桜田門外ノ変(下) の商品レビュー

吉村昭(著者)

井伊大老を襲撃した水…

[文庫ＯＦＦ]

井伊大老を襲撃した水戸藩士については知らなかったので勉強になった。

大老、井伊直弼の暗殺…

[文庫ＯＦＦ]

大老、井伊直弼の暗殺はどのように行なわれたのか。その行動に参加したものたちの心情なども表現されていて、小説ながら時代の背景も詳しく分かる。

2023/08/03

上巻の途中からはどんどん読める。

事件そのものの描写は100頁から133頁までしかない。

事件前後の緊迫した状況が、確かな筆致で描かれている。

2023/06/16

桜田門外の変が、現場を指揮した水戸藩士関鉄之助の視点から訥々と語られている。膨大な資料を基に徹底的にリアルに描かれており、読みながら大老井伊直弼は生かしてはおけぬと思わされるほどである。桜田門外での井伊大老の襲撃シーンは、鉄之助の横で観ていたかのような映像記憶が残る。事変後は、鉄之助はじめ関与者の過酷な逃避行には胸が締め付けられた。吉村昭の筆力に感動する。★５つでは足りない。

2022/11/23

桜田門外の変は、幕府と水戸藩の対立、諸外国どの向き合い方をめぐる立場の違いを背景としている。この作品は、水戸藩士の関鉄之介を主人公に事件の詳細を描く。明治維新のたった8年前。歴史のネジを巻くことになった事件。

2022/07/13

名作には違いないが、下巻は関鉄之助を中心とする生き残りメンバーの逃避行だけなので、途中でちょっと飽きてきた。ただ、緊張感が伝わってくる描写はさすが。

2022/04/21

襲撃シーンから始まる下巻。かなりのリアリティ感じます。後半は逃亡生活を描いてます。何にも報われずに行った行為は、現代に生きる私には辛いと映りました。
単純に後半は歴史の本筋とはズレるので個人的興味はあまり無かったです。

2021/12/05

徐々に鉄之介が追い詰められていくのが、苦しい。体調不良、情勢の変化や追われる者の精神的疲労、苦痛。信じたことを行い、貫き通すことは、難しい。

多様性が叫ばれる現代。正義は、皆違う。何処に落とし所をつけるか。そのためには、他者理解やコミュニケーションが必要か。

2021/09/27

尊王の志士を鼓舞し維新につなげた一大事変。一瞬の出来事。それは、長期に及ぶ構想と緻密な計画の基に成された。商人に身をやつしての密談。厳重な警戒の中、発覚しなかったのは奇跡。一瞬のタイミングとわずかな判断の差異で事は起きなかったかもしれぬ。大老の死を秘し、彦根藩・水戸藩とり潰しによる動乱を避けた事変後の幕府の判断。その後日本は独立を保つ。実行を指揮した関鉄之介の逃亡。2年を経ての捕縛。歴史は必然であったり、偶然が織りなす運命でもある。また、先人の意志が創り出した結果でもある。そう思い、今を生きる。

2020/05/18

☆☆☆2020年5月レビュー☆☆☆

非常に緊迫感の伝わってくる内容だった。
桜田門外の変、歴史を揺るがしたその時間が遂に起きる。
雪の中を、井伊直弼の行列に迫る水戸藩士たち。
P70~120ぐらいの、決行決定から井伊を斃すまでの展開は、本当に手に汗握る。自分がその場にいるような感覚に陥る。

そして、桜田門外の変のその後。
高橋、金子といった事変の主導者が次々と切腹、投獄の憂き目に。薩摩藩との連携は失敗。
桜田門外の変は確かに歴史を動かしたが、当の実行者には悲劇をもたらした。関鉄之助の逃避行。ここまで調べたか、作者の力量に恐れ入る。