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国境の南、太陽の西 の商品レビュー

3.7

101件のお客様レビュー

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2014/01/06

初めて読んだ村上春樹 不思議な女性像に引き込まれた。 魅了されながらも、理解できず困惑するのは、漱石の女性像に通じる。夢十夜や三四郎の美禰子、彼岸過迄。

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2013/12/10

20131210.すっきりはしない。こんなに人生の大部分を占めるほど人を思い続けることが出来るのかと疑問になる。記憶にはもやもやしたものがたくさんと、くっきりしたものがひとつなのとある気がする。いろんな記憶を辿って僕は苦しかったんだろう。

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2013/09/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この10年ほどの間に、何回か読み返してる。他の作品と比べて、その回数は多い方だと思う。 20代前半に読んだ当初は、島本さんと僕の恋愛の話として読んでたけど、30代になった今は、島本さんのような人をずるく思い、有紀子に自分を重ねるようになっていた。なんだ、普通の不倫の話だったのか。と。それを宿命の相手との切ない恋愛の話として読んでたのは若かったからか。 男からしたら、理想の人、駄目にした人、現実の人、っていう、誰にもそれなりにありそうな3パターンの女性が出てきて、感情移入しやすいと思う。 女からすると、誰かのファムファタルになりたいけど、それは小説の中でしか実現できなくて、過去にはひどい恋愛で損なわれたこともあるけど、現実では結婚して普通の生活をしてる、という、ひとつながりの女の話に読めたのが面白い。 この先の10年で感想がそんなにかわるとも思えないが、また手に取る日を楽しみに 。

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2013/06/02

こういう主人公みたいな人いるよねー・・・っと思った。 彷徨ってしまう事もあるのだろう。それともう一つは、過去にとらわれて生きると辛いんだ、と学びました。

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2013/05/22

今、図書館の予約、”色彩のない 田崎つくると・・”を待ってる、予約は120人になっていてが、でしょうがないので、読んでみました。 1992年のなので、何故かバブリ~”はじめ”にしろ春樹さんにしろ、女性の魅力は内包する死 !でしょうかね。nat kig coleのスターダスト(シャ...

今、図書館の予約、”色彩のない 田崎つくると・・”を待ってる、予約は120人になっていてが、でしょうがないので、読んでみました。 1992年のなので、何故かバブリ~”はじめ”にしろ春樹さんにしろ、女性の魅力は内包する死 !でしょうかね。nat kig coleのスターダスト(シャボン玉ホリデーで聞いた)に、youtobeから、もちろん国境の南を検索したのですが ヴォランティアは、ボランテアの方が、わかりやすいですが日本ご読み嫌いなのかですね。

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2013/05/04

村上春樹は久しぶり。京都の女性にせよ、結婚相手にせよ、島本さんにせよ、自分の求めている相手にここまで確信をもてるというのは一種の才能だ。タイトルがいい。

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2013/04/30

半分まで読んで21年前に読んだ事を思い出しました。当時と今とでは、受け止め方が全然違い、昔読んだ村上作品をまた改めて読んでみたくなりました。最後の文章が秀逸。

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2013/01/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

