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国境の南、太陽の西 の商品レビュー

3.7

101件のお客様レビュー

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    19

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2012/02/17

ハジメくんと島本さん、から始まり、イズミと会い、その従兄弟と抱き合い、由紀子と結婚する、正しくありたいと思い続けながら、人を傷つけ、でも、ひとにも自分にも正直である。ねじまき鳥のクロニアルの第一部としてかかれたモチーフを切り出して書かれた小説

Posted byブクログ

2012/02/12

ひとりの男の少年時代から中年になるまでを、いくつかの恋愛遍歴を通して描かれる。 少年時代の淡い恋愛。 思春期の情熱を持て余した恋愛 結婚してからの妻との満ち足りた生活。 平穏な生活に突然訪れる、遠い時間へ過ぎ去った恋愛との邂逅。 物語は、主人公の男が恋愛を通じて、自分の中にあ...

ひとりの男の少年時代から中年になるまでを、いくつかの恋愛遍歴を通して描かれる。 少年時代の淡い恋愛。 思春期の情熱を持て余した恋愛 結婚してからの妻との満ち足りた生活。 平穏な生活に突然訪れる、遠い時間へ過ぎ去った恋愛との邂逅。 物語は、主人公の男が恋愛を通じて、自分の中にあった心の飢えと乾きに気づき、それを満たすように過去の恋愛へと引き戻されて行く。。。 現在と失った時間や、日常と非日常。 これらを対比させることで、行き場のない彷徨う心の問題を取り扱っている。 ただ、主人公がのめり込む恋愛対象の女性には、正直魅力を感じませんでした。 ミステリアスで陰がある女性といった人物造形なのだが、一緒にいると疲れるタイプにしか感じませんでした。 また、主人公もワガママすぎて(作品冒頭も自己申告している)感情移入しずらくもありました。 家庭と恋愛で揺れ動く男の迷いを率直に描いているものの、率直すぎて人を傷つけすぎ!といった感じです。 印象に残ったところでいくと、終盤である性描写があるのですが、これがかなり滑稽で、笑ってしまいました。 引っ張って、引っ張っての性描写だけに、脱力でした。 いろいろとノレない部分はあったものの、作品自体の背後にある深遠な意図を感じさせる、主人公が恋愛対象の女性に言った文章があったので、掲載します。 「君を見ていると、ときどき遠い星を見ているような気がすることがある」と僕は言った。「それはとても明るく見える。でもその光は何万年か前に送りだされた光なんだ。それはもう今では存在しない天体の光かもしれないんだ。でもそれはあるときには、どんなものよりリアルに見える」 村上春樹は、恋愛を通して世界の理を表現したり、世界の理を恋愛を通じて感じさせようとしているのかもしれないと感じさせてくれた一文でした。

Posted byブクログ

2012/01/09

 不思議な話だった。怪異現象が起こるわけでもなく、大事件が起きるわけでもない。孤独だけれども女性にはモテるひとりの男性の半生記といえばそれまで。でも、この物語は独特な雰囲気を醸し出している。  人生っていうのは、不思議な出来事の連続で成り立っているのかなと思った。誰の人生であって...

 不思議な話だった。怪異現象が起こるわけでもなく、大事件が起きるわけでもない。孤独だけれども女性にはモテるひとりの男性の半生記といえばそれまで。でも、この物語は独特な雰囲気を醸し出している。  人生っていうのは、不思議な出来事の連続で成り立っているのかなと思った。誰の人生であっても…。

Posted byブクログ

2011/12/15

島本さんは結局、どうして姿を消したのか。それが気になって仕方ない。ハジメくんと島本さんの空気感がスカイクロラの函南と草薙に似てる。

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2011/08/09

『ねじまき鳥クロニクル』を読み返したあとに読んだので、「損なわれる」ことはやはり彼にとって、大きな問題意識なのだとおもう。すき。

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2013/05/06

たぶん男なら誰にでも忘れられへん女性っているんじゃないかな。 主人公に関わる女性が主に3人いるねんけど、 1人目が上記の女性、2人目は高校時代の元カノ、3人目が結婚相手。 話は主人公とその3人の女性とともに進んでいきます。 女性からすると勝手やん!!って言われるかもしれへんけど、...

たぶん男なら誰にでも忘れられへん女性っているんじゃないかな。 主人公に関わる女性が主に3人いるねんけど、 1人目が上記の女性、2人目は高校時代の元カノ、3人目が結婚相手。 話は主人公とその3人の女性とともに進んでいきます。 女性からすると勝手やん!!って言われるかもしれへんけど、 男としては共感できちゃいます。

Posted byブクログ

2011/06/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

個人的には、村上春樹の長編作品の中では一番の作品だと思っています。 ストーリー自体は、ありがちなものの気もします。 現状に対しては不満を抱えていない「僕(ハジメ)」の前に、「島本さん」という少年期に好きだった女性が現れ、彼女への想いを捨てきれないハジメは、彼女の「側」へ行こうと決意するが、突然島本さんは消えてしまう。ざっくりだとこんな流れです。 そんなありがちかもしれないストーリーですが、 本編に登場する印象的なフレーズと、村上作品を支える「文体」、もしくはそこからもたらされる「独自の雰囲気」がもっともマッチした作品だと思います。 男性は(女性はどうかわかりませんが)、なんとなくみんな「島本さん」のような存在を、どこかでひきずっているというか、秘めているような気がします。 それが幸か不幸かはともかく、多くの人が抱えるものを、うまく、素敵に、この作品は「代弁」してくれているような気がします。 都合がよすぎるかもしれませんが、島本さんに対する気持ちも、有紀子に対する気持ちも、全部が本音なんです。男の。

Posted byブクログ

2011/06/08

友達に薦められた1冊だが、私にはこの本の面白さが理解し兼ねる。主人公、島本さんとイズミ、こんなわけ分からん人たちに振り回された経験がないからかも。心の描写は好きだけど、別にこの本でなくても村上春樹であれば味わえる。

Posted byブクログ

2011/05/28

あまり取り上げられない作品かと思いますが、ページ数が少ない中で 村上春樹らしい(と個人的には思っている)喪失感を感じさせる点、 会話でのフレーズも名言が多く、とても印象に残っています。 ☆☆☆☆☆にしようか迷った本作。 敢えての☆☆☆☆。ですが、私の中では村上春樹長編小説上位で...

あまり取り上げられない作品かと思いますが、ページ数が少ない中で 村上春樹らしい(と個人的には思っている)喪失感を感じさせる点、 会話でのフレーズも名言が多く、とても印象に残っています。 ☆☆☆☆☆にしようか迷った本作。 敢えての☆☆☆☆。ですが、私の中では村上春樹長編小説上位です。

Posted byブクログ

2011/04/03

一気読み。ノリノリで読めます。 島本さんとハジメ君 青豆と天吾 のプロトタイプ?? しかし有紀子さんは偉大だなあ 有紀子さんのおかげで一応ハッピーエンドを予感出来ます  今読み返してみると作家って進化するのね~~と つくづく思います

Posted byブクログ