サブリミナル・マインド の商品レビュー
東大の心理学入門の授…
東大の心理学入門の授業をまとめたものです。全体に貫かれている意見は「人は思ったより自分のことをわかっていない」というものです。一般の人も興味を持ちやすい認知論が中心なので、面白く読めるのではないでしょうか。自分に対するイメージが変わります。
文庫OFF
実に野心的な本だと唸る、のは私だけだろうか。多数の信頼おける実験データを元に、著者は私たちが「自分」と信じているもの、私ならこの私の体内/脳内で今まさに働いている認知の構造について割り出そうとする。それはもちろん脳科学の分野において説明されるのだが、そのデータを元にして著者は哲学...
実に野心的な本だと唸る、のは私だけだろうか。多数の信頼おける実験データを元に、著者は私たちが「自分」と信じているもの、私ならこの私の体内/脳内で今まさに働いている認知の構造について割り出そうとする。それはもちろん脳科学の分野において説明されるのだが、そのデータを元にして著者は哲学についても果敢に言及し(さすがに専門的に、とはいかないにせよ)そこから私たちのアイデンティティの信頼が「共同幻想」ではないかとまで疑念を呈する。確かにそうしたジャンルの「飛躍」「越境」の手付きは議論を呼ぶかもしれないが、侮れない本
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神本。心理学科を選ぶに至った理由がこの本。読み切ったのは入学後だけど,学問としての心理学を知れた。面白い。
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『サブリミナルマインド』 「心理学に興味がある人は必読!!」 ①人は自分が思っているほど、自分の心の動きをわかっていない。自分でも気づかない無意識的な心の働きに強く依存している。 ②暗黙知が常に先立ち、明証的な知の基礎になっている。 ③人は不十分な正当化を自分の態度の変化...
『サブリミナルマインド』 「心理学に興味がある人は必読!!」 ①人は自分が思っているほど、自分の心の動きをわかっていない。自分でも気づかない無意識的な心の働きに強く依存している。 ②暗黙知が常に先立ち、明証的な知の基礎になっている。 ③人は不十分な正当化を自分の態度の変化で補う。 ④情動二要因理論がある。特徴は①生理的興奮は情動の種類に関わらず類似しており、生理的興奮を状況要因によってラベル付けすることで情動が生まれる。また無意識にこの行為が行わなれる。 ⑤人の心とは完全には統合されていない多元的なシステムである ⑥人の言動の原因について、当人よりも第三者の判断に特権を与えるということを私たちはよくしている。
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この本でいうところの「第二の視覚系」と「閾下知覚」についての論文サーベイのために読んだ。そのため、とりあえず第4講と第6講だけ。 (4講)いわゆる視覚野を順に昇っていく経路だけでは説明できない「盲視」という現象は、この本の出版から20年以上の間に解剖学・生理学的に調べられてきていて、この本では仮説の域を出ないとしている「第二の視覚系」はほとんど確信できるところまできたと私は思う。盲視に関する観察や実験結果は、はじめ知ったときは摩訶不思議に思えた(今もだけど)。 (6講)この部分を読めただけでも自分にとって大きな価値があった。自覚できないレベル(閾下)の刺激が知覚に干渉する、さらには見えないのに特徴を答えられるという報告は、刺激の検出→特徴の解析→意味の認知という、まあ妥当でわかりやすい情報処理の流れを仮定したうえでは何だそりゃとなるだろう。ならば検出と特徴の解析はパラレルになのかと考えることができる。そこで上に述べた「第二の視覚系」の存在が当てはまる。前述のとおり、この20年で解剖学・生理学的な知見も集まってきている今では、これを否定する人もまずいないと思う。 この本では他にも、有名な「サブリミナル効果」のように、無自覚の感覚入力によって意志すら操られうるということについて述べているようだ。この部分については、視覚心理物理や神経科学に興味がない、難しくてわからないという方でも驚きと発見を得られるのではないだろうか。
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人間の意思決定の自由というものは、近年の心理学、脳科学等の研究により、だんだんと怪しくなってきているようである。潜在的に、自動的に外界の情報を処理しており、自分が決断したということも、無意識が決断した結果を追認しているだけのような場合があるようだ。閾値下の自分(無意識)と閾値上の...
人間の意思決定の自由というものは、近年の心理学、脳科学等の研究により、だんだんと怪しくなってきているようである。潜在的に、自動的に外界の情報を処理しており、自分が決断したということも、無意識が決断した結果を追認しているだけのような場合があるようだ。閾値下の自分(無意識)と閾値上の自分(意識)。この比率は閾値下の自分の方が大きいようだ。
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「人は自分で思っているほど、自分の心の動きをわかってはいない」というテーマ通り、まだ人間の心と行動についてはわかってないことが多いんだなというのが正直な感想。「〜と言われている」など断定しない表現が多かったのが印象的。 最近からくりサーカスを読んだばかりだったので、人間の意思決...
「人は自分で思っているほど、自分の心の動きをわかってはいない」というテーマ通り、まだ人間の心と行動についてはわかってないことが多いんだなというのが正直な感想。「〜と言われている」など断定しない表現が多かったのが印象的。 最近からくりサーカスを読んだばかりだったので、人間の意思決定が環境や遺伝子によって決定される場合そこに自由意思はあるのか?って哲学的な議論になる最後の章が好きだった。 ・記憶は深い浅いだけではなく多元的な構成要素に分かれている ・カクテルパーティとかサブリミナルに表れるように自覚する前に周囲の情報について前処理が行われているのでは ・無意識化で五感が働いていてもそれに自覚的じゃないから印象の原因を見誤ることがある ・消費とは商品によってシンボライズされた欲望の代償行為、だから隠喩的な広告は効果を発揮する ・潜在化での繰り返し訴求は顕在よりも効果を発揮することすらあるんだとか ・故意と過失と偶然の線引きの難しさ。潜在的に考えてたことを過失と言いきれるのか?自分の意志か環境のせいかなんて線引きできないもんな ・からくりサーカスみたいだな、過去の遺伝子の影響を否定できるのかとか。そう考えると自由ってなんなんだ?
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心理学で有名な先生らしい。 読んで行くとわかるが、大学での講義をまとめたような構成になっている。 「ヒトは自分で思っているほど、自分の意志で行動しているわけではない」という最近の経済心理学とも関わる話が多彩な方向から検討・証明されて行く。 様々な過去の実験や検証が詳細に述べられているので、きっとすごく面白いのだろうが、残念ながらこちらの基礎知識が足りず今一つ話にのめれなかった。 きっと心理学を専攻している学生とかだったら知識も十分にあって楽しめたのかもしれない。 この下条先生の広範囲な知識、博学ぶりは伝わってくる。
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無意識とか不随意運動とか、生物機械論にどんどん寄って行く感じが不気味で面白い。 最後の方の刑法持ち出したりの問題提起はちょっと期待してないかな
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一行一行に込められた重いパンチが痛い。 ちょっと読みにくいところがあったが、読んで良かった。 43p 情動と主観的要因についての記述が良かった。 情動をあからさまに表情に出す人は内面では情動は弱く、 抑制する人は内面の情動は強い。 で、本人的には表情に出れば出るほど情動が強く...
一行一行に込められた重いパンチが痛い。 ちょっと読みにくいところがあったが、読んで良かった。 43p 情動と主観的要因についての記述が良かった。 情動をあからさまに表情に出す人は内面では情動は弱く、 抑制する人は内面の情動は強い。 で、本人的には表情に出れば出るほど情動が強く、 その逆はその逆。
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