眠れない夜には、僕はベッドの中でじっと横になったまま、雪の降りしき るあの小松空港のことを何度も何度も何度も思い出した。何度も繰り返 して思い出しているうちに.その記憶が擦り切れてしまえばいいのにと思った。でもその記憶は絶対に擦り切れなかった。それは思い出せば思い 出すほどますます強くなってよみがえってきた。 窓の外には暗い基地と、その下の道路を走り過ぎていく車のヘッドライト が見えた。グラスを手に僕はそんな風景をずっと眺めていた。真夜中と 夜明けを結ぶそれらの時間は.長く暗かった。ときどき、泣くことができれ ば楽になれるんだろうなと思えるときもあった。でも何のために泣けばい いのかわからなかった。誰のために泣けばいいのかがわからなかった。 他人のために泣くには僕はあまりにも身勝手な人間にすぎたし、自分の ために泣くにはもう年を取りすぎていた。 「君を見ていると.ときどき遠い星を見ているような気がすることがある」 と僕は言った。「それはとても明るく見える。でもその光は何万年か前に 送りだされた光なんだ。それはもう今では存在しない天体の光かもしれ ないんだ。でもそれはあるときには、どんなものよりリアルに見える」 島本さんは黙っていた。 「君はそこにいる」と僕は言った。 「そこにいるように見える。でも君はそこ にいないかもしれない。そこにいるのは君の影のようなものに過ぎない かもしれない。本当の君はどこか余所にいるのかもしれない。あるいはも うずっと昔に消えてなくなってしまっているのかもしれない。僕にはそれ がだんだんわからなくなってくるんだ。僕が手を伸ばしてたしかめようとし ても.いつも君は『たぶん』とか『しばらく』というような言葉でずっと体を壊してしまうんだ。ねえ、いつまでこういうのが続くんだろう」 たとえば何かの出来事が現実であるということを証明する現実がある。 何故なら僕らの記憶や感覚はあまりにも不確かであり、一面的なものだ からだ。僕らが認識していると思っている事実がどこまでそのままの現実 であって、どこからが「我々が事実であると認識している事実jなのかを 識別することは多くの場合不可能であるようにさえ思える。だから僕らは現実を現実としてつなぎとめておくために、それを相対化するべつのもう ひとつの現実を一隣接する現実を一必要としている。でもそのべつの隣接する現実もまた、それが現実であることを相対化するための根拠を必 要としている。それが現実であることを証明するまたぺつの隣接した現実があるわけだ。そのような連鎖が僕らの意識のなかでずっとどこまでも 続いて、ある意味ではそれが続くことによって.それらの連鎖を維持する ことによって、僕という存在が成り立っているといっても過言ではないだろ う。でもどこかで.何かの拍子にその連銀が途切れてしまう。すると途端 に僕は途方に暮れてしまうことになる。中断の向こう満にあるものが本当 の現実なのか、それとも中断のこちら側にあるものが本当の現実なの か。

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2012/11/17

前半の独白部分がよい。平凡な人生も村上春樹のモノローグがつけば文学になるんだろうか、と思った。しかし主人公がなぜこんなにもモテる!という気持ちがじゃまをしてくる…。

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2012/11/06

見事な物語。登場人物に、誠意を感じる。あるべき人と人との距離感が描かれている。いまだ文庫本化されていない「海辺のカフカ」を除いて、村上春樹の小説を読破したが、彼は着実にその表現領域を発展させている。それも一作一作。これも学生時代に一度読んだ本だが、その時はどれぐらい内容を理解した...

見事な物語。登場人物に、誠意を感じる。あるべき人と人との距離感が描かれている。いまだ文庫本化されていない「海辺のカフカ」を除いて、村上春樹の小説を読破したが、彼は着実にその表現領域を発展させている。それも一作一作。これも学生時代に一度読んだ本だが、その時はどれぐらい内容を理解したのだろうか?おそらくよく分からなかった故に(経験不足から)、これで村上春樹作品への興味を失ったのだと思う。 P291「僕はこれまでの人生で、いつもなんとか別な人間になろうとしていたような気がする。僕はいつもどこか新しい場所に行って、新しい生活を手に入れて、そこで新しい人格を身に付けようとしていたように思う。僕は今までに何度もそれを繰り返してきた。それはある意味では成長だったし、ある意味ではペルソナの交換のようなものだった。でもいずれにせよ、僕は違う自分になることによって、それまで自分が抱えていた何かから解放されたいと思っていたんだ。僕は本当に、真剣に、それを求めていたし、努力さえすればそれはいつか可能になるはずだと信じていた。でも結局のところ、僕はどこにもたどり着けなかったんだと思う。僕はどこまでいっても僕でしかなかった。…ある意味においては、その欠落そのものが僕自身だからだよ。」ここからラストまで続く、主人公と妻の会話はすごい。クライマックスだ。相手を受け入れていく過程がすっと僕の心にも入ってきた。ここまで苦しんで始めて相手が分かる。

Posted byブクログ