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龍は眠る の商品レビュー

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529件のお客様レビュー

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    153

  2. 4つ

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  3. 3つ

    116

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2019/10/21

語り手の雑誌記者が、自らを超常能力者と言う少年に出会うところから始まる物語。謎、謎、謎と、ページを繰っていくと謎ばかりが降ってくる。そもそも超常能力者なんて存在するのかという謎から始まり、その謎が解決する前に違う謎が顔を覗かせる。最後の最後まで謎をしっかり堪能することができた。 ...

語り手の雑誌記者が、自らを超常能力者と言う少年に出会うところから始まる物語。謎、謎、謎と、ページを繰っていくと謎ばかりが降ってくる。そもそも超常能力者なんて存在するのかという謎から始まり、その謎が解決する前に違う謎が顔を覗かせる。最後の最後まで謎をしっかり堪能することができた。 超常能力が物語の一番のキーワードであるが、能力を振りかざすような派手な場面はなく、能力者が自分の能力を誇示するような場面もない。それが影響し、リアルな物語のように感じる。 また超常能力だけを歯車にして物語が展開されていくわけではなく、超常能力が一つのキーとなって事件や登場人物の心情とうまく溶け合っている。それが物語の深みになっている。 本書は日本推理作家協会賞を受賞した作品。確かに読んでいる途中で推理を無意識にしていたが、全く真相とは違った。僕の考えが追いつけるわけがない。超常能力と推理がうまく混じり合ったリアルな推理小説と感じた。

Posted byブクログ

2019/07/21

SFなんだ…と思い読んでいく。 中学生主役だと思って読むとそうじゃない。SF感が思いっきり全面に出てこず、私達にも通ずるヒューマンドラマを先行しながらSF要素を入れて、グイグイと引き込まれていく。 私達にも言えるけど、人を信用するって中々難しいと思える。他にも相手の事がその時、...

SFなんだ…と思い読んでいく。 中学生主役だと思って読むとそうじゃない。SF感が思いっきり全面に出てこず、私達にも通ずるヒューマンドラマを先行しながらSF要素を入れて、グイグイと引き込まれていく。 私達にも言えるけど、人を信用するって中々難しいと思える。他にも相手の事がその時、相手は何を考え、感じていると不安になる事って多々ある…そんなとき相手の心が読めたら苦労しない…と考えるはずだし、何考えてるかわからん!と怒りさせ覚える事もあるが… この本を、わからないからこそ良いんだと思えた。もし、相手の考えがわかったら逆に苦しみだけが残るかもしれない。 そして、私達の自分自身の能力ってわかってそうでわかってないのかな?それをどう上手く利用していくか考えるだけで自分の価値が変わるかと考えた。 沢山本を、読みましたが中々ヒューマンドラマで良い作品だと私は思いました。 流石、宮部さん!

Posted byブクログ

2019/06/08

前半は話がどちらに向かっているのかわからなかった。だからと言って苦痛とかというわけではないですが。登場人物がそろうのは半分以上進んでから。そこからは一気に話が進み前半の話が収束していく。なるほど、そうなるか、という感じがする。謎としては、途中で明かさされているので、話の筋を読む。...

前半は話がどちらに向かっているのかわからなかった。だからと言って苦痛とかというわけではないですが。登場人物がそろうのは半分以上進んでから。そこからは一気に話が進み前半の話が収束していく。なるほど、そうなるか、という感じがする。謎としては、途中で明かさされているので、話の筋を読む。ただ、語り手は超能力者側ではないので、内面を描き出す話ではない。能力がど使用されているのかを読ませる小説。

Posted byブクログ

2019/04/21

久しぶりに宮部みゆきを読了、改めてストーリーテラーだと実感した。 2人の超能力少年が事件を解決していく、というあらすじだけを見るとSF的な要素がミステリー要素を上回ってしまい、どっちつかずになってしまうのでは?さてどうなるのだろうと読み始めたが、そんな思いも吹き飛んでしまった。 ...

久しぶりに宮部みゆきを読了、改めてストーリーテラーだと実感した。 2人の超能力少年が事件を解決していく、というあらすじだけを見るとSF的な要素がミステリー要素を上回ってしまい、どっちつかずになってしまうのでは?さてどうなるのだろうと読み始めたが、そんな思いも吹き飛んでしまった。 とある事件から様々な事件に発展していくのだが、特殊な能力を持つ彼らの切なさ、そして中盤から登場する話す事が出来ない障がいを持つ女性のまた違った切なさなど、究極のヒューマンドラマが底辺に流れ続けている独特なミステリーだ。

Posted byブクログ

2019/03/08

途中途中にヒントのようなものを入れているので、それがどう転んで行くのかが気になり、ストーリーの読みやすさもあってあっという間に読み終わりました。人の心が読めてしまうツラさ、わかってしまうから出来る事と、わかってくれない事の寂しさ。凡人には測りきれない苦しみが、ストーリーを通して伝...

