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日本仏教史 の商品レビュー

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33件のお客様レビュー

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思想史としてのアプローチ

副題に「思想史としてのアプローチ」とあるように、単純な仏教史ではなく、外来の宗教である仏教が、日本の地で変化していった理由を探ろうという本。 読み終わった後、しばし呆然。疲れた…。

長塚

2024/01/21

本書は日本における仏教の歴史が述べられた本である。  …と思っていた。 仏教の始まりから江戸時代までの範囲の日本仏教史として読むこともできるが、どちらかと言うと、解説にもある通り、日本仏教について考え直す書物である。 本書の終章にある、遠藤周作の『沈黙』の引用のように、日本は外...

本書は日本における仏教の歴史が述べられた本である。  …と思っていた。 仏教の始まりから江戸時代までの範囲の日本仏教史として読むこともできるが、どちらかと言うと、解説にもある通り、日本仏教について考え直す書物である。 本書の終章にある、遠藤周作の『沈黙』の引用のように、日本は外から伝わってきた仏教を、何度も解釈し直し受容してきた。そして現在の私たちが知る仏教は、もはや当初のそれとは異なっている。 例〉 様々な僧や思想家が展開してきた宗派。 政治や天皇の権力を誇示する目的での仏教の布教。 幕府の統治目的での仏教を利用した制度。 神道など日本の文化や思想等と仏教との融合。 話の内容は決して易しくはないが、すごくワクワクしながら読み進めることができた。 色々な角度から日本仏教の思想が編み出され、現在私たちの生活に残っている。 日本仏教について考えさせられる一冊である。

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2023/12/06

■細目次 https://gyazo.com/db1ac68109b5545577ad4e9be24cc40f

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2023/07/05

橋本治さんの解説に感動しました。 やはり仏教と言うと難しい。でもそれは、日本の日本人の特性かもしれない。仏教が入ってきて、これまでの変化を、たくさんの文献のもと丁寧に歴史に沿って書いてくださる。 僕自身も仏教に興味がありましたが、改めて「唯識」に興味があると認識しました。それは...

橋本治さんの解説に感動しました。 やはり仏教と言うと難しい。でもそれは、日本の日本人の特性かもしれない。仏教が入ってきて、これまでの変化を、たくさんの文献のもと丁寧に歴史に沿って書いてくださる。 僕自身も仏教に興味がありましたが、改めて「唯識」に興味があると認識しました。それはこの本が日本の仏教の流れを思想史として表してくれたおかげです。 そしてこの本を教わったのは中田敦彦のYouTube大学です。 唯識を教わったのはPodcastのCOTNENRADIOです。 原作に勝るものはありませんが、原作をいろんな角度で面白くまた、分かりやすくしてくれる方がいることで原作を知るきっかけになる。 それもまた歴史であり、歴史に学ぶことで今と今からを観る目と思想が養われる。 本当に良い時代に生きていると感じますし、だからこそ僕のため、世のための行いがしたいと思うばかりです。

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2023/02/19

実家も婚家も檀家にはなっているので、子どものころから何となく見聞きするのが仏教なのだけれど、かといって深く理解したことなど一度もない。 どういうわけか、一度は勉強してみるかな、という気を起こして本書を読んだわけだが、一度読んだだけでは十分に理解したとも思えない。 そんな状態では...

実家も婚家も檀家にはなっているので、子どものころから何となく見聞きするのが仏教なのだけれど、かといって深く理解したことなど一度もない。 どういうわけか、一度は勉強してみるかな、という気を起こして本書を読んだわけだが、一度読んだだけでは十分に理解したとも思えない。 そんな状態ではあるが、本書で印象的だったのは、本覚思想が日本の仏教にとって大きな力を持ってきたということ。 あとは、日本の仏教が、本家のインドから漢訳を通して、多くの媒介を伴うものであるがゆえの複雑さだろうか。 親鸞の漢籍の解釈が少しだけ紹介されていたけれど、なんと融通無碍というか、自由な解釈が許されてきたものかと驚いた。 また、本書で初めて日本の仏教研究の難しさも知った。 宗教者が研究者となるケースは知っているが、その有利な点があると同時に、どうしても自分の属する宗派が中心になり、学問としての限界にもつながることがあるとのことだった。 研究には歴史学者(特に東洋史)や、時には民俗学者とも共同することが必要だという。 民俗学が関わるべきだというのは、「葬式仏教」としてであれ、人々の間でどういう存在であるかは民俗学の力に期待されるからだそうだ。 たしかに、学際的になることで研究の水準が上がってくるのだろうと思った。 最初のところで指摘されていたことも面白かった。 仏教は無を説く。 本場のインドで仏教が廃れてしまったのは無を追究する宗教だったからではないのか、と。 そして、東アジアに広がって、祖先崇拝と仏教が習合することで、世代を超えて残るものとなったというのだ。 何となく納得してしまったのだが、世界史の授業で習ったことなどが、本当にただそれぞれ断片的に頭の中にあるだけだったのだなあ、と気づかされた。

