第三の嘘 の商品レビュー
もう、結局「彼ら」は一人なのか二人いるのか、どんどんわからなくなる…。でもここで、すべてがつながる。(すべて、というのは正しくはないかもしれないけど…)ここでの語り手は「クラウス」だ。クラウスの中には、リュカがいて、マティアスがいる。そして最後にもう一人のクラウスの登場。私が想像...
もう、結局「彼ら」は一人なのか二人いるのか、どんどんわからなくなる…。でもここで、すべてがつながる。(すべて、というのは正しくはないかもしれないけど…)ここでの語り手は「クラウス」だ。クラウスの中には、リュカがいて、マティアスがいる。そして最後にもう一人のクラウスの登場。私が想像していたオチとは違った。最初から最後まで、胸が痛くなる苦しい物語だった。けど、読み始めると止らない。どこまでは本当でどこまでが嘘か。でも終いには何が嘘で何が本当かなんてどうでもよくなる。物語に委ねるだけだ。 これで一応三部作として終わるようだ。私としてはやはり一作目「悪童日記」の衝撃が一番強かったけれども、前評判通り、二作目、三作目も決して期待を裏切らない出来だった。近年の中でもっとも印象的な作品のひとつだった。(2000 Feb)
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ふたりの証拠から橋渡しされた展開は、双子のふたりの現実を描き出していく方向へ。読み終わって気付いたのが、タイトルは第三の嘘、思わず、にやり。 空想と現実の境目を取り払われてしまったような読後の感覚。ありそうな空想というのはよくある事だ。真実を歪めて記憶しているなんて事は、よくあ...
ふたりの証拠から橋渡しされた展開は、双子のふたりの現実を描き出していく方向へ。読み終わって気付いたのが、タイトルは第三の嘘、思わず、にやり。 空想と現実の境目を取り払われてしまったような読後の感覚。ありそうな空想というのはよくある事だ。真実を歪めて記憶しているなんて事は、よくある事だ。自分の記憶の中にある現実とは、空想のひとつに過ぎないのかもしれない。自分が現実だと思っている事は、どこまでが事実でどこまで空想なのだろうか。そんな想いが頭を過る。
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三部作ですが、『悪童日記』のまま終わっても良かったのでは、と思わないではない。でもそれは単に美貌の双子(と若さ)に勝るものはない、ということなのかも知れない。
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著者のペンのスピードは速い。 自らついていこうとはするが、うっかりすると乗り遅れてしまう。 悪童日記、ふたりの証拠につづく第三作目である。双子の兄弟の行く先が明らかになる。 どこからが真実で、どこからが嘘か。 どこからが、リュカの話なのかクラウスの話なのか。 しっか...
著者のペンのスピードは速い。 自らついていこうとはするが、うっかりすると乗り遅れてしまう。 悪童日記、ふたりの証拠につづく第三作目である。双子の兄弟の行く先が明らかになる。 どこからが真実で、どこからが嘘か。 どこからが、リュカの話なのかクラウスの話なのか。 しっかりと追わないと、混乱するだろう。 双子の兄弟の再会。もっと早く会えたらよかったのに。
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