蛍川・泥の河 の商品レビュー
泥の河 11/8読了 言い回しが少々古く慣れるのに時間を要した。 読み始めてからかなり時間をかけて読み終えた。 哀愁漂うかんじだった。
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丁寧に綴られた言葉とリアルな情景が秀逸 人間の生の美しさと強さとそして嫌悪が 子どもの視点を通して不器用に映し出される 忘れた頃にまた読み返したくなる一冊
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『泥の河』では高度経済成長期間近の大阪の雰囲気を感じることができる。 小学生や中校生といった多感な時期特有の葛藤を2作品では見事に表現されていると感じた。 『泥の河』で出てきた巨大な鯉ってどんなものなのか想像しながら読むと少し面白かったです。 廓舟で生活する母と2人の子どもが、次...
『泥の河』では高度経済成長期間近の大阪の雰囲気を感じることができる。 小学生や中校生といった多感な時期特有の葛藤を2作品では見事に表現されていると感じた。 『泥の河』で出てきた巨大な鯉ってどんなものなのか想像しながら読むと少し面白かったです。 廓舟で生活する母と2人の子どもが、次の場所では平和に過ごせることを祈るばかり。 『螢川』は文句なしの面白さ、これこそ昭和の純文学という感じ。最後の螢が一面に飛んでいることを描写する文章が美しい。一昔前はこんなにも螢が多く綺麗だったのかと思いながら読み進めた。
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確かに美しい文体で、イメージの中の風景も自分の幼少期が思い起こされる。 今、考えると初恋だった近所の年上のお姉さん❗ 幸せになってたらいいなーと思いながら読めた作品
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昭和30年代という戦後復興真っ只中の日本が舞台の小説。 「泥の河」は、大阪で食堂を営む家族と、舟で様々な地域を転々としながら生活を営む家族との何か切なくなるような話。 「螢川」は、富山に住む家族に降りかかる友人、親との死別などの悲劇、幼なじみとの淡い恋心を交えながら家族の揺れ...
昭和30年代という戦後復興真っ只中の日本が舞台の小説。 「泥の河」は、大阪で食堂を営む家族と、舟で様々な地域を転々としながら生活を営む家族との何か切なくなるような話。 「螢川」は、富山に住む家族に降りかかる友人、親との死別などの悲劇、幼なじみとの淡い恋心を交えながら家族の揺れ動く心の描写に美しくも切なくなるような話。 どちらの話も時代に翻弄されたが故に避けられない悲劇が描かれているにも関わらず、所々に差し込まれる風景描写が非常に美しく、とても惹きつけられるものがあった。古き良き時代のノスタルジーを想起させてくれる素晴らしい表現なので、風景描写だけでも読んで損はない小説。 「朝陽はまだ姿を見せていなかったが、鬱金色のさざめきがすでに川面で煌めいていた。」
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宮本輝の初期代表作、太宰治賞『泥の河』と芥川賞『螢川』を収録している。全てが代表作である純文学の権化のような作家だが、その中でもデビュー作と実質デビュー作はこの人を語るには欠かせないものだろう。 戦後経済成長期で、発展を遂げようとしている大阪府の2つの家族を描いた『泥の河』。 ...
宮本輝の初期代表作、太宰治賞『泥の河』と芥川賞『螢川』を収録している。全てが代表作である純文学の権化のような作家だが、その中でもデビュー作と実質デビュー作はこの人を語るには欠かせないものだろう。 戦後経済成長期で、発展を遂げようとしている大阪府の2つの家族を描いた『泥の河』。 同じく戦後経済成長期で、衰退しつつある富山に住む少年と周辺を描いた『螢川』。 全く正反対の舞台であるが、方や田舎に移ろうとし、方や都会に移ろうとする。ほぼ同じ時代に暮らしていても、2つの物語が目指す生活は異なっていた。 しかし、彼らとて、自ら進んで計画したわけではない。運命とも、悲劇ともいえる状況に身を置かれ、やむなく決心したのだ。 昭和の時代、風景、人情、感情の起伏を流動的に描き、その上、読者の心には写真のように物語の光景を刻みつける。文学が閉ざされた現代においても、宮本輝の文学は輝度を増すばかりだ。
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太宰治賞を受賞した泥の河と,翌年に芥川賞を受賞した螢川のカップリング.恥ずかしながら宮本輝を読んだのは初めてだが,美しいですね.
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1947年生まれ、宮本輝さん。芥川賞作家で好きな作家さんです。まさに、純文学と言った作品を書かれると思います。作風は変化するでしょうけど、この頃の作品が気に入っています。「蛍川・泥の河」、1994.12発行。「泥の河」は、太宰治賞。小学2年、うどん屋の信夫の「廓舟」の喜一(小2)、姉の銀子(小4)、母親へのそれぞれの思いが伝わってきます。「蛍川」は芥川賞。中学2年、竜夫の同級生、英子への恋心、いたち川のはるか上流に降る蛍の大群が。その情景が瞼に浮かびます!
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宮本輝全集での泥の河を読了。 小説らしい話。オーソドックスな文体と表現が安心感を与える。三島あたりより新しく、昨今の作者の何かというとsexしちゃう話とは一線を画す。 国語の教科書に載せるべき作品で、出版すべき物語。ちゃんと物語っている。 ラストシーンの感想は人それぞれだろう。信...
宮本輝全集での泥の河を読了。 小説らしい話。オーソドックスな文体と表現が安心感を与える。三島あたりより新しく、昨今の作者の何かというとsexしちゃう話とは一線を画す。 国語の教科書に載せるべき作品で、出版すべき物語。ちゃんと物語っている。 ラストシーンの感想は人それぞれだろう。信雄の叫びに喜一が応えなかった理由。 宮本輝作品は、全部読んでやろうと思っている。
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現代作品にはあまりない、古風で哀愁漂う独特な雰囲気を纏った物語。生きること、命とは、子供の非力さ、色々と投げかけ考えさせられる内容であるのに、その背後には美しさもあり、何とも不思議な感覚に囚われる。短編だけどとても奥深い作品だった。
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