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2023/02/11
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※このレビューにはネタバレを含みます

 思想史としてのアプローチと副題され、土着化した日本独自の仏教を思想史的に概括したものとして、なかなかの好著とみえる。 同じ仏教でもインドとも中国とも異なる日本の仏教は、どのような変化を遂げて成立したのだろうか。 本書では6世紀中葉に伝来して以来、聖徳太子、最澄、空海、明恵、親鸞、道元、日蓮など数々の俊英・名僧たちによって解釈・修正が加えられ、時々の政争や時代状況を乗り越えつつ変貌していった日本仏教の本質を検証。 それは我々<日本人の思想の核を探る旅>と解説されるように、近世江戸期、近代明治までをまがりなりにも射程に収めた日本的仏教の「歴史」の入門書であるが、その時代々々の多様な変容を通して、神道や儒教とも渾然と融和しつつ展開してきた日本的仏教の裾野の広さをよく把握しえる一書である。

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2021/03/05

本格的なしっかりとした内容の本。面白く読めた。体系的に仏教を勉強したことはないが,個人的な趣味で仏教関連の本をちまちま読んでいる程度の知識レベルの人間がちゃんと勉強を進めていくとっかかりにはとても良い本。 思想的なアプローチというタイトルの通り,単純に歴史的事実を述べるだけでな...

本格的なしっかりとした内容の本。面白く読めた。体系的に仏教を勉強したことはないが,個人的な趣味で仏教関連の本をちまちま読んでいる程度の知識レベルの人間がちゃんと勉強を進めていくとっかかりにはとても良い本。 思想的なアプローチというタイトルの通り,単純に歴史的事実を述べるだけでなく,その背景となった時代的背景,当時の問題意識などが概説されているのが興味深い。 聖徳太子時代の仏教の需要と統制のための組み込み,そして経典研究南都六宗。そこからの最澄の天台宗と密教との繋がり・空海の真言宗と本覚思想の発展と鎌倉仏教の発展・臨済禅の武家との繋がり,近世の檀家での統制。 中でも経典の受容・本覚思想と土着の問題について日本特有の風俗・民俗の観点での考察が紙面を割いて展開されている。 何故現在まで葬式仏教がこれほどまでに受け継がれてきているのか,という考察の中でアラタマの概念が出てきたのはなるほどなぁと。

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2020/09/05

難解でした。 八百万の神を根幹とする日本人には、 一神敎を根っかせるのは、歴史が語るとおり厳しいことが理解出来た。

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2020/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

岩波ジュニア新書の「仏教入門」と一緒に読むと、読みやすい。 仏教入門で概要把握→日本仏教史で詳細把握。 仏教入門の内容・構成は、日本仏教史を結構した時期にしているように思える。

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2020/03/31

ユダヤ人であるサピエンス全史の著者やスティーブ・ジョブズがなぜ仏教の一派である禅を支持するのか? 乱世を生きるエリートにとって、禅は宗教ではなくメソッド。「あるものはない」「あるがままをみる」 科学が発達する一方で幸福への議論がなかなかされない現代、禅や瞑想といった取り組みが人類...

ユダヤ人であるサピエンス全史の著者やスティーブ・ジョブズがなぜ仏教の一派である禅を支持するのか? 乱世を生きるエリートにとって、禅は宗教ではなくメソッド。「あるものはない」「あるがままをみる」 科学が発達する一方で幸福への議論がなかなかされない現代、禅や瞑想といった取り組みが人類を推し進める。

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