ことばの食卓 の商品レビュー
武田百合子さん独特の…
武田百合子さん独特の口調で綴られた、食べ物に関するエッセー。ノスタルジックさと残酷さを感じる。一番最初の、夫泰淳の思い出の話は何度読んでも号泣。
文庫OFF
戦争中の話なのだろうか? 暗くて怖い。 そんな印象だった本。 食べ物にまつわる思い出というか、 思い出には食べ物がセットで残ってるというか、 表現しようのない感情が、ふやふやと浮かんでいる。 いつか再読したら、 違う感想が生まれるかもしれない。
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戦前戦中戦後を、食卓に並ぶ料理や菓子を通じて描いたエッセイ集。 湿度の高い文章だが文体はあっさりとしている。 人々の湿度や温度、戦前戦後の町の薄暗さ、夏場の耳鳴りのような蝉の声が聞こえるようだ。それらの光景の中で、著者はいつもうんざりしている。 特に著者へ性的な思いを持つ男達の...
戦前戦中戦後を、食卓に並ぶ料理や菓子を通じて描いたエッセイ集。 湿度の高い文章だが文体はあっさりとしている。 人々の湿度や温度、戦前戦後の町の薄暗さ、夏場の耳鳴りのような蝉の声が聞こえるようだ。それらの光景の中で、著者はいつもうんざりしている。 特に著者へ性的な思いを持つ男達の息遣いは冷静に書いてある。 人間は呼吸をして生きている。湿度があり、温度が感じられて、少しずつ死臭の混じる息を吐きながら。若かろうが人間は死に歩みを進めながら生きている。呼吸を止めれば人間は死ぬ。 著者は食の思い出を通して、彼等の生きた証を残している。いつも何処かうんざりしながら。 それに引き換え、娘を描く文章はカラッとしたもので、一冊の中でもずっとじめじめした空気が続く訳でもなくバランスが良い。 書店の文庫フェアで手に取ったが思わぬ掘り出し物だった。一冊が薄いため読みやすい……と言いたい所だが、古い漢字が読めない人には難しいくだりもあるかもしれない。 あなたは読めますか、枇杷。
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最初の『枇杷』が良かったんだけれど、続くものは自分の子供だった時代のものが多くて、ちょっとピンと来なかった。 けれど、再読を始めて、読み方を意識して変えてみたらいい感じにアジャストできてきた。
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食べ物にまつわる真摯な回想とシュールレアリズム風なイラストを合わせたエッセイ集。元は作品社から出版されただけあって洗練された雰囲気を醸し出している。文庫本ではなく単行本で欲しいたぐいの本。実は武田百合子作品を読んだのもはじめてで、野中ユリ氏の不思議なイラストの雰囲気と、独特に鮮や...
食べ物にまつわる真摯な回想とシュールレアリズム風なイラストを合わせたエッセイ集。元は作品社から出版されただけあって洗練された雰囲気を醸し出している。文庫本ではなく単行本で欲しいたぐいの本。実は武田百合子作品を読んだのもはじめてで、野中ユリ氏の不思議なイラストの雰囲気と、独特に鮮やかでフラットな文章に没入してしまった。 とにかく言い回しが上手い。良いとか悪いとか、分かりやすくまとめきれない現実を自分の目で見たまま描いていて、それがとても詩的であり同時に不気味さを残す。例えば飼い犬「ジョンや」が出刃包丁を背中に立てたまま坂道を登ってくる所など、自分はもう驚きすぎて10回くらい読み返してしまったが、文章には犬への同情とかちょっとした事件への驚きとか、そういった収まりのつく普通の心情はどこにもなくて、道端で変なものを見つけてしばらくじっと見た子供が夕飯の頃にはすっかり忘れてるような調子で書いてある。そのフラットさにすご味を感じる。こういう文章は書こうと思ってもなかなか書けない。 積読にしている『犬が星見た』も読もう。
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食べ物にまつわる昔の思い出は、今は亡き人を蘇らせるようで、とても静かな気持ちになる。 牛乳配達人や、箱に入った森永キャラメル、アルミニウムのお弁当箱など、作者の子どもの頃の記憶がとても鮮明に綴られていることに驚かされます。 そして、話題は食べ物のことだけにとどまらず、誠実亭という...
食べ物にまつわる昔の思い出は、今は亡き人を蘇らせるようで、とても静かな気持ちになる。 牛乳配達人や、箱に入った森永キャラメル、アルミニウムのお弁当箱など、作者の子どもの頃の記憶がとても鮮明に綴られていることに驚かされます。 そして、話題は食べ物のことだけにとどまらず、誠実亭という鰻屋でアルバイトをした時のことや、娘と入ったオムレツ専門店のことなど、語り口が妙にさばさばとしていて、話の展開が意外すぎてつい笑いが込み上げてしまいます。 独特な世界を醸し出している、飾り気のない、自由奔放なエッセイ。 圧倒的な存在感を感じます。
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全体的にどことなく 漂う不穏な空気感 時々ぱあっと鮮やかに 色のある映像が 浮かんで来る時があった シュールレアリズムぽい感じ サンデービルヂングマーケット内 booksvictorにて購入
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文体から滲み出る品性や可愛らしさに対して、内容は意外とシニカルな対比がおもしろい。 挿絵の感じが凄く好き。だけどこの話からなぜその挿絵になったのか全然わからない。でもその掴めない感じが作品の雰囲気を壊さず良い。
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エッセイが好きだからこれすごい良かった〜 まっすぐでぼんやり、ちょっとシュルレアリスムぽいところもあり、観察力すごい 終わり方がどれも良い
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戦中戦後の著者のなにげない日常が書かれたエッセイ。各章それぞれに食べ物が出てくるが、決して美味しそうではない。 もともとエッセイやノンフィクションがやや苦手(以前雑誌か何かで紹介されていて気になって読んだ)な上、教養が足りず、あまり面白くはなかった。でも、この時代を知らない私でも...
戦中戦後の著者のなにげない日常が書かれたエッセイ。各章それぞれに食べ物が出てくるが、決して美味しそうではない。 もともとエッセイやノンフィクションがやや苦手(以前雑誌か何かで紹介されていて気になって読んだ)な上、教養が足りず、あまり面白くはなかった。でも、この時代を知らない私でも情景が思い浮かぶぐらい描写が分かりやすく、「後楽園元旦」は少し面白かった。
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