サブリミナル・マインド の商品レビュー
人間の意識と潜在意識について書かれた本。 実験的なデータに基づいて考察されている為、説得力があります。 現代社会の色々な現象について非常に興味深く問題提起しています。 その中でも面白かったトピックは「人間の自由意志」というもの。 簡単に言うと、商品を選んで購入するとい...
人間の意識と潜在意識について書かれた本。 実験的なデータに基づいて考察されている為、説得力があります。 現代社会の色々な現象について非常に興味深く問題提起しています。 その中でも面白かったトピックは「人間の自由意志」というもの。 簡単に言うと、商品を選んで購入するという行為はあたかも自分の意志によって選択がなされたように思われるが、逸れは実は広告の閾値下意識への商品の刷り込みによるものである可能性が否めない。 (商品に限らず、政治的なものも含む) ということ。 非常に物の見方を考えさせてくれました。とてもオススメです。
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さてさて、最近、右脳→左脳という思考プロセスに嵌っているのですが 潜在意識に関しても思うところがあったので そんな関係の本を読んでみました。 いくつか思った事をピックアップ ・認識の定義とは? この本では認識の定義に関して触れています。 例えば、ここ見てって言われた時、その部...
さてさて、最近、右脳→左脳という思考プロセスに嵌っているのですが 潜在意識に関しても思うところがあったので そんな関係の本を読んでみました。 いくつか思った事をピックアップ ・認識の定義とは? この本では認識の定義に関して触れています。 例えば、ここ見てって言われた時、その部分に集中しているけれど 他の部分も一応見えますよね? それって認識なのでしょうか? 自分なりに言葉の定義を考え中です。 ・脳半割 医療系じゃない人にはショッキングかもしれないですが 脳を半分に切られた動物や人の話が出てきます。 別に問題なく生きる事が出来るのですが 初めて聞いてびっくりした事を思い出しました。 ・コマーシャルのインパクト 私はTVCMのコマーシャルの効果に否定的だったのですが 商品を手に取る時に全く知らないものより 覚えてはいないけれど、多分どこかで 見た事のある商品の方を選ぶでしょう。 これを考えるとGoogle AdSenseで広告の費用対効果が 見られるっていうのも部分的なものなのかもしれないですね。 うーん。脳の話は面白いです。 論文の引用なども多数あり、適当に書かれた 適当な新書というわけではありませんでした。 紹介してくれた友人に感謝したいと思います。
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1520年、世界周航をめざすマゼランとその一行が、南米最南端のフエゴ島に 到達 したときのこと。マゼラン一行は上陸のために、自分たちの大型船四隻を島 の湾内 一時停泊させた。何世紀もカヌーだけで生活してきた島民たちは驚きの目で 上陸してきた彼らを見た。 しかし、マゼラン一行...
1520年、世界周航をめざすマゼランとその一行が、南米最南端のフエゴ島に 到達 したときのこと。マゼラン一行は上陸のために、自分たちの大型船四隻を島 の湾内 一時停泊させた。何世紀もカヌーだけで生活してきた島民たちは驚きの目で 上陸してきた彼らを見た。 しかし、マゼラン一行がどのようにしてやって来たのか、島民たちはまったくわ からなかった。なぜなら、フエゴ島の人々の目には湾に錨をおろしている大型のス ペイン帆船の船団が映らなかったからだ。島民の目には、大型船団に視界を遮られ ることなく、いつもと同じように、湾の向こうにのびる水平線が見えていた。 これはその後、何度目かのフエゴ島再訪の際、島民たちがマゼラン一行に語ったことか らわかったという。彼らの頭のなかの枠組に大型帆船のイメージがなかったため、 目には映っていても、その映像を脳が拒否し、見れども見えなかったのである。 (濱野恵一著 『インナー・ブレイン』) この話は、サイト「臨死体験・気功・瞑想」の中の小論(「覚醒・至高体験とは」) でも紹介した。『サブリミナル・マインド』には、こうしたエピソードを裏付ける ような実験例が載っている。 知覚心理学では、タブー語を瞬間呈示すると、無意識裡に抑制されて、主観的に は「見えない」という実験が報告されているのだ。タブー語とは、観察者本人にと って強い不快感や羞恥心をもたらすことば、たとえば性的なスラングとか、ユダヤ人にとってのハーケンクロイツなどである。無意識的な認知プロセスが働いてタブ ー的な語をあらかじめ選別し、知覚意識に昇るのを抑える「知覚的防衛」が働くら しい。フエゴ島の人々には、まさに同様の「知覚的防衛」が働いたのであろう。 この本は、こうした様々な「潜在的な認知過程」を豊富なデータに基づいて論じ る。「潜在的な認知過程」というと精神分析学や深層心理学でいう「無意識」を連想するかも知れないが、この本で扱う「潜在的過程」は、それよりもはるかに広い射程をもち、行動・認知・神経科学的な過程を含む。それらの各分野において、フ ロイトの時代よりどれほど多様で豊富で説得力のあるデータが蓄積されているかが、 読み進むにつれていやというほど分かる本だ。 人は自分で思っているほど自分の行動の動機を分かっていない。自覚がないまま に意志決定をし、自分の行動の本当の理由には気づかない。「認知過程の潜在性・ 自働性」がデータの上でますます強力に実証される。そうした事実は、確かに人間 の意志決定の自由と責任に関する社会の約束ごとさえ脅かす。 しかし、だからから こそ瞑想に関心をもつものは、瞑想的によって深まる「自己覚知」によって、そう した「潜在的認知過程」からどれほど解放されるのか、自ら実践的に問い続けるべ きだと思った。
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現在カルテクで研究している下條先生の本。 意識や意思の不確かさについて再認することができた。 いろいろな具体例や症例が呈示してあって、とても読みやすい。
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マーケティングやら、広告、メディアのひと 消費者、現代人は読んだ方がいいと思う。 薄いが、内容はものすごく濃い。 っていうかね、情報操作というか、 こわいね。
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自らの意志決定に対して,無意識が僕らが思っている以上に影響力を持っていることを,化学的な根拠で書き表した本.ここでも,下條先生の洞察力が光る!
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全編を通して、「人間の意思ある行動とは本当に意思があって行っているものなのか」「無意識の意識過程とは」ということについて語ってる本です。 読んでると言いくるめられる面もあるんですが、個人的には懐疑的に…。。 ゼミでテキストとして扱いました。
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世の中で実際に起こっていることに対して、心理学的な考察が述べられる。心理学を学んでいない人は、心理学が日常と如何にリンクしているかに感心し、心理学を学んだことのある人は知識を日常と繋げることで理解を深められる。
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知覚研究で有名な下條先生による知覚心理学に関する概論書。 キャッチーさを狙ってサブリミナルに関しても解説してあるが、メインは意志や意識に関することである。
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認知心理学とは、心理学とは名が付けど、一般的に皆さんがイメージするような心理学(カウンセリング等)とはかなり異なった様相を呈するものです。しかし、私自身は、その根本となるものは共通しているようにも感じています。一言で言えば、「人間が何をどのように感じているか」ということ。サブリミ...
認知心理学とは、心理学とは名が付けど、一般的に皆さんがイメージするような心理学(カウンセリング等)とはかなり異なった様相を呈するものです。しかし、私自身は、その根本となるものは共通しているようにも感じています。一言で言えば、「人間が何をどのように感じているか」ということ。サブリミナル・マインドでは、このことについて、主に認知過程の潜在性・自動性に焦点を当て、認知心理学的な視点から考察しています。読みやすく、分かりやすく、面白い。皆さんにもぜひ読んでみて欲しい一冊です。
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