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亜愛一郎の狼狽 の商品レビュー

3.9

95件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    19

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登場する人たちがトリ…

登場する人たちがトリッキーで、空中密室に暗号など、各種取りそろえられており、なおかつ短編で読みやすいというのがいいです。

文庫OFF

伏線の張り方も見事だ…

伏線の張り方も見事だった。各種のトリックをそろえており読みやすかったが、亜愛一郎のキャライメージがいまいちつかみにくいのが難点だろうか。

文庫OFF

年カメラマン亜愛一郎…

年カメラマン亜愛一郎のおかしなキャラクターが魅力のユーモア系本格ミステリ。短編連作。

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名探偵亜愛一郎が活躍…

名探偵亜愛一郎が活躍するユーモア本格ミステリ。トリックが冴えまくってます。

文庫OFF

2024/03/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

米澤穂信がおすすめしていた作家であり作品だったので読んでみた。 三角形の顔をした老婦人がたびたび出てくるのはモブの使いまわし的な、ただの遊び心の表れだろうか。 「DL2号機事件」 大きな地震があったら近いうちにはまた起きないだろうと考える心理に初めて触れて面白かった。それで殺人まで起こそうとするのは異常だけど、異常だから殺人まで犯すのはわかってしまう。 これをデビュー作にするの、犯人の心理に興味がありますって感じで面白い。トリックじゃないんだな。ハウダニットよりホワイダニット派ってことかな。 「右腕山上空」 そう思ったらちゃんとトリックの話だった。 塩田がたくさんの女性と結婚し離婚しながらも、10年間も秘書が好き、というのがさらりと描写されてるのがすごい。でも深くは書かない。面白い。 殺人トリックは言われて見れば、なあんだ、だけど、この時代だったら完全犯罪になりそうで面白かった。 「曲った部屋」 違う部屋で殺して家具の入れ替えというトリック。それを示唆する描写が面白い。 最後、小網と亜が鏡の前にいるけど、酔っぱらって泊まったのか、なんなのか。ちょっと気になった。 「掌上の黄金仮面」 銀行強盗と殺人が絡み合う。これも、被害者の挙動を観察してたらわかるやつ。面白い。 「G線上の鼬」 タクシー強盗の話が絡んでて面白かった。飲酒運転やば。おおらかすぎる。 右腕山上空の気球の時と似てる。一人だと思ったら二人いたやつ。 「掘出された童話」 この童話絶対暗号!とわかるが、解くのがだるい。モールス信号出た~の気持ち。書体にこだわったのがポイントだったんだな。 最後ちょっとオカルトめいてたのが面白い。 一荷と亜のやりとりがちょっとほもほもしい感じ。時代なのか?そういうものなのか? 手錠まで付けるの面白い。 「ホロボの神」 戦後の生々しい感じが良い。この時代、遺骨を取りに行くことしてたんだなとわかって面白い。最近、海の底の遺骨も回収しようっていうのは聞いてたけど、それまでどんな活動していたかよく知らなかった。 「黒い霧」 犯人像が安易すぎるけど、それがやりたかったんだろうなって感じ。商店街の人達のケーキや豆腐の投げ合いが牧歌的。 どれも面白かった。 解説で、『幻影城』を作った島崎博がさらりと消息不明となっていたのが気になった。それで良いのか???大量の本のコレクション置き去りにしちゃうのも、謎の失踪じみてる。今だったらニュースだと思うが、流されてるのが面白い。関係者はあまり面白くなかったと思う。

Posted byブクログ

2024/02/18

本名:厚川昌男(あつかわまさお)で、筆名:泡坂妻夫はアナグラムだった。 どうやら「あ」にこだわったようで、デビュー作「DL2号機事件」の主人公の名前を「亜」にしたようだ。 謎解きの語り口は理路整然としていて"刑事コロンボ"を思い出した。 「亜」は自称カメラ...

