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神の火(下) の商品レビュー

3.6

69件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

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2016/10/21

2016/10/21 江口が自殺したと書かれた文章が、一番胸が痛かった。良が死んだと判ったシーンに、いちばんぼうぜんとなった。 そんな感じです。

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2016/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

相変わらずデティールの細かさが凄い。UNIXのftpがぁ、とか書ける作家はそうそういない。 ストーリー的には「黄金を抱いて翔べ」とか「レディー・ジョーカー」とかに似てる。徹底的に綿密な犯罪計画と実行みたいな。まぁ、本作に関しては、虚々実々のスパイ心理戦の面が強くて、原発襲撃については終わりの1/4くらいしか出てこない。襲撃の動機がぶっ飛び過ぎて理解出来ないのもなんかなぁ。 まぁ、作者的には原発安全神話への問題提起をしたかったかも知れないけど、やや木に竹を接いだ感は否めない。

Posted byブクログ

2016/08/12

甘くない終わり。 高村さんらしい。 好きだけどっ!! 島田という男の複雑怪奇さ。 ダンディ江口の軽やかさ。 日野の大将のキレっぷり。 良のお手紙。 堪能しました!!

Posted byブクログ

2016/08/05

根暗でゲイでナルシストな主人公がどうも受け入れなかった。そんな主人公を周りが助けてくれるご都合主義に辟易。また本人はそれが当たり前と思っている節があり、さらにイラついた。 物語に厚みをつけようと取ってつけたような専門知識が滑稽で小説自体を底の浅いものにしてる。

Posted byブクログ

2015/10/28

2011年3月11日の東日本大震災と、それに伴う東京電力福島第一原発事故。 これらがなかったら、おそらく読むことはなかったであろう、この本。 しかし、読んでみると、これがまたしんどい。 動機、目的、使命、その他諸々、まったくわからないのだ。 物語もなんだか妙に淡々と過ぎて...

2011年3月11日の東日本大震災と、それに伴う東京電力福島第一原発事故。 これらがなかったら、おそらく読むことはなかったであろう、この本。 しかし、読んでみると、これがまたしんどい。 動機、目的、使命、その他諸々、まったくわからないのだ。 物語もなんだか妙に淡々と過ぎていくし。 結局最後までよくわからないまま進んで、よくわからないまま終わってしまった。 高村薫の作品にしては、とらえどころがなくて残念だった。

Posted byブクログ

2015/07/13

2015.7.9読了。 冒険ものとして読んでも、社会派小説として読んでも面白かった。 福島の原発事故が起きた今読むからこそ、原子力に対して疑問を投げかける言葉がずっしりと響く。良が、ミサイルの一発もあれば原発は壊れてしまう…というセリフを吐くシーンなど、何度も読み返してしまった。...

2015.7.9読了。 冒険ものとして読んでも、社会派小説として読んでも面白かった。 福島の原発事故が起きた今読むからこそ、原子力に対して疑問を投げかける言葉がずっしりと響く。良が、ミサイルの一発もあれば原発は壊れてしまう…というセリフを吐くシーンなど、何度も読み返してしまった。そして技術者だったからこそ、「原子力の平和利用」という、世界の状況とは矛盾した原発の理念に誰よりも違和感を覚える島田。 登場人物がみんな深い背景を抱えていて、それぞれのストーリーも面白かったし、なおかつ原発への侵入シーンでは映画のような躍動感に満ちており、長い物語だが最後まで飽きなかった。 これを、原発事故の前に読んでいても、同じことを感じたのか…今更ながら、もっと早く出会いたかった一冊だった。

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2015/03/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

再読なんだけど、昔は読み飛ばしていた原子炉の構造の描写とかが(以前に比べると)格段にわかるようになっていることに気がついた。 良くも悪くも身近になった原発というものを感じざるをえない。 携帯電話もデジカメもない時代のスパイ小説はどこか時代錯誤。 でも閉塞感とか、やり切れなさとか、今の時代にも通じるものもある。 現実は高村薫が描いた世界より遥かに残酷で過酷だったけど、廃炉のニュースを見ながら、日本海岸にコンクリートの石棺が並ぶ日がまもなくやってくるのかな、、と思った。

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2014/09/20

スパイの行動とか考えの方法が描写されてて、自分も無意味に周りに神経を研ぎすませてみたりして、町中で遊ぶことができたことが、読書中の楽しみでした。 小説を通して、世の中のことを知るって楽しいなと思えた本です。 原子力の技術的な話には全然付いていけなかったけれど。。

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2014/08/31

p.199  すべての科学技術は本来、その運用に当たって完全という言葉は使えない人間の所産にすぎないが、いったん壊れたが最後、周辺地域が死滅するような技術の恩恵を、人間はどれほど受けてきたというのか。原子力は、人間にどれほど必要な代物だったというのか、そう思い至ると、島田は回復不...

p.199  すべての科学技術は本来、その運用に当たって完全という言葉は使えない人間の所産にすぎないが、いったん壊れたが最後、周辺地域が死滅するような技術の恩恵を、人間はどれほど受けてきたというのか。原子力は、人間にどれほど必要な代物だったというのか、そう思い至ると、島田は回復不能の懐疑の闇に陥った。

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2014/06/01

CIA・KGB・北朝鮮情報部・そして日本の公安警察。4か国の諜報機関が<トロイ計画>、その鍵を追って日本海に相見える。 良の願いが潰えたと知った島田と日野は、原発襲撃へと動き出す。 「こんなアホなスパイがどこにおるんや、こんなアホなスパイが……」 襲撃に意味はない。ただ、火を...

CIA・KGB・北朝鮮情報部・そして日本の公安警察。4か国の諜報機関が<トロイ計画>、その鍵を追って日本海に相見える。 良の願いが潰えたと知った島田と日野は、原発襲撃へと動き出す。 「こんなアホなスパイがどこにおるんや、こんなアホなスパイが……」 襲撃に意味はない。ただ、火を見たいだけ。現代の神殿、原子炉格納容器の最奥で青く静かに燃える<神の火>を解き放ちたいだけ――。 眩暈。歓喜。甘美。いつかしら体が覚えていた死への誘惑に身をゆだね、国家や背負い続けた自分と自分以外の人生から解放されてゆく。 ひたすらな破壊衝動に身をゆだねる男の滅びを描ききったサスペンス。

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