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ヘミングウェイ全短編(1) の商品レビュー

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38件のお客様レビュー

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彼の文学の核心を成す…

彼の文学の核心を成すこれらの初期作品31編を収録。ヘミングウェイの全短編を画期的な新訳で刊行する全3巻の第1巻。

文庫OFF

言わずと知れた名作「…

言わずと知れた名作「老人の海」の著書ヘミングウェイの短編集。全3部のうちのこれが一弾。

文庫OFF

2022/11/01

【オンライン読書会開催!】 読書会コミュニティ「猫町倶楽部」の課題作品『雨の中の猫』 ■2022年11月29日(火)20:30 〜 22:15 https://nekomachi-club.com/events/066fc2a7f220

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2022/09/06

無駄な修飾を全て取り去った純度の高い硬質な文体。一番それが表れているのは「殺し屋」かと思う。 殺し屋の使う「秀才」というフレーズが「グレートギャッツビー」でいうところの「オールドスポート」のように独特のリズム感を与えていて、読んでいて心地よい。 殺し屋が料理店にやってきて、従業員...

無駄な修飾を全て取り去った純度の高い硬質な文体。一番それが表れているのは「殺し屋」かと思う。 殺し屋の使う「秀才」というフレーズが「グレートギャッツビー」でいうところの「オールドスポート」のように独特のリズム感を与えていて、読んでいて心地よい。 殺し屋が料理店にやってきて、従業員を脅して、ターゲットを待つも、彼はとうとうやってこない。このプロットだけを模倣して、修飾を増やすことで描写を鮮明にしようとしても効果は上がらないだろう。 人間はあまりにも非現実的なことに直面した時、必要以上に感情を揺さぶられないように感度を落とす。

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2022/09/04

私はヘミングウェイを面白おかしい、通俗的な意味で「上手い」スジを売りにした短編作家だとは思わない(異論は認める)。だが、それでもここに収められた短編群を見事だと唸ってしまう。それは簡素にして力強い文体と的確な対象の描写が生み出す、こちらに誠実に事物を伝えんとするストイシズムから来...

私はヘミングウェイを面白おかしい、通俗的な意味で「上手い」スジを売りにした短編作家だとは思わない(異論は認める)。だが、それでもここに収められた短編群を見事だと唸ってしまう。それは簡素にして力強い文体と的確な対象の描写が生み出す、こちらに誠実に事物を伝えんとするストイシズムから来るのだろうと思う。別の言い方をすればこの作品群は抜群の「安定感」を誇っている。ゆえに読みながら中だるみを感じることもなく、やや予定調和的な話であっても読ませる魅力/魔性を備えているのだと思う。彼は実によく世界を享受し、体感していた

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2022/05/05

私は大学生の頃、ヘミングウェイが好きでした。 第一次世界大戦後の虚無感や喪失感を抱いたロストジェネレーションの感覚が、就職活動に失敗し、どうしていいのかもわからずただ毎日を過ごしていたあの頃の私と重なる部分があって、凄く共感する部分があったのだと思います。 そんな時分を思い返し...

私は大学生の頃、ヘミングウェイが好きでした。 第一次世界大戦後の虚無感や喪失感を抱いたロストジェネレーションの感覚が、就職活動に失敗し、どうしていいのかもわからずただ毎日を過ごしていたあの頃の私と重なる部分があって、凄く共感する部分があったのだと思います。 そんな時分を思い返して、今回この短編集を手にとってみたのですが、昔ほど感動はしませんでした。ヘミングウェイを読むタイミングは、一度過ぎ去ったのかもしれません。 ただ、他の長編作品と比較したら読みやすいし、世界観がわかりやすいので、道に迷った人に、一緒に迷子になってくれる良いパートナーになってくれるような気がします。 きっと次に感動するときは、もう少し自分が歳を取り、衰えて、今まで出来たことが少しずつ出来なくなってきた時に、生きることを応援してくれるパートナーとして、側にいてくれるような気がします。

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2022/04/07
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※このレビューにはネタバレを含みます

【インディアンの村】 医師である父がインディアン村での出産に息子を連れていく。 きちんとした医療機器のない帝王切開に女はひどく苦しむが、無事に赤ん坊は生まれる。 しかし、妻が出産する寝棚の上にいた夫は出産中に剃刀で自殺していた。

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2022/04/04

kindle読書ヘミングウェイ「女のいない男」1927年(s2)若きヘミングウェイの短編小説集。ピークを過ぎ引退間近な闘牛士の物語「挫けぬ者」勢いある若者とのタイトル戦に八百長加担して臨む老獪なボクサー「5万ドル」など男の悲哀が際立つ。村上春樹さんと同じ表題だったのでこちらも読...

kindle読書ヘミングウェイ「女のいない男」1927年(s2)若きヘミングウェイの短編小説集。ピークを過ぎ引退間近な闘牛士の物語「挫けぬ者」勢いある若者とのタイトル戦に八百長加担して臨む老獪なボクサー「5万ドル」など男の悲哀が際立つ。村上春樹さんと同じ表題だったのでこちらも読んでみました。

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2022/03/06

ヘミングウェイの文章は本当に不思議だ。簡潔で、素朴で、シンプルに見えるのに、この一文に奥深い何かが宿っていると感じられる。文章の奥から浮かび上がってくる悲しさや寂しさ、ひりつくようなやるせなさが静かに読み手に染み渡っていく。また、ほんの少しの会話で、その人物の背景に何が隠されてい...

