ポプラの秋 の商品レビュー
図書室の本。 気持ちに寄り添うこと。 気持ちに向き合うこと。 落ち葉が降り積もるように、ゆっくりゆっくりすすむこと。
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やっぱりこれも、子供(女の子)と老人(大家のおばあさん)の話。 「夏の庭」より少し大人な雰囲気かな。 やっぱりいいねー。
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幼いころに読んで、永遠に大好きな一作です。湯本さんの作品ではこれが一番好きです。鮭缶の描写に当時しばらく魚類がだめになりました。主人公もまだ幼かったのに、その描写の生々しさが大人の女を思い出させたのを覚えています。私もあてのない電車の旅をいつかしてみたい。
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この作品を読んで、 やはり湯本香樹実という作家の着眼点が すごく好きだなあと思った。 そしてこの人は、人の痛みの分かる作家だなと。 主人公が不安がこみあげてくるため 1時間もかけて通学したというくだりは 痛いほどよく分かった。 そして、湯本香樹実はそのような不安を 解消するには、...
この作品を読んで、 やはり湯本香樹実という作家の着眼点が すごく好きだなあと思った。 そしてこの人は、人の痛みの分かる作家だなと。 主人公が不安がこみあげてくるため 1時間もかけて通学したというくだりは 痛いほどよく分かった。 そして、湯本香樹実はそのような不安を 解消するには、ちょっとした他人の助けが 大きな力になってくれることも知ってる作家なんだとも思った。 湯本香樹実の作品は、まだまだ読んでみたい。
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この作家さんは2冊目。なんだろ、とても言葉を大切にしてるひとだと思う。しかもその伝え方を心得ている。小説内でいかにこの言葉を伝えたらいいか、かなり苦心しているような気がする。だからこそ、なんかスーッと入ってくる、言葉が、自然に。いいことを言っているようだけど、そのタイミングじゃな...
この作家さんは2冊目。なんだろ、とても言葉を大切にしてるひとだと思う。しかもその伝え方を心得ている。小説内でいかにこの言葉を伝えたらいいか、かなり苦心しているような気がする。だからこそ、なんかスーッと入ってくる、言葉が、自然に。いいことを言っているようだけど、そのタイミングじゃないんだよなーっていう小説も多いのだけど、このかたのは使いどころがとてもうまい、いやうまいという言葉さえある意味あざとさがある、だからもっと違うふさわしい言葉があるかもしれない。特に、言葉を外に向かって発するようになると自然と外からも入ってくるようになるのだ、というようなくだりが印象に残った。たしかに、閉じこもって黙っているときは自分の内に内にしか向かわない。そういう時って決まって世界が狭くなってるよ。などと思って得心。なにか自分の中でもやもやとしていて言語化できないものを、うまく表現してくれるなーこの人は。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
突然の父親の死を、上手く理解できない7歳の千秋と、受け入れられない母親。 それまでの生活の歯車は狂い始め、千秋は体を壊してしまったことをきっかけに、引越し先の大家である不思議なお婆さんの家で過ごす。 お婆さんは、死んだお父さんのもとに千秋の手紙を届けてくれると言い、千秋は、毎日お父さんに手紙を書き続けるが、それはお婆さんと千秋の秘密でもあった。 大人になった千秋がお婆さんの死をきっかけに知った事実、10年以上も前に書いた母親からの手紙には泣けた。 とても暖かいストーリー、夏の庭に続き、年齢問わずお勧めです!
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ずいぶん前に 読んだ本。 でも 忘れられない本。 その時の私の不安が ここにそのまま書かれていました。 衝撃でした。 ほかのみなさんのレビューを読んでみたら、 またもう一度読んでみたいと思いました。
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泣ける。 昔に読んだけどいつ読んでも泣ける。 これで湯本氏を好きになった。 超おすすめ。
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「ポプラの秋」湯本香樹実 イメージカラーはセピア色。 25歳の主人公が7歳のときの思い出を回顧しながらつづる、母娘と隣人たちとの物語。 主人公の「私」、星野千秋は父親を交通事故で亡くした夏、母に連れられてポプラ荘に移り住む。 そこで難物の大家のおばあさん達との交流を通じ...
「ポプラの秋」湯本香樹実 イメージカラーはセピア色。 25歳の主人公が7歳のときの思い出を回顧しながらつづる、母娘と隣人たちとの物語。 主人公の「私」、星野千秋は父親を交通事故で亡くした夏、母に連れられてポプラ荘に移り住む。 そこで難物の大家のおばあさん達との交流を通じ、徐々に立ち直っていく姿が幼くも力強い。 立ち直るきっかけになったのがおばあさんとの奇妙な約束、「手紙を運んでくれること」。 回想シーンに挿入されながら18年後の現在虚ろな心情でおばあさんの葬儀に向かう「私」。 数々の想いに引きずられながらもお通夜で出会った”昔”に励まされ、心打たれる主人公が描かれます。 作品の中で主人公は2回人生に対する疑問に悩まされます。 父親がいなくなってしまった7歳の千秋。病院の勤めを辞めて死を考えている「私」。 そんな主人公を2度とも助けることになったおばあさんの人物像が印象的な作品。 最も印象に残ったのは最後の最後のセリフ、「だけどその前に、落ち葉を掃いておくれよ。」でしょう。 懐かしく切ない気分にさせてくれる一編だと思います。
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