台所のおと の商品レビュー
2015年10月2日読了。 どうしてもっとはやく、幸田文を読まなかったろうか。この胸にせまる寂しさの正体は何だ。
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第一編の台所のおと、泣けた。 濃紺、草履、祝辞、ひとり暮らし のみ読了。 またゆっくりと全話読みたい。
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声を発さなくても、たてる音でその人となりや感情が表れる。ああ、確かにそうだなぁと思う。歩く、食べる、作る……自分の動作は、他者にどう伝わっているのだろう。
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個人的に、結婚適齢期以上の女性に読んでほしい一冊。 夫婦とは、老いとは、何か、をつかむ端緒になるはずだ。 中でも「祝辞」は、女性でなくとも、家庭を持つ全ての人に読んでもらいたい。
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品があって心地よい。自分でもくわいを揚げて、その音を聞いてみたいなっと思った。『濃紺』で、鼻緒をすげるという言葉を知った。
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表題作を含む10篇の短編集。 本当に強い女性というのは、この作品に出てくる女性たちのことを 言うんだろうなと思った。 大きな声で主張を述べたりエネルギッシュに活動したりするのではなく、 動かしがたい状況に寄り添って生きていくような女性。 もしいつか結婚や出産をする時が来たら、その...
表題作を含む10篇の短編集。 本当に強い女性というのは、この作品に出てくる女性たちのことを 言うんだろうなと思った。 大きな声で主張を述べたりエネルギッシュに活動したりするのではなく、 動かしがたい状況に寄り添って生きていくような女性。 もしいつか結婚や出産をする時が来たら、その時こそ読み返したい。 どの話も良かったが「祝辞」が特に印象的だった。 幸田露伴の娘さんだとは知らなかった。
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慣れない言葉と文体ですらすら読めなかったけど、どのお話も穏やかな余韻が残る。 日常の何気ない生活の中、陰がありつつも、ほのかに光が感じられ、じわじわ心に沁みるものがある。 特に「台所のおと」と「祝辞」、「ひとり暮らし」が良かった。
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幸田文は、古い下駄への愛着を描いた短編「濃紺」を高校の教科書で読んだだけだったが、それがずっと心に残っていた。穏やかな文章と、温かな話。久しぶりに会った友人が幸田文が大好きだというので、手始めに短編集を見つくろって借りてきたら、その「濃紺」も収録されていた。 全体のタイトル...
幸田文は、古い下駄への愛着を描いた短編「濃紺」を高校の教科書で読んだだけだったが、それがずっと心に残っていた。穏やかな文章と、温かな話。久しぶりに会った友人が幸田文が大好きだというので、手始めに短編集を見つくろって借りてきたら、その「濃紺」も収録されていた。 全体のタイトルにもなっている「台所のおと」、二番目の「濃紺」、そしてそのほかの話も、人間と人間の間に生まれる感情の動きや、通じ合う瞬間、あるいは分かりあえないままの関係が、丁寧で穏やかな文章で書かれている。言葉がやや古いのですらすらとは読めないが、ゆっくりかみしめて味わうのが似合うように思う。厳しい日々も、平らかな日々も、しゃんとして生きていきたいなと思わせる。
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病を患い床に伏せる料理人の夫と、その夫の代わりに台所に立ち料理をつくる妻の物語。 台所のおと。包丁で切る音、鍋にふたをする音、ざるを使う音…。妻の立てる「音」にじっと耳を澄ませ、いい音だとほめる。音、とは人を表しているのである。決して派手ではない日常にも、小さくきらきらひかるもの...
病を患い床に伏せる料理人の夫と、その夫の代わりに台所に立ち料理をつくる妻の物語。 台所のおと。包丁で切る音、鍋にふたをする音、ざるを使う音…。妻の立てる「音」にじっと耳を澄ませ、いい音だとほめる。音、とは人を表しているのである。決して派手ではない日常にも、小さくきらきらひかるものがある。
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ちょっと古い本を久々に読み、昔の日本の暮らしの様子、亭主関白、貧しさなど、 良いところも悪いところも同時に触れることができ、どこか襟をただされるような気持ちになった。 短編集だったが、どれも大きな余韻を残したまま終わった。 もちろんその余韻で嫌な気持ちになることもなく。 ただ、病...
ちょっと古い本を久々に読み、昔の日本の暮らしの様子、亭主関白、貧しさなど、 良いところも悪いところも同時に触れることができ、どこか襟をただされるような気持ちになった。 短編集だったが、どれも大きな余韻を残したまま終わった。 もちろんその余韻で嫌な気持ちになることもなく。 ただ、病気、看病する者の苦しさ、貧しさといった負の部分が多くかかれているため、 読んでいてずしりと重い気持ちになることもあった。 「祝辞」が一番好き。
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