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蛍川・泥の河 の商品レビュー

4.1

215件のお客様レビュー

  1. 5つ

    70

  2. 4つ

    78

  3. 3つ

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2024/10/06

文章が美しく、情感に溢れている。泥の河が特に刺さった。 泥の河:悲しくも美しい戦後の風景。人々は逞しく生きるも、残酷な人生。 螢川:4年間住んだ富山の方言が懐かしい。

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2024/05/27

宮本文学とも称される著者の作品の原点とも言うべき本を、遅まきながらも読了。 戦争の傷跡も癒えない戦後の大阪を舞台に、少年と廓舟で暮らす姉弟との交流を描いた太宰治賞受賞作『泥の河』。 春から夏へと移りゆく北陸富山を背景に、少年の淡い初恋を絡めた芥川賞受賞作『蛍川』。 何れの作品でも...

宮本文学とも称される著者の作品の原点とも言うべき本を、遅まきながらも読了。 戦争の傷跡も癒えない戦後の大阪を舞台に、少年と廓舟で暮らす姉弟との交流を描いた太宰治賞受賞作『泥の河』。 春から夏へと移りゆく北陸富山を背景に、少年の淡い初恋を絡めた芥川賞受賞作『蛍川』。 何れの作品でも、明日は今日よりもきっと良い日になると、皆が希望を持てていた日々が甦り、懐かしさが満ちる。

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2024/05/11

映画化された本らしい。 戦後復興のドロッとしたリアリティを清らかに流すような文体だった。 男性特有かもしれないが股間にグッとくる背徳感がある表現と内容はビジュアル化したときに美しいだろうなとも思う。

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2024/03/12

螢川・泥の河どちらもとても良かった。特に泥の河(太宰治賞)は個人的にとても好きだ。 流れるように読めるけど、心理・情景描写がその流れを邪魔することなく綺麗におさまっているのが凄いと思った。『田園発 港行き自転車』で富山を舞台にしていたのだが螢川も富山であった。出身地を見ると関西な...

螢川・泥の河どちらもとても良かった。特に泥の河(太宰治賞)は個人的にとても好きだ。 流れるように読めるけど、心理・情景描写がその流れを邪魔することなく綺麗におさまっているのが凄いと思った。『田園発 港行き自転車』で富山を舞台にしていたのだが螢川も富山であった。出身地を見ると関西なため、富山が好きなのかなと思っていた。が、解説を読むとどうやら著者は幼い頃、富山に一年間住んでいたことがあるとのこと。一年間だけで小説の舞台に度々登場するくらいなのだから、富山で得た色々は宮本輝にとって特別なものだったのだろうか。 とにかく良い小説だった。

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2023/11/13

 2篇とも死や不幸や性の目覚めが少年の目を通して描かれている。それらは劇的ではないが主人公に影響を与える。登場人物の日常が微かに変化していく様子が、美しさとうら寂しさを感じさせる季節や街の描写と相俟って妙なる調べとなっている。この作者の事物の描き方捉え方は自分の好みかもしれない。

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2023/11/10

泥の河 11/8読了 言い回しが少々古く慣れるのに時間を要した。 読み始めてからかなり時間をかけて読み終えた。 哀愁漂うかんじだった。

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2023/11/01

丁寧に綴られた言葉とリアルな情景が秀逸 人間の生の美しさと強さとそして嫌悪が 子どもの視点を通して不器用に映し出される 忘れた頃にまた読み返したくなる一冊

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2023/10/13

『泥の河』では高度経済成長期間近の大阪の雰囲気を感じることができる。 小学生や中校生といった多感な時期特有の葛藤を2作品では見事に表現されていると感じた。 『泥の河』で出てきた巨大な鯉ってどんなものなのか想像しながら読むと少し面白かったです。 廓舟で生活する母と2人の子どもが、次...

『泥の河』では高度経済成長期間近の大阪の雰囲気を感じることができる。 小学生や中校生といった多感な時期特有の葛藤を2作品では見事に表現されていると感じた。 『泥の河』で出てきた巨大な鯉ってどんなものなのか想像しながら読むと少し面白かったです。 廓舟で生活する母と2人の子どもが、次の場所では平和に過ごせることを祈るばかり。 『螢川』は文句なしの面白さ、これこそ昭和の純文学という感じ。最後の螢が一面に飛んでいることを描写する文章が美しい。一昔前はこんなにも螢が多く綺麗だったのかと思いながら読み進めた。

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2023/10/08

確かに美しい文体で、イメージの中の風景も自分の幼少期が思い起こされる。 今、考えると初恋だった近所の年上のお姉さん❗ 幸せになってたらいいなーと思いながら読めた作品

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2023/10/05

昭和30年代という戦後復興真っ只中の日本が舞台の小説。 「泥の河」は、大阪で食堂を営む家族と、舟で様々な地域を転々としながら生活を営む家族との何か切なくなるような話。 「螢川」は、富山に住む家族に降りかかる友人、親との死別などの悲劇、幼なじみとの淡い恋心を交えながら家族の揺れ...

昭和30年代という戦後復興真っ只中の日本が舞台の小説。 「泥の河」は、大阪で食堂を営む家族と、舟で様々な地域を転々としながら生活を営む家族との何か切なくなるような話。 「螢川」は、富山に住む家族に降りかかる友人、親との死別などの悲劇、幼なじみとの淡い恋心を交えながら家族の揺れ動く心の描写に美しくも切なくなるような話。 どちらの話も時代に翻弄されたが故に避けられない悲劇が描かれているにも関わらず、所々に差し込まれる風景描写が非常に美しく、とても惹きつけられるものがあった。古き良き時代のノスタルジーを想起させてくれる素晴らしい表現なので、風景描写だけでも読んで損はない小説。 「朝陽はまだ姿を見せていなかったが、鬱金色のさざめきがすでに川面で煌めいていた。」

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