ヘミングウェイの文章は本当に不思議だ。簡潔で、素朴で、シンプルに見えるのに、この一文に奥深い何かが宿っていると感じられる。文章の奥から浮かび上がってくる悲しさや寂しさ、ひりつくようなやるせなさが静かに読み手に染み渡っていく。また、ほんの少しの会話で、その人物の背景に何が隠されているのか、描かれなくても伝わってしまう。良い文章とはまさにこういうものだという理想を見た気がする。ちなみに、この文章の凄さについては、解説にフォード・マドックス・フォードの素晴らしい引用があったので、ここにも記しておく。 「ヘミングウェイの言葉は、その一語一語が、清流の底から拾いあげたばかりの小石のように人を打つ。それらの言葉は、どれもがあるべきところに置かれて生き生きと光り輝く。だから、彼の作品の一ページは、流れる水を透かして見下ろす川底のような効果を持つのである。」 話は変わるが、「殺し屋」の冒頭を一読して、この短編の前半部分は何かの文章で、確かヘミングウェイの文章の巧みさを論じる文章で、読んだことがあると気づいたのだけれど、何の本だか全く思い出せず、とてももやもやした。一体何の本で読んだのだろう…。確か「武器よさらば」のラストの飲食シーンについても指摘があった気がするのだが。しかし、何の本だか全く思い出せないにも関わらず、そしておそらく一度しか読んでいないにも関わらず、強烈な「この文章・この台詞、絶対に読んだことがある!」という感覚に襲われて、これはまさしく本当に文章の力が凄いのだと思う。 収録されている31編の中でこれは、と思うものはいくつかありましたが、一番好きだったのは個人的にはなるが「白い象のような山並み」だなあ。堕胎に抵抗を感じている女と、堕胎させたい男の地獄のようなすれ違いの会話。男に頼りたい・愛されたいのだが、同時に堕胎を強要してくる男に対する不信の念と自分の身体への忌避があり、引き裂かれるような女の痛みがものすごくシンプルな描写で浮かび上がるようになっており、震えた。ヘミングウェイはハードボイルドの人と言われているが、決してマッチョではなく、女を書かせた時の繊細さたるや見事である。

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2020/09/29

目次:  われらの時代 IN OUR TIME (1924年刊行)   スミルナの埠頭にて On the Quay at Smyrna     第一章    インディアンの村 Indian Camp ※1    第二章   医師とその妻 The Doctor and the Do...

目次:  われらの時代 IN OUR TIME (1924年刊行)   スミルナの埠頭にて On the Quay at Smyrna     第一章    インディアンの村 Indian Camp ※1    第二章   医師とその妻 The Doctor and the Doctor's Wife ※2    第三章   ある決別 The End of Something ※9    第四章   三日吹く風 The Three-Day Blow ※10    第五章   ファイター The Battler ※4    第六章   ごく短い物語 A Very Short Story    第七章   兵士の故郷 Soldier's Home    第八章   革命家 The Revolutionist    第九章   エリオット夫妻 Mr. and Mrs. Elliot    第十章   雨のなかの猫 Cat in the Rain    第十一章   季節はずれ Out of Season    第十二章   クロス・カントリー・スノウ Cross Country Snow ※12    第十三章   ぼくの父 My Old Man    第十四章   二つの心臓の大きな川 第一部 Big Two-Hearted River : Part Ⅰ ※8    第十五章   二つの心臓の大きな川 第二部 Big Two-Hearted River : Part Ⅱ  ※8    跋文 L'Envoi  北ミシガンで Up in Michigan  男だけの世界 MEN WITHOUT WOMEN (1927年刊行)   敗れざる者 The Undefeated   異国にて In Another Country ※7   白い象のような山並み Hills Like White Elephants   殺し屋 The Killers ※5   ケ・ティ・ディーチェ・ラ・パートリア(祖国は汝に何を訴えるか)? Che Ti Dice La Patria?   五万ドル Fifty Grand   簡単な質問 A Simple Enquiry   十人のインディアン Ten Indians ※3   贈り物のカナリア A Canary for One   アルプスの牧歌 An Alpine Idyll ※11   追い抜きレース A Pursuit Race   今日は金曜日 Today in Friday   陳腐なストーリー Banal Story   身を横たえて Now I Lay Me ※6 ※:ニックの成長を追った順(『”ニック・アダムズ物語』(フィリップ・ヤング 1972))  

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