途中途中にヒントのようなものを入れているので、それがどう転んで行くのかが気になり、ストーリーの読みやすさもあってあっという間に読み終わりました。人の心が読めてしまうツラさ、わかってしまうから出来る事と、わかってくれない事の寂しさ。凡人には測りきれない苦しみが、ストーリーを通して伝わってきて、読み終わった後は心にポッカリと穴が空いたような気がしました。人の心は読めないけど、どんな人にも出来るだけ寄り添ってあげられるよう、人の心を汲み取ってあげられるような心の持ち主てありたい、と切に思った。

Posted byブクログ

2019/03/04

サイキック能力者はよくある最強設定ではなく、テレパシーで僅かな言葉を伝えるだけでも相当な疲労感が残るというリアリティ溢れる設定となっている。このあたりはスティーブン・キングのファイアスターターに近いものを感じた。どちらかというとミステリー要素のほうが強い感じで楽しめた。

Posted byブクログ

2019/01/20

日本推理作家協会賞受賞作品。超能力現象を持つ二人の少年が抱える切ない運命。 こういう話しの定番は周りに理解されずに苦しむ……と決まってはいるものの、宮部さんの語り口が非常に上手で最後まで引き込まれた。高坂と生駒、高坂と七恵が凄く重苦しい話しに良い風を運んでる感じ。直也が『へへ』て...

日本推理作家協会賞受賞作品。超能力現象を持つ二人の少年が抱える切ない運命。 こういう話しの定番は周りに理解されずに苦しむ……と決まってはいるものの、宮部さんの語り口が非常に上手で最後まで引き込まれた。高坂と生駒、高坂と七恵が凄く重苦しい話しに良い風を運んでる感じ。直也が『へへ』て笑った姿が悲しくて、たまらなかった。龍は眠る……のタイトルがいい。能力があるが為に上手く生きて行かれない苦しい話ではあるけど、最後の終わり方が望んだものだったのでホッとしました。宮部さん、さすがです!

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2018/12/28

めちゃくちゃ読みやすいのであっという間に読み終わったが、読んでいてうまいなあと思った。事件の真相についてはだいたい予想通りなのだけれども、物語の運び方がうまい。

Posted byブクログ

2018/09/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

超能力者の少年を拾った時、物語が動き出す本書。 超能力というこの世界で最も希少な存在に生まれた少年は、普通の人間がもつ普遍を得られず、希少な存在ゆえの孤独を経験した。 誰にも理解されず、自分を本当に知ってるのは自分しかいない。 宇宙人もまた人間にとって驚愕の存在であると同時に、本作の少年もまた人間にとって異物なのだ。 意味不明なレビューだけど、まあ面白いです。

Posted byブクログ

2018/08/04

「龍は眠る」 超常能力が眠っている。 超常能力を信じるか否か。自分で目にしないとなんとも言えない超常能力を持った人間がいないと言い切れない気もする。ある意味で永遠の命題だ。本書は、超常能力を扱うミステリー。 ある嵐の晩、雑誌記者の高坂が立ち往生していた稲村慎司を拾い、マン...

「龍は眠る」 超常能力が眠っている。 超常能力を信じるか否か。自分で目にしないとなんとも言えない超常能力を持った人間がいないと言い切れない気もする。ある意味で永遠の命題だ。本書は、超常能力を扱うミステリー。 ある嵐の晩、雑誌記者の高坂が立ち往生していた稲村慎司を拾い、マンホールの蓋が外されている所を発見する。更に、付近で男児が行方不明になっていることを知る。男児を見つける為、16歳の少年は秘密を語り出す。「僕は超常能力者(サイキック)なんだ」と。 高坂は、慎司に能力を見せられる。が、なかなか信じられない。そりゃそうだろう。しかも、慎司の能力は相手の心を読むことであり、瞬間移動の様な明らかに「こりゃトリック不可能!」と言った類では無い。緻密なトリックを駆使すれば、超常能力の様に見せれないこともないのだ。 高坂は、マンホール事件以降も、慎司の力が本物なのか悩み続ける。慎司に加え、織田直也というもう1人の超常能力者も現れ、更に悩む。そして、ジャーナリストらしく裏どりを以って真意を確かめていく。ただ疑うのではなく、本当だと信じてやりたいと思って調べる。カコも惚れて当然の男でありました。 辛い過去を体験して優しくなった高坂は、後に愛すべき人と出会うことになります。しかし、謎の脅迫文が届く様になり、元婚約者が誘拐される事件に発展。この事件が起きるまでは、慎司と逃げる直也を追う展開が続いており少し単調でしたが、漸くサスペンスに突入します。 この事件には、慎司と直也が絡んでおり、それまで語られてきた2人の性格や能力が伏線となってました。超常能力の持ち主ゆえに、うまく生きていくことが出来ない慎司と直也が、それでも誰かの為や正義、信念の為になんとかしようとする。それが事件に繋がっていく。「あそこまでしなくて良かったのに」と思いながらも、そうでもしないと真相を暴くことは出来なかった。やりきれない。 高坂を中心に物語が進みますが、罪への無自覚さも描かれています。マンホールの蓋を開けた2人組は、開けたことで何が起きるのかを想像せず、更に男児が死んだことへの懺悔もないのです。ちょっといらっとしたからやってみたと言うように、何が起きるか想像せず、行動を起こすのは非常に危険であり、すべきではないのだ。この2人組には最後までイラッとさせられます。 最後に一番引っかかった元婚約者である小枝子について。高坂との結婚破談は理由はまあ納得できるとしても、好きになれない。青写真が完璧にならないからといって、結局他の人と結婚して子供作ってるし、好きになれないw

Posted byブクログ