻と、しなやかで奔放な愛人を持った上に、街中の女性達と恋しちゃう知識層自由人な僕☆彡」な話かと被害妄想してしまって、読みながらこのブルジョワジーめ!ぺっ!ぺっ!て唾吐いてたけど、そういう話じゃなかった...
5章めぐらいまで延々主人公とその周囲の恋愛・性愛生活を語るので、「可憐で一途な妻と、しなやかで奔放な愛人を持った上に、街中の女性達と恋しちゃう知識層自由人な僕☆彡」な話かと被害妄想してしまって、読みながらこのブルジョワジーめ!ぺっ!ぺっ!て唾吐いてたけど、そういう話じゃなかったです。すみません。主人公と奥さんがプラハを去って田舎に引っ込んだ時に、労働者階級思考でバリバリにシャデフロってしまってごめんなさい。 重さと軽さの話は、哲学や宗教の知識が乏しいので正直ちゃんと理解できていない。ただ、日本(というか仏教圏?)には諸行無常(軽さ)的な考えがあって、自分も直感的に理解できるけど、西洋(キリスト教圏?)では意識の根源にあんまり根差してない考え方なのかもしれないな〜と思った。人間は自然の一部だからそんなに重い存在じゃないよていうオリエント的思考派と、偉い神様が作ったんだから人間の存在は重要(重い)なんだよ派というか。イエス様(イエス様のお父様?)のうんこの話でゲラゲラ笑ってしまって、これもごめんなさい。 政治的な面では、著者は社会主義や共産主義と、社会主義や共産主義の皮を被った独裁(監視社会)や衆愚政治の違いをしっかり分かってそうだなという印象。カンボジアの話はあ〜西欧の人ってこういうとこあるよねという感じ。著者はフランスに亡命してたのにフランス人をこういう役回りにしたのは周囲への皮肉もあるのかな。サビナも亡命者のレッテルを貼られるのにうんざりしてたし。 他にも人間は他人からの視線を欲してる話とか、ちょくちょく面白いなと思う考え方があったので、また読み返して考えてみたい。 主人公も奥さんもメンヘラで最初は読みながら疲れてたんだけど、最後のダンスのシーンがあったかくて切なくて、こんなラストにされると嫌いな話だと言えなくなってしまう。読んでる途中はなんでこれが恋愛小説の傑作と言われてるんだろう?って感じだったんだけど、テレザがトマーシュの愛の形に気がついたくだり以降は、トマーシュは結局自分が浮気することで傷つくテレザ最高にかわいそカワイイ〜!ってなってて、テレザはフラフラ飛び出していく自分を名誉も仕事もかなぐり捨てて絶対追いかけてくれるトマーシュしゅきぴ…となってたのかなぁ。プラハの春を舞台に自分の人生と生命ベットして大恋愛したメンヘラカップルの話だから、やっぱ恋愛小説の傑作なのかもしれないな〜と思いました。
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