国境の南、太陽の西 の商品レビュー
希望
一人っ子ゆえの欠落を感じる「僕」。仕事の成功と居心地のよい場所を得ても、喪失感を持ったままの「僕」。生きていく、それだけで失うものはある。それでも希望はあるのだろう。この物語のラストのように。
abtm
偶然手に取ったのですが、ハジメくんと同じ年齢でした。そのせいなのか感情の揺れや選択の結果がリアルに感じられ、とてもしっくりきました。 主人公もその他の登場人物も、全く違う立場にいながら似たもの同士だと感じました。みんな死の淵に立っていて、気まぐれに風が吹いたら消えてしまいそう。...
偶然手に取ったのですが、ハジメくんと同じ年齢でした。そのせいなのか感情の揺れや選択の結果がリアルに感じられ、とてもしっくりきました。 主人公もその他の登場人物も、全く違う立場にいながら似たもの同士だと感じました。みんな死の淵に立っていて、気まぐれに風が吹いたら消えてしまいそう。 魅力的な島本さんが、ハジメくんと一緒にいない時、どんな顔をしているのか気になりました。表情がなかったら、と想像してしまいます。 誰かを傷つけても、自分が何かを失っても、間違ったことを選択する人間の性質について考えます。自分もそういう人間だから。
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喪失感とifの物語 バブルの頃の東京感 生きてると こうすれば良かったのか? と思う分岐点がある だけど仮に分岐点で 違う道を選んでいても 結局は同じ所(似た所)に いるんじゃないかなと 私は思ってる 村上春樹さんは読みやすく 人の無意識に働きかけてくる 作品を書く人だと思う...
喪失感とifの物語 バブルの頃の東京感 生きてると こうすれば良かったのか? と思う分岐点がある だけど仮に分岐点で 違う道を選んでいても 結局は同じ所(似た所)に いるんじゃないかなと 私は思ってる 村上春樹さんは読みやすく 人の無意識に働きかけてくる 作品を書く人だと思う ブックオフにて取り寄せ
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小学校のとき、とても仲が良かった島本さん。小学生とはいえお互い惹かれあうような関係だった。しかし中学校以降は二人は、疎遠になり、主人公の僕は、あのころの島本さんを求めつつも、違う人と結婚をしてそれなりに幸せな人生を送っていた。秒速5センチメートルの現実寄りバージョンみたいな感じが...
小学校のとき、とても仲が良かった島本さん。小学生とはいえお互い惹かれあうような関係だった。しかし中学校以降は二人は、疎遠になり、主人公の僕は、あのころの島本さんを求めつつも、違う人と結婚をしてそれなりに幸せな人生を送っていた。秒速5センチメートルの現実寄りバージョンみたいな感じがした。ところが経営しているバーが雑誌にのり、島本さんとの再会が訪れる。幻影のような雨の日にやってくる島本さんが印象的。人との関係や人生のタイミングみたいなものを感じる…
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読みやすかったです。最後まで読んで印象がぐっと良くなりました。色々考えさせられる作品でした。1番思ったのは「現実を生きる」って事についてです。それなりに若い頃からいろいろ経験して今50代の自分ですが、もっと早く読みたかったかも…。 島本さんとの別荘での出来事あたりでは、ひょっとして、すべてハジメの見ている幻覚なんじゃ?疑ってしまいました。それ程幻想の世界に行っちゃってたハジメだけど、今度こそ奥さんと現実の世界で本当の幸せを手に入れてほしいが、ラストの一文を見る限り、揺らぎながらも前進していくって感じかな? まだあまり村上春樹作品読んだことがないので、他の作品もチャレンジしてみたいと思います!!
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何度読んでも霧雨のような静かな悲しみと不思議な寂寥感で頁を閉じる。 でも いつかきっと、またページを開く。
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37歳になった僕は旅先で出会った人と幸せで充実した生活を送っている。 しかし、心の中では小学生の時に仲良しだった島本さんを求めている。 島本さんに逢ってしまってから今の生活に戻れるのだろうか?
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ひとりっ子と兄弟がいるのでは、やはり違った性格になりそう。 長男長女は生まれながらに長男長女なのか。 私は、本人の持って生まれた資質より、育ってきた環境がそうさせる方が大きいと思う。 長男長女らしくない長男長女もいるが、やはり立場が人を作るという気がする。
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好きなところだけ覚えていて、 苦手なところはすっぽり忘れていたけど、 すごいな、こんな現代の太宰みたいな男のことを、 どうしようもなく 読ませるなぁ。 表紙のイラストにあるように、とにかく島本さんとのレコードの思い出が好きだった。 このお話し、実はとても奇妙で、 島本さんや、...
好きなところだけ覚えていて、 苦手なところはすっぽり忘れていたけど、 すごいな、こんな現代の太宰みたいな男のことを、 どうしようもなく 読ませるなぁ。 表紙のイラストにあるように、とにかく島本さんとのレコードの思い出が好きだった。 このお話し、実はとても奇妙で、 島本さんや、イズミ、有紀子、といった女たちの誰かに、思い入れちゃいけないんじゃないかな。 すべてハジメの中から派生してきた人物なんだから。 _みんなどんどん消えていってしまうんだ、と僕は思った。あるものは断ち切られたようにふっと消え去り、あるものは時間をかけて霞んできえていく。そしてあとには砂漠だけがのこるんだ。_
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相手も自分も損なって、でもその時はそうするしか考えられなかった主人公の悲しみ。 悲しみや虚しさがしっとりと心に沁みてくる。
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