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第三の嘘 の商品レビュー

4.2

18件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    9

  3. 3つ

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2026/04/17

『悪童日記』、『ふたりの証拠』に続く三作目です。時代はおそらく、ベルリンの壁の崩壊後。語り手である二人は五十代になり、物語は両親と四人暮らしだった頃の回想にまで及びます。 二部構成になっていて、第一部は国外に亡命したクラウスの回想。かと思って読み進めましたが、三作通して一番翻弄...

『悪童日記』、『ふたりの証拠』に続く三作目です。時代はおそらく、ベルリンの壁の崩壊後。語り手である二人は五十代になり、物語は両親と四人暮らしだった頃の回想にまで及びます。 二部構成になっていて、第一部は国外に亡命したクラウスの回想。かと思って読み進めましたが、三作通して一番翻弄されたのがこの第一部でした。 矛盾の連続(意図的なもの)で、人物相関も頻繁に変わり、何を拠り所に読めば良いのかまったく分からなくなります。双子は実は一人で、リュカは存在しないのではないかとたまらなくさみしくもなりました。 第二部では、双子が離ればなれになったいきさつが明かされます。ここまでのストーリーの地盤になるかはとても怪しいですが、きれいに伏線回収されていると思います。 二作目の『ふたりの証拠』からずっと感じていたのは、孤独でした。リュカもクラウスも、親しい人々に囲まれながら、手に入らない何かをずっと探しているような、さ迷っているような雰囲気でした。 そのさみしさの根元にあるのはきっとこれなのかな、と思う一文が、作者へのインタビュー資料としてあとがきで紹介されていました。 「この小説であらいざらい述べようとしたのは、別離祖国との、母語との、自らの子供時代との別離―――の痛みです。私はハンガリーに帰省することがありますが、自分に親しいそうした過去のなごりはいっさい見出すことができません。自分の場所はどこにもないという気が、つくづくします」(あとがき) 「自分の場所はどこにもない」感覚が、リュカとクラウスにつきまとっていたように思います。 一作目の『悪童日記』からの一気読みでしたが、まだまだこの物語を読み足りない感覚です。トルストイやドストエフスキーの大河小説のように、もっと長かったらと心底思います。

Posted byブクログ

2025/09/01

だいぶ前に読んだ。 色んな小説を読んだ今となっては、思いや感想など全然変わるかもしれないが、当時の私にとっては、 最高の1番の一冊になった。 衝撃的で、スラスラ読めて読み終わるまで寝れないほど。 3部作の中では悪童日記が1番最高だった。 2人の成長が書かれている。 この3部作は最...

だいぶ前に読んだ。 色んな小説を読んだ今となっては、思いや感想など全然変わるかもしれないが、当時の私にとっては、 最高の1番の一冊になった。 衝撃的で、スラスラ読めて読み終わるまで寝れないほど。 3部作の中では悪童日記が1番最高だった。 2人の成長が書かれている。 この3部作は最高だった!

Posted byブクログ

2025/04/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

悪童日記シリーズ三部作の最後の作品。 この本がシリーズ全編のネタバラシのようなもので、これを読むことで前作「ふたりの証拠」の謎が解ける。 時系列順に整理すると、まずリュカとクラウスという双子がいたのは事実。 ただし、その育ち方は「悪童日記」「ふたりの証拠」とは大いに異なる。 悲劇は、双子の父親が浮気相手と一緒に暮らしたいからと双子の母に別れを告げたことから始まる。 双子の母親は、それが許せずに父親に銃を撃った。 父親は死に、流れ弾が4才のリュカに当たる。 リュカは脊髄を損傷し、治療のために入院する。リュカはリハビリのために転院→転院先で爆撃→疎開→「おばあちゃん」(おそらく肉親ではない)の家に(以下「悪童日記・ふたりの証拠」のネタ元)→「おばあちゃん」の家が国に取られ、出ていかなくてはならなくなる→見知らぬ男を地雷の犠牲に、隣国へ(この際、名前を「クラウス」に偽装)→隣国で色んな仕事をする→病気で余命わずか、最後に生まれた国で死にたいと元の国へと帰る という転機を辿る。 つまり、「ふたりの証拠」の最後の入国許可が切れた「クラウス」は名前を変えた「リュカ」であったのだ。 「悪童日記」「ふたりの証拠」はおそらく、リュカ(偽名クラウス)によって書かれた架空の物語である。 母親に撃たれたために脊髄を損傷したことも、母親が一度も会いに来てくれなかったのも、疎開して「おばあちゃん」の家で働かないといけないことも全て辛かったため、「もしも双子の兄弟が一緒にいてくれたら」という創作で自分の心を守っていたのではないだろうか。 そして最後に、双子の兄弟である本物の「クラウス」に会おうとしたが、クラウスはリュカに冷たく当たる。自分の兄弟としても認めてくれなかった。 クラウス側にも事情があった。 双子の母親は父親を撃ち殺し流れ弾が子どもにあたったことで精神を病んでしまい、入院していた。 4歳のクラウスはというと、父親の浮気相手に引き取られていた。クラウスは最初は自分を引き取って育てたのが浮気相手だと知らなかったが、やがて知ってしまう。 クラウスは父親の浮気相手と、浮気相手が産んだ異母兄妹、サラといっしょに暮らしていた。 クラウスは入院している母親に会いに行ったこともあったが、母親は精神を病んでいることもあり、クラウスではなくリュカに会いたいとそればかりだった。 サラは初恋相手だったが、異母兄妹ということもあり、その恋は実らず、クラウスは浮気相手の家を出て、母親を引き取って元々住んでいた家で暮らすことになった。 クラウスは母親のために働き、献身的に介護をしていたが、母親は「リュカが生きていればお前よりも優れていた」と酷い言葉を浴びせるのみ。 サラはいつの間にか結婚していた。 そんな中、リュカから「会いたい」という電話が来たのだ。 クラウスからすれば、もしもリュカと母親が会い、クラウスよりもリュカをちやほやする母の姿を見てしまったら、とても耐えられないと思ったのかもしれない。 そこで母にも会わせず、冷たく振る舞い追い出した。 簡単に言ってしまえば、戦争が産み出した悲劇の物語であるが、そこには「書くこと」への希望、慰めがあるような気がする。 架空の双子との話を書いて耐えてきたリュカもそうだが、クラウスも、趣味として書いていた詩が評価され、リュカが訪ねてくるころには詩人としても評価されている。 リュカはノートを書き溜めていただけで評価されているわけではないが、評価されていても、されていなくても、書くことはそれぞれの双子にとって、辛い現実を生き抜くための手段になっていたのかもしれないと思わされた。