本名:厚川昌男(あつかわまさお)で、筆名:泡坂妻夫はアナグラムだった。 どうやら「あ」にこだわったようで、デビュー作「DL2号機事件」の主人公の名前を「亜」にしたようだ。 謎解きの語り口は理路整然としていて"刑事コロンボ"を思い出した。 「亜」は自称カメラマンのようだが、なぜか事件現場に居合せ謎解きを語る役回り。 人間の思考の癖とその思考に基ずく行動を推理したり、思考パターンを逆手に取った行動に注目したりして、真相解明するのは手品の仕掛けをばらすようで面白い。 背が高くてハンサムで力持ちらしいのだが、カッコイイという感じはなく、少しすっとぼけている印象が強い。 戦争にまつわる描写や、モールス信号、フィルムのカメラ、どこでも喫煙、ミルク配達人、など昭和の匂いもプンプンする作品だ。 「亜」だけでなく登場人物の名前も変、「緋熊(ひぐま)五郎」「鳥尾杉亭(さんてい)」「二毛(ふたげ)敏胤(としたね)」「藻湖(もこ)刑事」「佐藤看七(かんしち)」などなど… 藻湖刑事が再登場した時は、名前が奇抜だから覚えていたので、そういう狙いもあったのかと思った。 謎解きのタネは奇抜で無理があるのだが、明かされてみるときわめて論理的なので妙に納得させられる。 私は奇術も大好きなので、このような常識的な思考の隙を突かれる泡坂作品は好きだ。 どの作品も全く想像が及ばないところに真相が隠れていた。 マジシャンの頭の中にある騙しの技術を知るという目的でも楽しめそうだ。 「亜」シリーズは3部作であと2冊あるのだが、字が小さく(42x18)読むのが辛かったので躊躇してしまう(´ω`)コマッタナァ...

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2023/12/16

1994年文庫初版、作品自体は1976-77年に島崎博編集の雑誌「幻影城」が初出なので、少しばかり言い回しがレトロな部分もあるが、の割に基本読みやすかった。背が高く整った端麗な顔立ちにいつも背広にネクタイ姿のカメラマン[亜愛一郎]が関わった事件を推理解決していく短編が8話収録だか...

1994年文庫初版、作品自体は1976-77年に島崎博編集の雑誌「幻影城」が初出なので、少しばかり言い回しがレトロな部分もあるが、の割に基本読みやすかった。背が高く整った端麗な顔立ちにいつも背広にネクタイ姿のカメラマン[亜愛一郎]が関わった事件を推理解決していく短編が8話収録だか、場も事件内容もそれぞれ異なり、なかなか楽しめた。 以前読んだ小説に出てくる人物表現で、探偵亜愛一郎のような風貌とあり、亜愛一郎を知りたくて読んでみた。巻頭の「DL2号機事件」が作家デビュー作。

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2023/12/14

並外れた推理力を持つが、ドジで運動神経皆無なカメラマン亜愛一郎を主人公とした連作短編周。 全ての短編で殺人事件が起こるものの、登場人物たちのクセが強いのもあって、終始コミカルでゆる〜い雰囲気が漂っていて、スラスラ読めました。 それでいて、全ての短編に伏線が綿密に仕組まれており、後...

並外れた推理力を持つが、ドジで運動神経皆無なカメラマン亜愛一郎を主人公とした連作短編周。 全ての短編で殺人事件が起こるものの、登場人物たちのクセが強いのもあって、終始コミカルでゆる〜い雰囲気が漂っていて、スラスラ読めました。 それでいて、全ての短編に伏線が綿密に仕組まれており、後半の推理パートでその伏線が一気に回収される様が圧巻。 シリーズ物なので次回作も読んでいきます。

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2023/10/12

映画で乱れからくり、小説でしあわせの書と続いて3作目。東西ミステリーベスト100で16位の短編集です。 部分部分面白い編はあるのだけど(DL2号機事件、ホロボの神様は面白かった)、どうしてもこの人は自分の好みとは合わないみたいです。 原因は、ストレスフルな文体(場面転換の位置...

映画で乱れからくり、小説でしあわせの書と続いて3作目。東西ミステリーベスト100で16位の短編集です。 部分部分面白い編はあるのだけど(DL2号機事件、ホロボの神様は面白かった)、どうしてもこの人は自分の好みとは合わないみたいです。 原因は、ストレスフルな文体(場面転換の位置が分かりにくい、会話が何だか気持ち悪い)、創作上で努力をしている方向の"コレジャナイ感"でしょうか(暗号のトリックなど)。 この方は、本格ミステリと新本格の繋ぎ目辺りの作家さんのようです。どうしても作品が小粒感が漂うと言うか、中途半端な立ち位置ですね。。。

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2022/10/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読友さんの感想を読んで興味を持つ。亜愛一郎(あ・あいいちろう)は探偵で、キャラが薄いが推理力抜群。登場人物の名前が変だった。愛一郎だけではなく全体的に変。その理由なのか、昭和ノスタルジーに浸れるキャラ設定。全8話からなり、最初に事件が起き、そこに愛一郎がいる。いつの間にか愛一郎が事件を解決する糸口を見つけ、推理を披露する。お菓子会社の宣伝目的のために気球を飛ばす話は面白かった。UFO愛好家とのリンクが何とも言えない。一方、何故だろう?読みにくさも抜群でページを捲るスピードが既読本でもNo.1だったかな。④

Posted byブクログ