機関車先生 の商品レビュー
瀬戸内の美しい自然に囲まれて、強くて優しい先生に学び、子どもたちはあたたかく見守られるように成長していく。そこにあるのは、決してきれいなものばかりではない。自然は時に厳しく残酷に何かを奪い、子供たちは学校で学びながらもその将来は決して明るいものばかりではない。 それが、可哀そうだ...
瀬戸内の美しい自然に囲まれて、強くて優しい先生に学び、子どもたちはあたたかく見守られるように成長していく。そこにあるのは、決してきれいなものばかりではない。自然は時に厳しく残酷に何かを奪い、子供たちは学校で学びながらもその将来は決して明るいものばかりではない。 それが、可哀そうだとか大変だとかいうのではなくて、それが子どもたちの生活なのだ、と思う。そして子どもたちはちゃんとそのことを知っていて、自分も一人前になる必要があることを知る。 学校の中にちゃんと生活があり、子どもたちは現実という土をしっかりと踏みしめて成長していく。そうして生きていくのだと、当たり前だけれど思い知らされる。 現実を生きること、子どもたちに希望を与えること、大人の役割はとても大きくて、難しくて、単純なのかもしれません。
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大人も楽しめる児童文学です。これを読むと、「機関車先生に教わりたかったなあ」と思うでしょう。解説を書かれた大沢在昌氏が最後のシーンで不覚にも目頭を熱くしてしまったことも理解できます。校長先生の言われた「愚かなことをする人間をつくらないことが肝心です。」(P41)は、教育者としての...
大人も楽しめる児童文学です。これを読むと、「機関車先生に教わりたかったなあ」と思うでしょう。解説を書かれた大沢在昌氏が最後のシーンで不覚にも目頭を熱くしてしまったことも理解できます。校長先生の言われた「愚かなことをする人間をつくらないことが肝心です。」(P41)は、教育者としての原点なのだと思いました。
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以前から気になっていたこの作品。 「口をきかん」から機関車先生。なるほど。 瀬戸内海の小さな島を舞台に子供と機関車先生、そして島の人たちを描く、読後感が暖かくやさしい気持ちにさせられる作品でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
すごくあったかくて、素敵な物語だった。 まず、機関車先生がすごく素敵。いつも生徒に寄り添っていて、言葉はなくてもいろんな大切なことを伝えてるんだと思った。 出会いと別れや、本当の強さを知りながら大人になっていくんだなぁ、というのを改めて思った。 風景描写も素敵で、景色が目に浮かぶよう。 大好きな本になりました。
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人と人のつながりは色んな方法で確かめられると思う。 当たり前が当たり前じゃなくなったとき初めて気づくことがたくさんある。本を通してその経験をさせてもらった。
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子供には、時に大人よりも厳しい世界がある。それは、「別れ」。この本では一つの島を舞台に別れと学びが繰返し表現されている。別れを経験し、大人になっていく子供たちと、昔別れを経験してきた大人たちの成長の姿を描いているように思う。先生や教育の在り方如何より、一人一人が他人に与える影響と...
子供には、時に大人よりも厳しい世界がある。それは、「別れ」。この本では一つの島を舞台に別れと学びが繰返し表現されている。別れを経験し、大人になっていく子供たちと、昔別れを経験してきた大人たちの成長の姿を描いているように思う。先生や教育の在り方如何より、一人一人が他人に与える影響というのを重視していると感じた。コミュニケーションのタイミングと、協力によって、人の心は良い方向に動かせるのだと。
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戦後間もない時代、口をきかん先生、吉岡誠吾が瀬戸内に浮かぶ島の小学校に赴任してくる。ことばを話すことはできないけれど、やさしくて強い機関車先生は子ども達や島の人々にあっという間に受け入れられていく。 このテの設定の小説ってある意味定番ですね。『二十四の瞳』『兎の眼』『青い鳥』。
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最高傑作。「なら、正直に吉岡先生に話してみることじゃ。策を弄する者は策に溺れるぞ。何事も正直に正面からぶつかるのがええ」(202頁)。ヨウちゃんが好き。あの子の少女特有の夢と、それを否定しない機関車先生と、やさしくまるで本物のように汲み取る作者の視点が好き。それと、ヨウちゃんのお...
最高傑作。「なら、正直に吉岡先生に話してみることじゃ。策を弄する者は策に溺れるぞ。何事も正直に正面からぶつかるのがええ」(202頁)。ヨウちゃんが好き。あの子の少女特有の夢と、それを否定しない機関車先生と、やさしくまるで本物のように汲み取る作者の視点が好き。それと、ヨウちゃんのおばあさんをはじめ、居酒屋の人などみんな少女。豆狸を恋人にしてしまう校長先生をはじめ、みんな少年。そこが好きです。▼最後は、子供達と同じように私も悲しかったけれど、他にも子供を待たせているから……と言う機関車先生は素晴らしいです。 以上が感想です。手元に本がないもので、ヨウちゃん以外のひとの名前がわかりません。ごめんなさい。でも、私は大人数が出てくる話って苦手なのですが(憶えられないので)、役割がしっかりしてて、その上全員魅力的だったり人間らしくて、読んでいる最中ちゃんと判りましたよ。
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伊集院さんの話は初めて読んだんですが、すごく読みやすくて良かったです♪ 小さな島の数多くの登場人物をしっかり繋ぎ止めて、 大人の伝統の中で起きるいざこざや子供の微妙な心境の変化も丁寧に書かれていて綺麗でしたo(^-^)o 機関車先生が話をすることができないのがとてもいきいき...
伊集院さんの話は初めて読んだんですが、すごく読みやすくて良かったです♪ 小さな島の数多くの登場人物をしっかり繋ぎ止めて、 大人の伝統の中で起きるいざこざや子供の微妙な心境の変化も丁寧に書かれていて綺麗でしたo(^-^)o 機関車先生が話をすることができないのがとてもいきいきしていました♪ 小さなヨウが夢の話をするのも、年長者が重厚な話をするのも、 島の地に息づくものであると、美しいものであると感じました☆ あたしは映画を観たことはないけど小説は読んでほしい!と思いました(o^∀^o)
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温かい気分になるお話。 人に対する優しさが溢れている。 でもこの本の中で一番驚いたのは、大沢在昌さんの解説。 大沢さん児童文学書きたかったの!? 妄想が広がります(笑)
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