舞姫 の商品レビュー
高校の教科書で読んだ舞姫が面白かったのを思い出して、森鴎外を読んで行く足掛かりにと手にとった本。舞姫、普請中、雁を鴎外自身の人生になぞらえてとらえている解説が面白かった。日本の近代ってこんな感じだったのか。 一番好きなのは妄想。憂鬱への向かい方が私だった。
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「石炭をば早や積み果てつ。」で始まる薫り高い作品。海外駐在中に現地妻をつくった、と現代的感覚で読んでしまうとあまり楽しめないかもしれない。主人公の葛藤をたどりつつドイツの雰囲気を感じるべき。
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若かりし主人公とエリスの運命的ともいえる切ない出会いに、胸が締め付けられる思いがこみ上げてきます。 そして、ささやかな幸せをエリスと共に育み、清らかなる交際が始まるのです。 朋友の忠告に心動かされつつも、寒風が肌身に沁みる・・・。 この小説を読んで、ネタバレ覚悟で書きたい事は...
若かりし主人公とエリスの運命的ともいえる切ない出会いに、胸が締め付けられる思いがこみ上げてきます。 そして、ささやかな幸せをエリスと共に育み、清らかなる交際が始まるのです。 朋友の忠告に心動かされつつも、寒風が肌身に沁みる・・・。 この小説を読んで、ネタバレ覚悟で書きたい事は一杯ありますが、皆様の読書欲を阻害する危険性があるので控えさせて頂きますが、この小説のモデルになった女性が遥か彼方の独逸より船旅で来日したという後日談があるそうで、そしてその女性の写真も最近になって発見されたという事実は刺激的です。この小説の中の女性の純粋無垢な情念に心を打たれます。 文語体で書かれている為、多少硬めな文章は否めませんが純粋な心は十二分に伝わってくる小説です。(もしかして、真実味を持たせるため敢えて文語体にしているのかもしれません。私見です) 鴎外先生と呼ばせて頂きます。 素晴らしい作品でした(失礼ですが・・・。)
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「舞姫」はなかなか悲惨にお話だった。「普請中」「妄想」「雁」が収録されているが、とにかく「雁」が面白かった。鯖の味噌煮や雁が美少女お玉と美男子岡田との運命をすれ違わせてしまうなんて!切ないけど、この後二人がどうなったのか想像するのも楽しい。きっとそれぞれ幸せになったに違いない。
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Jブンガク第7回「舞姫」で概要を知ってから読んだら、なるほどと思いました。何が主題で、何が課題かをある程度知ってからでないと、世代が違い、場所が違うものは理解できないことがあることが分かりました。
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「舞姫」、「普請中」、「妄想」、「雁」の四作が収められている。 「舞姫」は、オビに「格調高き悲恋の物語」とあったが、悲恋のようには感じなかった。 解説に"裏切り"の物語とあるが、そちらに近いと思う。 あたかも運命に切り裂かれたかのように語られているが、 豊太郎がレールを踏み外せない人間であっただけで、 本当にエリスを愛していたならどうとでも行動できたはずだ。 相沢を憎むではない、引き裂いたのは自分自身だ。 「普請中」の中に出てくる女性はエリスがモデルであろうか。 私が「舞姫」を読んで持った感想からは同一人物のように思う。 …と、前半二作には良い印象を持たなかったのであるが、あとの二作が良かった。 「妄想」 生というものを考える。自分のしている事が、その生の内容を充たすに 足るかどうかだと思う。(54) 日の要求に安んぜない権利を持っているものは、おそらくはただ天才ばかりであろう。自然科学で大発明をするとか、哲学や芸術で大きい思想、大きい作品を生み出すとかいう境地に立ったら、自分も現在に満足したのではあるまいか。自分にはそれができなかった。(75) 別荘の真似事で建てた小家で余生を暮らしながら、さまざまな回顧をしつつ生と死について考えるもの。 生かされていること、と生きること、は違うと思う。 「雁」は、四作のなかで一番とっつきやすい作品だと思った。 好青年岡田と美人のお玉の、恋とも言えないような恋物語がベースに書かれている。 お玉は末造の妾として囲われているのだが、ある日出逢った岡田に恋をする。 岡田と親密に語りたいと願ったその日、釘一本、の話に出てくる釘ように青魚の味噌煮が運命を動かすことになる… 解説にもあったが、「舞姫」と「雁」は、男が女を不幸にする話だと捉えても良いと思う。 特に「雁」は、何一つ不自由しそうにない器量の女が、男に騙され市場価値としての傷ができることで他の女のように嫁に出ることが難しくなっている。 彼女は不幸に身を任せて耐え、運命を怨みながらも甘んじるのだ。 恐らくこれが女のあり方だったのかと思うと胸が痛い。 『舞姫』は、この作品を載せる順序がとても上手いと思った。 好みにも拠るのだろうが、続けて鴎外、もしくは漱石を読もうかという気持ちになった。
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文体が文体だけに読みにくかったが、この文体でドイツの地名をなぞっていく様子は新鮮。異人と恋に落ちるも不覚を食らう悔しさが最後の文に感じられた。
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誰しもタイトルは聞いたことのある作品! この年になるまでまともに読んだことないのは恥ずかしいと思い、読んでみました。 さすが何年も読まれてるのだけあって、面白いです。 この本にもっと早く出会っていたら、文学部に行きたかったぐらいには面白いです。 収録作品は、舞姫、普請中、妄想...
誰しもタイトルは聞いたことのある作品! この年になるまでまともに読んだことないのは恥ずかしいと思い、読んでみました。 さすが何年も読まれてるのだけあって、面白いです。 この本にもっと早く出会っていたら、文学部に行きたかったぐらいには面白いです。 収録作品は、舞姫、普請中、妄想、雁です。 順番通りに読むのがいいと思います。
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「名誉か愛か」 究極の選択をしいられた豊太郎 愛をとって欲しいけど、そう選択するわけがないと思いながら読み進めたが、 エリスがあこまで壊れてしまうとは…衝撃だった。 というかこれ森鴎外の自伝書だよな… 多少の脚色はあるだろうけど。 確か現実にはドイツの女が日本にやってきたとか...
「名誉か愛か」 究極の選択をしいられた豊太郎 愛をとって欲しいけど、そう選択するわけがないと思いながら読み進めたが、 エリスがあこまで壊れてしまうとは…衝撃だった。 というかこれ森鴎外の自伝書だよな… 多少の脚色はあるだろうけど。 確か現実にはドイツの女が日本にやってきたとかなんとか…追い返されたけど。 女ってすごい。こわい 今の女性は高学歴で男性と同じように働くけど、名誉と愛どっちをとるのかな❓今の男性はどうだろう。 時代に関わらず、人によって違うものかもしれんが、女性が豊太郎のような選択を強いられるような作品を読んでみたい。
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舞姫は文語調だが、意味は十分理解できるし感動できる。「普請中」「妄想」が非常に難解で、理解には程遠く文字を追うだけの結果となり高校時代に投げ出したが、改めて手に取り残りの一編「雁」を読んだ。雁ではその当時の女性像と今にも通じそうな女心の描写が繊細。自分の能力と知識のなさを痛感。
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