ホテル・アイリス の商品レビュー
小川洋子の作品において、人間の身体部位に対するフェティシズムは重要なファクターの一つだと思う。本作では、そのフェティシズムが「物」として扱われる少女の視点から描かれているのが面白い。とはいえ、小川洋子は矢張り短編向きの作家なのかな。短編集『まぶた』の表題作と読み比べてみるといいか...
小川洋子の作品において、人間の身体部位に対するフェティシズムは重要なファクターの一つだと思う。本作では、そのフェティシズムが「物」として扱われる少女の視点から描かれているのが面白い。とはいえ、小川洋子は矢張り短編向きの作家なのかな。短編集『まぶた』の表題作と読み比べてみるといいかも。
Posted by
まるで美しい絵画に迷い込んでしまったかのように、非・日常へと引きずり込まれる。 この本の表紙を見たせいだろうか、からっとした気候の、白とブルーの対比が美しい街。 ひなびたホテルと、色の白い美しい少女。 年老いた悪意と、そこだけ妙に生々しい性の部分と。 老いと若さ、男と女、品...
まるで美しい絵画に迷い込んでしまったかのように、非・日常へと引きずり込まれる。 この本の表紙を見たせいだろうか、からっとした気候の、白とブルーの対比が美しい街。 ひなびたホテルと、色の白い美しい少女。 年老いた悪意と、そこだけ妙に生々しい性の部分と。 老いと若さ、男と女、品の良い手紙と下劣なまでに荒々しい肉体の交わりと。 羊皮紙のように薄く壊れやすく年月に脆い交流(これを愛と呼べるのかわからない)、 小川洋子だから輝かせられる世界観。 歪な関係が最後に老人の自殺によって、あまりに短く壊れたとき、なぜかひどく、安心してしまった。 乾いた熱と、ひそやかな悪意。 小川洋子さんって、どんなひとなんだろう。
Posted by
小川洋子的世界観。 エロスですね。 そして、愛ですよ。 ただ変態的ですが。 思うけど、人によって仕方ってのは違うわけで。 ああいったのもありなんでしょうね。 人それぞれ。 なんでも否定しろというわけでなく、かといって肯定しろってことでもなく、あるんだから認知しろよと。 なんか...
小川洋子的世界観。 エロスですね。 そして、愛ですよ。 ただ変態的ですが。 思うけど、人によって仕方ってのは違うわけで。 ああいったのもありなんでしょうね。 人それぞれ。 なんでも否定しろというわけでなく、かといって肯定しろってことでもなく、あるんだから認知しろよと。 なんかちょっと違うと思うけど、個人的にはそんな感じ。 星は4つにしようか迷ったけども・・・3.5だな。
Posted by
小川洋子さんの話は表現が綺麗だなあ。あと時間がゆっくりしてる。テスト終ってひさしぶりに手にとった本で、ゆるゆる流れるような感じ大変癒された。非常に過激な老人とあんまり幸せじゃない女の子というのはいい組み合わせだと思いました。髪を結わなくなる母の気持ちがなんとなくわかって悲しかった...
小川洋子さんの話は表現が綺麗だなあ。あと時間がゆっくりしてる。テスト終ってひさしぶりに手にとった本で、ゆるゆる流れるような感じ大変癒された。非常に過激な老人とあんまり幸せじゃない女の子というのはいい組み合わせだと思いました。髪を結わなくなる母の気持ちがなんとなくわかって悲しかった。あのお母さん嫌いなんだけど、な。
Posted by
映画化の前に高専の国語の先生に『博士の〜』を勧められて、 そのあとに読んだ本 独特、 しかし帯の文章 幻冬舎 いや広告屋さんか?
Posted by
http://coco6calcio.blog96.fc2.com/blog-entry-116.html
Posted by
結構描写が生々しい感じします。小川さんの小説ってもともとえろすな感じあるんですけど、なんか薄皮2〜3枚に包まれたような遠まわしな表現、のイメージが強かったので、びっくり。顔赤らめて読むのやめるほどうぶじゃないけど人生経験浅い小娘にはちょっと抵抗大きかったです正直、倒錯的なことやっ...
結構描写が生々しい感じします。小川さんの小説ってもともとえろすな感じあるんですけど、なんか薄皮2〜3枚に包まれたような遠まわしな表現、のイメージが強かったので、びっくり。顔赤らめて読むのやめるほどうぶじゃないけど人生経験浅い小娘にはちょっと抵抗大きかったです正直、倒錯的なことやってるからなおさら。
Posted by
かなしい。久しぶりにこんなにしっくりくる恋愛小説を読んでしまった。醜ければ醜いほど美しい。支配にとり憑かれた少女と老人の行方は。
Posted by
「染みだらけの彼の背中を、私はなめる。腹の皺の間に、汗で湿った脇に、足の裏に、舌を這わせる。私の仕える肉体は醜ければ醜いほどいい。」 裏表紙の紹介文から既に狂気が滲み出る。今まで読んだ小川洋子さんの本の中でも一番恐ろしく、官能的な一冊。 祖父が残したホテルを母と営む17歳の...
「染みだらけの彼の背中を、私はなめる。腹の皺の間に、汗で湿った脇に、足の裏に、舌を這わせる。私の仕える肉体は醜ければ醜いほどいい。」 裏表紙の紹介文から既に狂気が滲み出る。今まで読んだ小川洋子さんの本の中でも一番恐ろしく、官能的な一冊。 祖父が残したホテルを母と営む17歳の主人公、マリ。ある夜ホテル・アイリスの202号室に泊まった初老の男の、言葉、美しい響きの命令をマリは忘れることが出来なかった。少女と老人が共有した歪んだ愛。 戦慄と恐怖、そして官能。それが終始美しく描かれる。読み進めるのが怖いのだけれど、読まずには居られない。 母の支配を受ける少女が求めたのは、男による更なる支配だった。この後、少女は自由になれるのだろうか…とぐるぐる考えている。 「支配」と「自由」のレトリック…。深い。 狂気に満ちた美しい世界、秀逸です。
Posted by
少女と老人の、命令と狂気と愛の話。静かな文章だからこそ、せまってきます。美しい人間達の美しいお話よりも、断然いいです。
Posted by