ホテル・アイリス の商品レビュー
なんて残酷で美しいのだろう…と初めて感じた作品です。 小川さんの作品はどれも傑作ぞろいですが、ホテルアイリス特にオススメの作品。 夏の暑い日に一人でひっそりと読みたい桜庭。
Posted by
ホテルアイリスで働く少女とF島でくらす老人の変わった恋愛小説。 作者はなにか、もしくは誰かがいないと生きていけない人間を書きたかったんじゃないかと思いました。 老人と少女の恋愛がかなりハードなSMだったけど嫌悪感がなく読ませる文章は流石でした。最後のほうが少し蛇足だったような.....
ホテルアイリスで働く少女とF島でくらす老人の変わった恋愛小説。 作者はなにか、もしくは誰かがいないと生きていけない人間を書きたかったんじゃないかと思いました。 老人と少女の恋愛がかなりハードなSMだったけど嫌悪感がなく読ませる文章は流石でした。最後のほうが少し蛇足だったような...でもこの本を読めて良かったです。
Posted by
小川洋子さんの本の中で最もよく読み返している本です。博士の愛した数式を読破後に読んだので、この本は頭を殴られるような衝撃でした。 主人公の少女と同年齢のときに読みましたが、この歪んだ愛の形が強く印象に残っています。
Posted by
物語の舞台はどこだろう?と思って調べていたら、筆者のインタビューサイトが見つかった。 http://www.quilala.jp/from_bs/interview24.html
Posted by
この最後ぶつんと終わらせる感じ、大分慣れてきた。薬指の標本と同類のような、でも薬指の標本の方がよいような、ううう
Posted by
海辺の街に建つさびれたホテル・アイリス。厳しい母親の言いつけに従って毎日フロントに座る17歳のマリは、ある日客として訪れた老いたロシア語翻訳家の“美しい響きを持つ命令”を耳にする。それは倒錯した性の営みへの入り口だった。 同じような性のカタチがもしも小川洋子ではない作家によって描...
海辺の街に建つさびれたホテル・アイリス。厳しい母親の言いつけに従って毎日フロントに座る17歳のマリは、ある日客として訪れた老いたロシア語翻訳家の“美しい響きを持つ命令”を耳にする。それは倒錯した性の営みへの入り口だった。 同じような性のカタチがもしも小川洋子ではない作家によって描かれていたら、おそらく読みきることはできなかったと思う(グロすぎて)。ストーリー全体を包む無国籍な雰囲気、母親の存在、過激ながらあくまで静謐な快楽の描写・・・。そういったもののおかげで(変な言い方だけれども)文学的に捉えることができた。ちなみに短編「まぶた」にはこれと重なるエピソードや設定がいくつかある。この作品に対する作者の思い入れの深さの表れだろうか。
Posted by
1時間で読了。一気に読ませる筆力は流石です。内容は…うーん。嫌いじゃないんだけど、もう少し何か欲しかったなぁ。
Posted by
ドSの変態おじさんと、ドM少女のある意味純粋な交流を美しい文章で描いた文学作品。 小川洋子さんの美しくて、優しい文章のおかげでエゲツなさは不思議と感じなかったのはさすが。この人の書く小説にはこーゆーテイストとゆーか、エロティックな雰囲気が漂っているものが多い気がするんだけど、この...
ドSの変態おじさんと、ドM少女のある意味純粋な交流を美しい文章で描いた文学作品。 小川洋子さんの美しくて、優しい文章のおかげでエゲツなさは不思議と感じなかったのはさすが。この人の書く小説にはこーゆーテイストとゆーか、エロティックな雰囲気が漂っているものが多い気がするんだけど、この作品はそれが全面的に出ている感じがしました。
Posted by
純粋な愛情は時に醜いのかもしれない。 ホテル・アイリスに閉じ込められた少女と小さな何もない孤島に閉じ込められた翻訳家の老人が愛しあってしまう話。それは時に初々しいデートであったり、時にサディステックで暴力的な行為であったりする。小川洋子さんらしい、主人公の感性のサラサラした感じ...
純粋な愛情は時に醜いのかもしれない。 ホテル・アイリスに閉じ込められた少女と小さな何もない孤島に閉じ込められた翻訳家の老人が愛しあってしまう話。それは時に初々しいデートであったり、時にサディステックで暴力的な行為であったりする。小川洋子さんらしい、主人公の感性のサラサラした感じが相変わらず好きで、1日で読み終わった。 でもね、なんか違うんだよなぁ。 小川洋子さん節はバッチリで、古び、錆びた情景がすごくいいんですが。何か違うんだ。何が違うんだ。今までの作品と違ってよぼよぼ爺さんだからか、いや違う(反語)。なんか直接的で攻撃的で暴力的な表現が炸裂しすぎてていつもと違うのかなぁ。なんだろう。きらいじゃないけれど大好きにはなれなかったです。 あれだ、「うん、マリ。別れたほうがいいよ、マリ」と思ってしまったからでしょう。
Posted by
盲目的で異質な純粋でありながらさらりとした質感。 暑い夏の海に降注ぐ日差しが、淡い悲しみともほんの少しの寂しさともつかない感情を呼び起こす物だと初めて知った。 ほの甘い秘密。
Posted by