凶刃 の商品レビュー

藤沢周平(著者)

2019/01/04

16年も飛ぶとは思わなかったが、それが中年の悲哀を滲ませ、感傷を呼んで、ゆっくりと終わりに向かって進む。

これで続きが読めなくなるかと思うと、単純に切ないなぁ。

2018/08/19

「用心棒日月抄」の完結編。
前3作と異なり、短編集ではなく一貫した長編。また主人公が江戸に独居する浪人という形ではなく、その16年後の話であり主人公は藩勤めの身で江戸に派遣されたいう形になっている。
立場も変わったし主人公の年齢も変わったことで（主人公は40歳代となっている）で今までの3作品とは趣が変わったところがある。
当時は40歳代といえば隠居も近いということで、人生の秋を迎えた主人公の感慨も入る。前3作の青春の趣のあるシリーズの幕引きをする作品。

2018/08/06

内容（「BOOK」データベースより）

好漢青江又八郎も今は四十代半ば、若かりし用心棒稼業の日々は遠い…。国元での平穏な日常を破ったのは、藩の陰の組織「嗅足組」解散を伝える密明を帯びての江戸出府だった。なつかしい女嗅足・佐知との十六年ぶりの再会も束の間、藩の秘密をめぐる暗闘に巻きこまれる。幕府隠密、藩内の黒幕、嗅足組―三つ巴の死闘の背後にある、藩存亡にかかわる秘密とは?シリーズ第四作。

2018/02/17

武家ものと市井ものが上手く溶け合い、それ故の緩急がなんとも心地よい。お得な感じがするのだ。少々腹が出てても大丈夫だと勇気づけられた…。

2017/09/14

16年後の青木又八郎と、これまでの登場人物の姿が描かれている。

かつての用心棒仲間だった浪人細谷源太夫や、口入れ屋の相模屋吉蔵など、本当にそうなるだろうなという姿に描かれている。

細谷源太夫の妻の結末は意外だったが、しかし、そうなって全然おかしくはない。

現実の社会というものはそういうものだろう。

その一方で、エンディングの場面の、あの心憎い思いやり。

厳しいような温かいような、作者の眼の確かさが感じられる。

2017/01/28

好漢青江又八郎も今は四十代半ば、若かりし用心棒稼業の日々は遠い…。国元での平穏な日常を破ったのは、藩の陰の組織「嗅足組」解散を伝える密明を帯びての江戸出府だった。なつかしい女嗅足・佐知との十六年ぶりの再会も束の間、藩の秘密をめぐる暗闘に巻きこまれる。幕府隠密、藩内の黒幕、嗅足組―三つ巴の死闘の背後にある、藩存亡にかかわる秘密とは?

2016/12/16

「用心棒日月抄」シリーズ最終第４巻。

　前作から１６年。初老と言いうる年齢に達した青江又八郎。嗅足組解散の伝令という密命を帯び、今般は脱藩することなく江戸に下向する。

　これまでとは違い、浪人・用心棒稼業というような退廃的かつ切羽詰ったムードは少なく、暖かさと人生の晩年を見据えたような寂寥感を湛えつつ物語は終局に向かう。
　最終巻にふさわしいといえば、そうだ言える幕切れ。

2016/04/23

主人公青江又三郎が命を帯び、16年ぶりに江戸に上る。再び、佐知と組んでの活躍が大筋だが、これまでの用心棒生活でのユーモラスさは欠け、筋もいささかわかりづらかった。2016.4.23

2015/02/27

あえて続き物の第4章？から読んでみたわけですが、スターウォーズのエピソード1的な。主人公の全盛期のから16年後、中年になってお腹も出てきたというのに、でもまだまだ腕は衰えず、昔の彼女とも変わらずよろしくやっているという、全然昔と一緒じゃないのかね？これが昔取った杵柄というやつなのか。

2013/11/05

なんと主人公が一気に歳を取っていて、４０代半ば…
今度は脱藩という形ではなく、江戸に行くので、藩の江戸屋敷に住まい、用心棒稼業もなしで……ちょっと残念だったかな。

これは義父からもらったシリーズ。