子どものための哲学対話 の商品レビュー
BSの情報番組の哲学特集で紹介されていたので借りてみました。ぼくとネコの哲学会話。実は大人向け?図書館予約数は0(08/03/08現在)です。
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子どものため、と銘打ってはいるものの、どの年齢層が読んでもおそらく楽しめます。たくさんのどうして?のヒントを提示してくれる本。
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大分昔に読んだ本。ちょっと 内容忘れてきたけど(笑 お勧め。 人間は遊ぶために生きている、 「遊ぶ」とはどういうことだろう? 猫と少年の組み合わせが好き なのかな・・・著者。
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根が明るいっていうのはね、なぜだか、根本的に、自分自身で満ち足りているってことなんだ。なんにも意味のあることをしていなくても、ほかのだれにも認めてもらわなくても、ただ存在しているだけで満ち足りているってことなんだよ。それが上品ってことでもあるんだ。 いい人か悪い人かなんて、そうた...
根が明るいっていうのはね、なぜだか、根本的に、自分自身で満ち足りているってことなんだ。なんにも意味のあることをしていなくても、ほかのだれにも認めてもらわなくても、ただ存在しているだけで満ち足りているってことなんだよ。それが上品ってことでもあるんだ。 いい人か悪い人かなんて、そうたいした区別じゃないさ。すこしましな区別はね、ちゃんとした人かどうしようもないやつかっていう区別だな。これは育ちの問題だ。でも、もっとだいじなのは、根が明るいか暗いかだね。これは生まれの問題なんだ。(p.17) たとえば、お父さんがきみに将棋を教えてくれたとするよ。ところが、きみは将棋なんてちっともおもしろくない。そこでお父さんは、きみが将棋で勝てば、そのたびにおこづかいをくれることにする。きみは、おこづかいほしさで将棋に強くなろうと努力するだろうね。そうしているうちに、だんだん将棋そのものが楽しくなってくるんだ。おこづかいほしさで将棋をやっているときは、インチキをしても勝ちたいと思うだろうね。お父さんがトイレに行っているすきに駒を動かしちゃうとかね。でも、将棋そのものが楽しくなってくると、そんなことはしなくなるだろうな。勝つという結果がだいじなんじゃなくて、勝とうとしながら将棋をするという過程自体がだいじになってくるからね。それが将棋が遊びになったってことなんだよ。人生が遊びになるっていうのも、それと同じことさ。(p.29) こまっている人や苦しんでいる人を、やたらに助けちゃいけないよ。そのときかぎりの単純なこまりかたの場合ならいいよ。たとえばけがをしたとか、さいふを落としたとかね。でも、もっと深くて重い苦しみを味わっている人を助けるには、きみ自身がその人の苦しみとおなじだけ深く重くならなくちゃならないんだ。そんなことは、めったやたらにできることじゃないし、できたとしたら、きみの精神に破壊的な影響を与えることになるんだ。もし、きみ自身が深くて重い苦しみを味わったことがあるなら、それとおなじ種類の苦しみを味わっている人だけ、きみは救うことができる可能性がある。これだけ覚えといてくれよ。自分が深くて重くなったような気分を味わうために、苦しんでいる人を利用してはいけないってこと・・。(p.30) テレビやラジオは、この世の中の中心とはつながっているけどね、でも、世の中の中心は、まだ世界の中心じゃないさ。世界の中心っていうのは、もっと深い、すべての意味の源であるような、そういう中心なんだよ。どんなに世の中の中心にいても、世界の中心とつながっていないって感じることはあるさ。もし、きみがだれかに対して、そういう世界の中心がそこにあるって感じたなら、それは愛だよ。(p.61) 自分のことをほんとうにわかってくれる人がいなくたって生きていけるさ。それが人間が本来持っていた強さじゃないかな。ひとから理解されたり、認められたり、必要とされたりすることが、いちばんたいせつなことだっていうのは、いまの人間たちが共通に信じこまされている、まちがった信仰なんだ。そして、友情って、本来、友だちなんかいなくても生きていける人たちのあいだにしか、成り立たないものなんじゃないかな?(p.62) こういうはなしは、どれも、たまたまある場所に立った人にだけ、意味を持つんだ。別の場所に立っている人には、無意味で、ただごちゃごちゃしているだけなんだ。図形に一本の補助線を引くだけで、急にその図形の見えかたが変わることがあるだろ?ぼくのはなしは、補助線みたいなものさ。その補助線が引かれることで、ある人には、世界と人生の見方が変わるけど、別の人には、なにも変わって見えない。ただ、よけいにごちゃごちゃするだけなんだ。それに、おなじ人にとっても、まだ早いかもしれないし、もうおそいかもしれないんだ。たまたまおなじ種類の問いを持った人だけを救える、と言ってもいいな。(p.120)
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