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自分を知るための哲学入門 の商品レビュー

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2009/10/04

竹田 青嗣さんは、とても良い本を書くと思う。哲学書なんて難解な言葉で複雑怪奇な問題設定を奇妙奇天烈に解くものだと思っていた私にとって、竹田さんの著書は良い道しるべになった。ただ、この人の哲学が正統的なものなのかは、私には判断できない。そもそもドゥルーズなんて難解すぎて何を書いてい...

竹田 青嗣さんは、とても良い本を書くと思う。哲学書なんて難解な言葉で複雑怪奇な問題設定を奇妙奇天烈に解くものだと思っていた私にとって、竹田さんの著書は良い道しるべになった。ただ、この人の哲学が正統的なものなのかは、私には判断できない。そもそもドゥルーズなんて難解すぎて何を書いているのか正確には理解できないので、竹田さんのドゥルーズ解釈が正しいか否か、判断する材料がないのだ。そういう意味で、あえて信じすぎないようにしようかなぁ、と思ったりもしている。

Posted byブクログ

2020/07/15

入門書として、とても素晴らしい本。 どの分野の学問でもそうだろうけれども、最初に何の手がかりもないまま独力で学ぼうとすると、その全体像も、大きさもわからないまま、闇の中を手探りで進んでいるような状態になり、途方に暮れてしまう。 たいがいの哲学書は、その原著をいきなり読もうとすると...

入門書として、とても素晴らしい本。 どの分野の学問でもそうだろうけれども、最初に何の手がかりもないまま独力で学ぼうとすると、その全体像も、大きさもわからないまま、闇の中を手探りで進んでいるような状態になり、途方に暮れてしまう。 たいがいの哲学書は、その原著をいきなり読もうとすると、まず間違いなく途中で行き詰ってしまうけれど、そこであきらめて哲学を学ぶことを止めてしまう愚を阻止するように、哲学の概観をとてもわかりやすく説明してくれている。 著者の、「哲学は、自分を知り、よく生きるためのツールにすぎない」というスタンスはとても好きだ。この本では、難しい言葉は一切使わずに、出来る限り誰にでも理解出来るように、古今東西の主要な哲学の全体図が、かなり噛みくだいて書かれている。 この手の本には珍しく、著者の体験に基づいて、自分自身がいかにして哲学の世界に興味を持ったのか、というところから書かれているので、その点でも、かなり興味を持って読める構成だと思う。 本の中で述べられていることは、飽くまでも、入口の部分までの紹介に過ぎないので、本当にその内容を理解するには、やはりいずれは原著を読む必要はあるだろうと思うけれども、そこに行く前に、こういった入門書による解説があるかないかということは、とても大きい。 巻末に付録として掲載された「読書案内」のリストも、とても参考になる。 こういう、よくその分野を熟知している先達の手引きというのは、その内容によっては、時間に換算すると数年分もの価値を与えてくれるものだと思う。 哲学に多少興味を覚えるのだがなかなか入っていけないという人には、まずひとりの哲学者の基本問題をしっかり押さえてみることをすすめます。哲学の問題というのは、みなたいていつながっているものだから。(p.19) わたしの予感のうち、古今の哲学書を読めばいわば「生き方」の「真理」をつかめるのではないか、という予感はみごとに外れた。わたしによく理解できたのは、まず、生き方の最終的な「真理」などというものは原理的に存在しない、ということだった。しかし、その代わりに、哲学が、自分自身に対する自分の了解の仕方を大いに助け、それは生を豊かにするようなものだ、ということもよく受け取れた気がする。つまり、哲学とは、自分を知り自分をよく生かすためのひとつの独自の技術だ、ということが分かったのである。(p.26) 信念の「独我論」を破る条件はただひとつである。それはつまり、自己の信念を他のさまざまな主観のうちに投げ出して、その間で「妥当」を成立させていくプロセスの有無にかかっている。(p.86) カントは哲学の理論的側面については飛び抜けて優れた人だったが、こと人間的側面については、学級委員をずっとつづけてきた人みたいに人生の機微にうとい所がある。「なにがよいことか」ばかりに頭がいって、それがなぜ簡単に実現しないのかについては深く考えが回らないのだ。(p.170) 現在わたしたちの思想の大勢は、この「認識、思想、主体の死」ということを目新しい言葉で難解に語ることがカッコいいというような奇妙な思潮の中にあるといっていい。だが、それは思想の瑣末なシーンにすぎないのである。思想というものは、いつも必ず根本的で原理的な場所を掘り進んでゆくものだ。もしそれができなければ、しまいに思想的努力の意味そのものが枯渇することになるのだ。(p.228)

