時計坂の家 の商品レビュー
これは児童書という括りでいいのか?と思わせる一冊。12歳って子どもだけれど、大人の入り口を覗ける年頃。ファンタジーの設定はワクワク感しっかり、おじいさん、リサさん、映介、マリカとの関係性はそれぞれグッとくるポイント満載。 すっかりファンタジーを純粋に楽しめなくなった老齢の私、読ん...
これは児童書という括りでいいのか?と思わせる一冊。12歳って子どもだけれど、大人の入り口を覗ける年頃。ファンタジーの設定はワクワク感しっかり、おじいさん、リサさん、映介、マリカとの関係性はそれぞれグッとくるポイント満載。 すっかりファンタジーを純粋に楽しめなくなった老齢の私、読んでいる間のこの多幸感は本当に久しぶり。楽しかった!
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『ナルニア』シリーズの、タンスから別の世界へ。に少し触れていたところ、後半だったけどワクワクが止まらなくなった。 時計が勝手に開いて花の形になるなんて、なんて素敵なんだろう! 大好きな『十一月の扉』もそうだけど、両親の元を離れている時に何かが起きて、そのできごとがあまりにも素晴...
『ナルニア』シリーズの、タンスから別の世界へ。に少し触れていたところ、後半だったけどワクワクが止まらなくなった。 時計が勝手に開いて花の形になるなんて、なんて素敵なんだろう! 大好きな『十一月の扉』もそうだけど、両親の元を離れている時に何かが起きて、そのできごとがあまりにも素晴らしい経験で、高楼さんの作品にはいつもうらやましさも残る。 ミステリー的なところもあり、大人の事情みたいなことにも少し触れて、こうして子どもは成長するのね、と思った。 本当に、高楼さんの作品は好きすぎる。
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-12歳のフー子は、疎遠だった従姉妹のマリカから手紙をもらい、母方の実家の汀館(ミギワダテ)で1人夏休みを過ごす事になる。母は実家には寄り付かない。実家は祖父とお手伝いのリサさんの二人暮らしで、二人とも感じは悪くないが気さくさに欠けた。 祖父の家に着く時、フー子は祖父の家のすぐ側...
-12歳のフー子は、疎遠だった従姉妹のマリカから手紙をもらい、母方の実家の汀館(ミギワダテ)で1人夏休みを過ごす事になる。母は実家には寄り付かない。実家は祖父とお手伝いのリサさんの二人暮らしで、二人とも感じは悪くないが気さくさに欠けた。 祖父の家に着く時、フー子は祖父の家のすぐ側にある時計台から熾天使が現れるのをみる。 祖父の閉じられたドアに掛けられた懐中時計が鳴り出して、フー子はドアを開けた。外には異世界が広がっていた。フー子はその世界に魅了されていく。マリカのいとこの映介とフー子は、祖母の失踪とその異世界からの秘密を探っていく。
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やぁ!いい本だ。12歳真夏の大冒険ですよ!いろいろな人が良い本だと言って薦めるわけだ。階段先のパラレルワールドでドキドキしましょう。
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魅力に惹きつけられ、自身の欲望を思うがままに追いかけることの陶酔感と危うさが幻想的に描かれる。それを「善しとしない」厳しさと優しさにも、悲しみは影を落とす。何を求め、どの立場をとることが最悪や最善ということはない。 でも、この世界に君がいること、この世界に君といることの代価となる...
魅力に惹きつけられ、自身の欲望を思うがままに追いかけることの陶酔感と危うさが幻想的に描かれる。それを「善しとしない」厳しさと優しさにも、悲しみは影を落とす。何を求め、どの立場をとることが最悪や最善ということはない。 でも、この世界に君がいること、この世界に君といることの代価となるものはない。 憧れに耐えるというフー子の選択は、夏の終わりを予感させる。次に来る夏は、きっと、この夏とは違う季節なのだろう。
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とってもドキドキした!!! 海外のファンタジーのようなちょっとした不気味さと、少しミステリー要素のあるような、それこそフー子のように闇に引きずられてしまうような、そんな感覚。ちょっと怖い。
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ジプシー、魔術、秘密の園、旅先の地などなど憧れが詰まった本。 ミステリーでもあり、ファンタジーでもあり、読み終えたら深い満足感。
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最初は読みづらくて。主人公のフー子ちゃんの気持ちの揺れ具合か生々しく、うろついた末にうずくまってしまうような後向きな加減がヤキモキした。 映介くんが出てきた頃から話が転がり出し、フー子ちゃんにも動きが出始める。磁力に惹かれるがごとく、モヤモヤの欠片がフー子ちゃんと映介くんに目掛け...
最初は読みづらくて。主人公のフー子ちゃんの気持ちの揺れ具合か生々しく、うろついた末にうずくまってしまうような後向きな加減がヤキモキした。 映介くんが出てきた頃から話が転がり出し、フー子ちゃんにも動きが出始める。磁力に惹かれるがごとく、モヤモヤの欠片がフー子ちゃんと映介くんに目掛けて集まり始める。 得体のしれない話の断片が、他からやってきた情報を加味すると現実味をぐっと増す。推理小説のようなスリル感さえかもし出している。
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もう、高楼方子さんって、児童小説なのにヒーローとかヒロインが登場して、助けてくれる大人がいて、不思議なことにも何となく理由がある普通の物語じゃなくって、子供時代に誰もが体験した、それでもって恥ずかしくて忘れてしまいたいような感情を、見事に思い出させてくれて、正直「まいった!」と思...
もう、高楼方子さんって、児童小説なのにヒーローとかヒロインが登場して、助けてくれる大人がいて、不思議なことにも何となく理由がある普通の物語じゃなくって、子供時代に誰もが体験した、それでもって恥ずかしくて忘れてしまいたいような感情を、見事に思い出させてくれて、正直「まいった!」と思うような物語を書くんですよね~ 自分が主人公じゃなくって、脇役なんだと思い込む、自信のないフー子にすっごく感情移入できる~ じれったいというか、恥ずかしいというか、落ち込んだり浮かれたり、いらぬ心配に小さな胸を痛めたり、電話をかけるだけでドキドキしたり、あぁ、もう! 全部身に覚えがあるよ~(苦笑) 夏休みに読むにはピッタリ!! どこか「不思議の国のアリス」や「ナルニア国物語第一章」を思い出しました。 あと梨木香歩さんの「裏庭」とか。 面白かった♪
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小学生のフー子は、いとこの誘いで行ったおじいさんの住む時計坂の家で、不思議な庭を見つける。それはおばあさんの秘密につながる冒険の始まりだった… なんだか心がじんわりする文章でした。 そして、久々にわくわくしました。 近頃の派手なファンタジーにはない、でもこれぞ児童書っていう感じ...
小学生のフー子は、いとこの誘いで行ったおじいさんの住む時計坂の家で、不思議な庭を見つける。それはおばあさんの秘密につながる冒険の始まりだった… なんだか心がじんわりする文章でした。 そして、久々にわくわくしました。 近頃の派手なファンタジーにはない、でもこれぞ児童書っていう感じの正統派ファンタジー! フー子のほのかな恋心も微笑ましい気持ちがしました。 面白かったです。
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