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2024/01/23

『ふたりの証拠』よりも、これはいつの誰?という戸惑いが長かった。 本作が種明かしになるどころか、真実と嘘がより一層混じり合ってしまった。 アゴタ・クリストフの自伝的要素が入っているがゆえに、嘘は真実であり、真実は虚構。 とても完結篇にふさわしい内容だったとは思えないが、読後...

『ふたりの証拠』よりも、これはいつの誰?という戸惑いが長かった。 本作が種明かしになるどころか、真実と嘘がより一層混じり合ってしまった。 アゴタ・クリストフの自伝的要素が入っているがゆえに、嘘は真実であり、真実は虚構。 とても完結篇にふさわしい内容だったとは思えないが、読後はこの物語から抜け出すのにふさわしい虚脱感があった。

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2023/01/23

悪童日記三部作完結。クラウス、リュカ。双子の名前が明らかになる。ふたりは再会する。第三の嘘というタイトルなので、真実は全て語られていないのだろうか。

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2020/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これまでの2作は何だったの……? 離れ離れになった方も孤独だったけど、残った方も同じように孤独だったんだ。 憎むべき相手が分かっているだけ、いない方と比べられてけなされるだけ、残った方が辛いのかな。 とにかくすごい物語だった。夢中で読んだ。

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2015/03/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

うーん、結局訳がわからかった。 「悪童日記」も「ふたりの証拠」も作品だったということなのか? クラウスを名乗っていたリュカ、 母の撃った弾丸でケガをし、病院への爆撃を逃れ、 農婦に預けられ、国境を越えて国外で生活していたリュカの作品なのか? どこまでが事実か、どこまでが創作なのか、 なにが真実なのか、なにが嘘なのか。 それとも、すべてが創作ですべてが嘘なのか。 いずれにしても、大変面白い作品だった。

Posted byブクログ

2013/08/07

(1999.10.18読了)(1999.10.10購入) (「BOOK」データベースより)amazon ベルリンの壁の崩壊後、初めて二人は再会した…。絶賛をあびた前二作の感動さめやらぬなか、時は流れ、三たび爆弾が仕掛けられた。日本翻訳大賞新人賞に輝く『悪童日記』三部作、ついに完結...

(1999.10.18読了)(1999.10.10購入) (「BOOK」データベースより)amazon ベルリンの壁の崩壊後、初めて二人は再会した…。絶賛をあびた前二作の感動さめやらぬなか、時は流れ、三たび爆弾が仕掛けられた。日本翻訳大賞新人賞に輝く『悪童日記』三部作、ついに完結。 ☆関連図書(既読) 「悪童日記」アゴタ・クリストフ著・堀茂樹訳、早川書房、1991.01.15 「ふたりの証拠」アゴタ・クリストフ著・堀茂樹訳、早川書房、1991.11.15

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2013/05/25

2013.5.25読了。 凄まじいエンディング、ゾッとして、ホッとして、彼ら双子と共に終焉を迎える。

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2013/02/22

読み終えた後に、空しさと悲しさを感じる一冊でした。 前作の2つがかなり衝撃的な内容とラストだったということもあり、今作は静かだけど主人公の双子それぞれに人間味が加味され全く違った印象の内容でした。 四歳の時の事故や戦争が原因で、リュカは想像の中で双子のクラウスと生活し、クラウス...

読み終えた後に、空しさと悲しさを感じる一冊でした。 前作の2つがかなり衝撃的な内容とラストだったということもあり、今作は静かだけど主人公の双子それぞれに人間味が加味され全く違った印象の内容でした。 四歳の時の事故や戦争が原因で、リュカは想像の中で双子のクラウスと生活し、クラウスはリュカはもう死んだものだと思いながら生きていた——しかし、一時期本当に同じ街に住んでいた...という読者だけが知り得る悲しい現実。 戦争を知らない世代なので、どう頑張ってもその辛さを完全に理解することは不可能だと感じていますが、それでもこの本を通して、戦争によって人々が精神的にも肉体的にも蝕まれ、ある人は現実と想像を混同して言わば自己防衛のようなことをしたり、完全に精神を病んでしまったりといった辛い実態に触れることが出来た気がします... ずっとクラウスに会うことを望んでいたリュカのとった最後の行動と、その後のクラウスの「列車。良い考えだな。」というたった一文に悲しさのみならず背筋がゾッとしました。 戦争を経験していないからこそ、この本は読むべきものなのではないかと個人的に思いました。

Posted byブクログ