陰翳礼讃 の商品レビュー
美と云うものは常に生活の実際から発達するもので、 暗い部屋に住むことを余儀なくされたわれわれの先祖は、 いつしか陰翳のうちに美を発見し、 やがては美の目的に添うように陰翳を利用するに至った。 (谷崎潤一郎) たしかにそうかもしれない。 Tokyoの狭いエリアに住む...
美と云うものは常に生活の実際から発達するもので、 暗い部屋に住むことを余儀なくされたわれわれの先祖は、 いつしか陰翳のうちに美を発見し、 やがては美の目的に添うように陰翳を利用するに至った。 (谷崎潤一郎) たしかにそうかもしれない。 Tokyoの狭いエリアに住むことを余儀なくされたわれわれは、 起伏の激しい大地を削り、水の流れに背を向けて生み出された 狭い路地や急な坂、細長い緑道、ポケットのような広場など 都市の陰翳のうちに美を発見し、 美の目的に添うように利用しているのでしょう。
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ひとりで何かとりとめもないことを深く考えたいときに手にとる本。 表題作では、一文字一文字を追うごとに自分をとりまく光が変質していくような錯覚を覚える。外界から隔絶され、風も温度もないような闇のなかでただ文字と自分のみが存在するという異様な感覚!旧字体で読むとさらによい。
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2006. 10月頃 もはや論文は意味をなさない。 エッセイという一個人を意識した形態でないと 僕たちはもはや信用することは出来なくなってしまっているのだろうか。
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私が日本人に生まれてきた意味を考えてしまうほど、深い。羊羹の話は有名だけど、それだけでなく出てくるもの全て秀逸。 日本人は読んで、日本に誇りを持つべき。
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谷崎作品の中で一番好きです。物語でなくてエッセイのような評論のような、そんな感じの読み物なのですけども… 日本の美意識の素晴らしさがひしひしと伝わってきます。日本人に生まれて、この影の美しさを理解できる土壌に生を受けて…なんて私は幸せものなんだろうって再認識できる一冊。
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初めて読んだ谷崎潤一郎の本。 西洋のきらびやかな美しさに対し、日本の美しさとは何かが書かれている。
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名作です!日本人の心が中に凝縮!特にトイレの話が心を打つ!厠・・が正しい表現だ!日本人なら、「トイレ行ってきます」じゃなくて「厠へ失礼します」と言いたくなる一作!
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闇と影が織り成すエロティックさに、ぞくぞくする。 谷崎のエロさによって体の芯から沸きあがる興奮を抑えられなくなる。
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有名な羊羹の記述はさる事ながら、日本人の肌の色の 比喩の仕方、お味噌汁の くだりなど、表現の豊かさに 目をみはるものがある。 使われている日本語が美しい。 暗がりに対する意識が変わり ました。 美、日本とは、デザイン、建築、食に興味がある すべての人が読んでおくべき 一冊。...
有名な羊羹の記述はさる事ながら、日本人の肌の色の 比喩の仕方、お味噌汁の くだりなど、表現の豊かさに 目をみはるものがある。 使われている日本語が美しい。 暗がりに対する意識が変わり ました。 美、日本とは、デザイン、建築、食に興味がある すべての人が読んでおくべき 一冊。
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「闇」の美しさだなんて…。教科書に載る描き方なのだけど、でもものすごくエロティック。日本の作家の中で、もっともゴージャスにエロスを語れる人なのではないでしょうか。
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