Posted byブクログ

2009/10/04

西研さんのヘーゲル大人のなり方を読んでこの本を手に取った。哲学というのは難しいイメージがあってなかなか手を出さずに(というか買っても途中で挫折していたが)この本を読んで目からうろこが出るようであった。特にギュデスの指輪と、20世紀の現象学の成果が客観性の虚構性を明らかにしたと言う...

西研さんのヘーゲル大人のなり方を読んでこの本を手に取った。哲学というのは難しいイメージがあってなかなか手を出さずに(というか買っても途中で挫折していたが)この本を読んで目からうろこが出るようであった。特にギュデスの指輪と、20世紀の現象学の成果が客観性の虚構性を明らかにしたと言う項が面白かった。すべての意見は主観であり、その共通項が客観であると言う見解はは思想の興隆・衰退をうまく説明できると考える。

Posted byブクログ

2009/10/04

以前に途中まで読んだ事があるけど、最初から読み直した。 スピノザはとてもいい感じ。私に近いかも。 「神=世界そのもの」は原因と結果の連鎖の必然性の世界であり、我々が自由だと思っているのはただ因果関係に対する無自覚から来るものなんだ、という思想。 フッサールの現象学は方法的独我論の...

以前に途中まで読んだ事があるけど、最初から読み直した。 スピノザはとてもいい感じ。私に近いかも。 「神=世界そのもの」は原因と結果の連鎖の必然性の世界であり、我々が自由だと思っているのはただ因果関係に対する無自覚から来るものなんだ、という思想。 フッサールの現象学は方法的独我論の立場を取り、世界の一切を主観に置き、そのなかで他者との共通の妥当のなかで共同主観的な世界が構築されているんだ、という思想。 私は「世界や秩序・法則と思っているものも個人の主観の認識から生じたものだ」、とは思うが、そこから「自ら秩序・法則性をもった世界が認識の外部に存在しない」とは思わず、「世界は個人の認識と独立して存在し、個人の認識を超えた自らの秩序・法則性を持つ」と思う。

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2009/10/04

うん、まあ、わかりやすいけど、本当にこれでいいのか?と思わずにはいられない胡散臭さもある。竹田青嗣は嫌いじゃないが。

Posted byブクログ

2009/10/04

竹田さんの本は、読み易い。高踏的な物言いを廃し、哲「学」ではなく「哲学」をわかりやすく教えてくれる最良の本。

Posted byブクログ

2009/10/04

哲学を学問にしたとたんつまんなくなる。  自ら学びたい!  面白い!  驚きたい!  考え抜きたい! と思わなければ哲学してるとはいえない。 というスタンスの人だったので、非常に共感をもてる 一冊だった。確かに哲学は仕事には役にたたない。 でも人生をより豊かに生きるにはこれほど...

哲学を学問にしたとたんつまんなくなる。  自ら学びたい!  面白い!  驚きたい!  考え抜きたい! と思わなければ哲学してるとはいえない。 というスタンスの人だったので、非常に共感をもてる 一冊だった。確かに哲学は仕事には役にたたない。 でも人生をより豊かに生きるにはこれほどおもしろい ものはないのだ。

Posted byブクログ