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日日雑記 の商品レビュー

4.1

38件のお客様レビュー

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2011/08/27

日記文学は好きな方だ。とりとめがなく、それでいて豊かさが溢れている。生活の豊かさである。富士日記を読む前に、どうしてだったか、たしかどこかで書評を読んだのか、とにかく日日雑記のほうを読みはじめた。ほとんどの日記が「ある日」と言う言葉からはじまって、それが延々並んでいる。各日の間隔...

日記文学は好きな方だ。とりとめがなく、それでいて豊かさが溢れている。生活の豊かさである。富士日記を読む前に、どうしてだったか、たしかどこかで書評を読んだのか、とにかく日日雑記のほうを読みはじめた。ほとんどの日記が「ある日」と言う言葉からはじまって、それが延々並んでいる。各日の間隔も1行足らずで、読み進めていると、その日その日が目まぐるしく、すぐ次の「ある日」が始まるので、あ、もう次の日か、と思う。季節の言葉がたくさん出て来るのに、始まりはいつも「ある日」である。カバーの裏返したところに武田百合子の写真が載っていて、へえ、こんな顔してるのか、と思う。新宿が出て来ると、ああ、あそこか、と思う。読者に向けた説明らしい説明がなく、それでも数十日読むと、じわじわと浮かんでくる新しい日常が発見出来る。日常は繰り返しているからだと分かる。

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2011/06/30

ある日の出来事、印象に残ったこと。周囲の人々のこと。余計なものをそぎおとして書きとめられたあれこれからすけてみえる筆者の感覚がかっこいい、きもちいい。晩年の佐野洋子もそうだったけれど、よい日もそうでない日も、自らの老いをも淡々と受け入れ、自分の好みや感覚を誇らずさりとて卑下もせず...

ある日の出来事、印象に残ったこと。周囲の人々のこと。余計なものをそぎおとして書きとめられたあれこれからすけてみえる筆者の感覚がかっこいい、きもちいい。晩年の佐野洋子もそうだったけれど、よい日もそうでない日も、自らの老いをも淡々と受け入れ、自分の好みや感覚を誇らずさりとて卑下もせず率直で。

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2011/06/08

天性の感性と、それを素直に言葉に綴る才能にため息がでる。 読み進むくうちに作家に「百合子さん」と親しみを持っている自分に気がつく。日々起こる出来事に、どれだけの感情が動いているのかを改めて自分の心のうちに意識する。不思議なことに、全然似ていないのに自分の母親に会いたくなった。

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2013/07/22

終わりが見えるようでさびしい。 Hというのは、花さんのことですね。 何だか物足りない気がするのは、泰淳氏が他界されているためか…

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2011/02/21

富士日記と似ているようで何かちょっと違う。富士日記でお馴染みだった人々が殆ど出て来なくて、少し寂しかった。

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2019/01/16

なんとなく、差し出がましいですが、著者と波長が合うので読んでて楽しい。富士日記ももちろん楽しいけど、今回のは違った著者の感性を知ることが出来てよい。

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2010/09/08

枯れた文章。 日常を淡々と記述。 一方で自虐的な笑い。 自分もこんな文章を書きたいと思わせる。

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2010/03/16

恋人が貸してくれたから、というのもあるのでしょうが、 ・・・・・こんな女、好きになるに決まっているじゃないか! という勝手な嫉妬。 こんな、魅力的な人は怖い。

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2010/03/13

わりと普通な日記なわけだけど、まあ、文章の上手な人が書く日記とは、普通な日記にとどまらない。というよりも、見るということ、というよりも、意識しているということ、そんなとこから違うのだろうね。日日の雑記だけど、普通な日日の雑記ではない、そんな作品。

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2009/11/24

武田百合子最後のエッセイ。富士日記の頃のパワーあふれる姿は もう見ることはできない。多くの友人・知人は鬼籍の人となり 昭和が平成になり、愛猫タマも19年ほど寄り添い死んでしまう。 全体的にもうトーンが冬なのだ。夏の富士山麓にいても、 美空ひばりがステージに立っても。 ただ、終わり...

武田百合子最後のエッセイ。富士日記の頃のパワーあふれる姿は もう見ることはできない。多くの友人・知人は鬼籍の人となり 昭和が平成になり、愛猫タマも19年ほど寄り添い死んでしまう。 全体的にもうトーンが冬なのだ。夏の富士山麓にいても、 美空ひばりがステージに立っても。 ただ、終わりを感じるからこそ物事を見る目が研ぎ澄まされる。 笑いも涙も感謝も目に映るものすべて。

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