ことばの食卓 の商品レビュー
実は、イラストからの購入だったのですが、思いのほか楽しんで読みました。野中ユリさんの画は文庫本の大きさより大きい画の方が良かったです。 残念な事は、車内にて最後を読んでいたら隣にタバコ臭い人が座って来て集中出来なかった事です。
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たべものにまつわるエッセイなのですが、とても個性的。一言で表すと、不気味。 表現の仕方は独特なのだけど、感性や感覚自体は著者独特のものではなく普遍的なもののような気がします。だから、また読みたくなる。不気味だからってこわいもの見たさにやみつきになる感じとはちょっと違う。 なんか...
たべものにまつわるエッセイなのですが、とても個性的。一言で表すと、不気味。 表現の仕方は独特なのだけど、感性や感覚自体は著者独特のものではなく普遍的なもののような気がします。だから、また読みたくなる。不気味だからってこわいもの見たさにやみつきになる感じとはちょっと違う。 なんかうまく言い表せないけどそんな感じでした。 ノシタルジーな一冊でした。
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武田百合子という人は、「記憶の味わい方」を教えてくれる。感傷にひたったりすることなく、過去を振り返っている姿勢。記憶との適正距離を知っているのだなぁと、しみじみと思う。
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食べものに関する記憶についての随筆、ということだけれど、食べ物だけでなく病気や死、老いも一緒に綴られている。牛乳やオムレツ、雛祭りのご馳走の描写の間にげろ、月経、便壺といった単語がでてきてややひるむ。そしてまた読みたくなる。
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武田百合子氏の書く文章はいつも無防備で魅了される。 何気ない日常の坦々とした描写と感想は無垢で、そして残酷である。 読み進めるごとに読み手の心を"ふるふる"とふるわせる。 そんな不思議な感覚を持つ文才を時としてうらやましいと思う。
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読みたい。 近所に売っていないものか… と思ったら、普通に本屋さんに売っていました。 字が大きいし、行間が空いている。 イラスト付き。 年配者向けなのかなと思ったけれど、中公文庫の著書に比べると、中身が少ない気がして(上げ底というか)何だか損した気分… ただでさえ筑摩は高い。...
読みたい。 近所に売っていないものか… と思ったら、普通に本屋さんに売っていました。 字が大きいし、行間が空いている。 イラスト付き。 年配者向けなのかなと思ったけれど、中公文庫の著書に比べると、中身が少ない気がして(上げ底というか)何だか損した気分… ただでさえ筑摩は高い。 しかし、流行ものでない本を出版する所は貴重なので、ここは文句を言ってはいけないところだろう。 読み終わった。 文章に集中していると、挿絵があってもスルーしがちなのでもったいない気がする。 『富士日記』が良い意味で素人の日記だとすれば、この本の文章はエッセイとして完成されている気がします。 人に読まれることを前提として書かれている文章だ。
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1981年から83年にかけて書かれたエッセイ。 決して意図的に気取っているわけではない、当たり前の言葉の数々が、武田百合子にかかると驚くほどイキイキと、お洒落に、独特の質感を伴ったものになる。 擬音のセンスも一風変わっているし、立ち並ぶ桜の木の下に立ったときのことを「桜色した天の...
1981年から83年にかけて書かれたエッセイ。 決して意図的に気取っているわけではない、当たり前の言葉の数々が、武田百合子にかかると驚くほどイキイキと、お洒落に、独特の質感を伴ったものになる。 擬音のセンスも一風変わっているし、立ち並ぶ桜の木の下に立ったときのことを「桜色した天の網をかぶせられ」と表現するセンス、いいなあ! 言い回しや文脈の繋げかた、句読点を打つ場所、どれをとっても個性が横溢していて、でも独りよがりじゃなく、平易で、するすると身体の中に入り込んでくる感じ。 傑作。
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すっかり小説だと思って読んでいましたがエッセイでした。うわぁ…。 時に美味しそうに、時にとても不味そうに。食べ物の事が綴られていたり、ふと気づいたらあぁここに食べ物出てたわと思わされたり。 よく考えたら食卓とか食べ物とかって、生きるために欠かせない事のはずなのに、このエッセイには...
すっかり小説だと思って読んでいましたがエッセイでした。うわぁ…。 時に美味しそうに、時にとても不味そうに。食べ物の事が綴られていたり、ふと気づいたらあぁここに食べ物出てたわと思わされたり。 よく考えたら食卓とか食べ物とかって、生きるために欠かせない事のはずなのに、このエッセイにはどこかしらに必ず死の臭いが感じられた。多分それは時代背景があるからだろうし、食べるという事には生きるという事、そして生きる事には死ぬという事がまとわりついて離れないからそう感じさせられたのだろう。 どの話も一度読みしただけでタイトルから話を思い出せる程に濃く読めます。が、おそらく何度も読み返す事になるのでしょう。特に怖いこと、と夏の終り、の気持ち悪い読後感は何度も求めてしまいそう。 挿絵の野中ユリさんの画も素敵。ゴーギーの絵本思い出しました。話によく合う。
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武田百合子の食べ物に関する覚え書き、思い出などを綴ったエッセイ。 軽やかでいて印象強い文章、どことなく宙に浮いている様で哀しい感じ。でも嫌な哀しさじゃない。 ちょこちょこ読み返したくなる一冊です。
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最初、読んでいて全く頭に入らなかった。そして退屈だった。途中から、思わずくすっと笑ったり、きゅんと切なくなったりしたけれど、何だかぴんとこなかった。それでも、ああ、日常あったことをこんな風に切り取れたらいいなぁと思った。幼いときに感じた、得体の知れない恐怖の描写とか、生々しくて面...
最初、読んでいて全く頭に入らなかった。そして退屈だった。途中から、思わずくすっと笑ったり、きゅんと切なくなったりしたけれど、何だかぴんとこなかった。それでも、ああ、日常あったことをこんな風に切り取れたらいいなぁと思った。幼いときに感じた、得体の知れない恐怖の描写とか、生々しくて面白かった。Amazonのユーザーレビューではかなり高評価なので、わたしの知性がここまで追いついていないということだろう。でも、気になるフレーズはいろいろあったので、引用を登録。
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