時計坂の家 の商品レビュー
従姉妹・マリカに呼ばれてやってきた、母方の実家。その家で、フー子は不思議な時計に遭遇します。錆びて開かない懐中時計が開き、花に変化すると、その奥から不思議な花の迷路が姿を現すのです。この時計と迷路は一体なんなのでしょう。 誰もが持っている、「怖いけれど惹かれる、美しいからこそ怖い...
従姉妹・マリカに呼ばれてやってきた、母方の実家。その家で、フー子は不思議な時計に遭遇します。錆びて開かない懐中時計が開き、花に変化すると、その奥から不思議な花の迷路が姿を現すのです。この時計と迷路は一体なんなのでしょう。 誰もが持っている、「怖いけれど惹かれる、美しいからこそ怖い」という感覚。このお話は、その感情を軸に動いているのでしょう。
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12歳の少女の夏休みの出来事。「トム〜」と似た状況設定ですが、また違ったわくわく感が楽しめます。とにかく舞台設定が素敵で幻想的。
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高楼方子の中では一番好き。 ファンタジーの入り口くらいのリアルさ?と独特の薄暗い雰囲気がある。少女の想いも昔の気持ちを思い出させるようできゅんとするw
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この本は私の人生を変えました。 読みたいのはこういう本なんだ! 夏休み、不思議な空とぶ庭園、きれいな従姉妹、謎の異邦人。 私って結構夢見る乙女やなぁ・・・
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何度も何度も読んだ本。 私が昔住んでいた家にも開かずの扉があった。それを開けると階段があり、大家さんの家に続いていた。 絶対に開けてはならないけれど、その暗い空間は私の想像を掻き立てるのに十分の吸引力を持っていた。 ある日勇気を出して登っていく。そこには赤い絨毯と古い人形と家具が...
何度も何度も読んだ本。 私が昔住んでいた家にも開かずの扉があった。それを開けると階段があり、大家さんの家に続いていた。 絶対に開けてはならないけれど、その暗い空間は私の想像を掻き立てるのに十分の吸引力を持っていた。 ある日勇気を出して登っていく。そこには赤い絨毯と古い人形と家具があり、急に怖くなって引き返した。 そんな記憶と共に、この本は私の心に引っ掛かっている。 鉛筆書きの絵と相俟って、アリスの女王の庭のように、整然としながらも妖しい異世界にぐいぐいと引き込まれ、くらくら眩暈がする、そんな秀作だと思っている。
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千葉史子 絵 何度体験しても、慣れるということのないできごとが あるとしたら、これもそのひとつだった。 言いようのない不可思議さに、初めてのときと同じ眩暈を覚えるのだ。 そしてやがて、目の前に、ぼんやり、ぼんやり、 緑色の景色があらわれる。 牡丹色の霞の中から、...
千葉史子 絵 何度体験しても、慣れるということのないできごとが あるとしたら、これもそのひとつだった。 言いようのない不可思議さに、初めてのときと同じ眩暈を覚えるのだ。 そしてやがて、目の前に、ぼんやり、ぼんやり、 緑色の景色があらわれる。 牡丹色の霞の中から、ふうわり、ふうわり、立ちあらわれてくるのだ。 (見返しより) 12歳の夏休み、母方の祖父の住む汀館でフー子に起こった不思議なできごとのお話。 押し寄せ流されてゆく現実の中に、ぽっかりと口を開けた魅惑的な異世界。 今はなき祖母の謎と、時計細工の技師であり魔術師でありPOM(ロォム)と呼ばれた謎のロシア人チェルヌイシェフに迫るほどに、解き明かされ また一層謎に包まれる裏庭のその場所。 生まれながらにして見られる者と、それをじぃっと見つめる者。 魅惑的な園の主としてふさわしいのは・・・。真実に気づくのは、フー子が汀館を離れたあとだったのだが、そのことはきっとたしかに彼女を強くしたことだろう。 千葉史子さんの挿絵が物語の世界へするりと自然に誘ってくれる。
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汀館と言う架空の街(おそらくモデルは函館)がとても素敵です。素敵なものに心が奪われてならない主人公に共感する女の子が多いはず。
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