コンスタンティノープルの陥落 の商品レビュー
トルコ関連本2冊目。ローマ帝国最後の領土となったコンスタンティノープルを守るビザンツ帝国の軍勢7千と、東方より勢力を伸ばし遂に迫り来るオスマンの軍勢16万。 結果は知っての通り、なのだけれど、結果しか知らんかった。ビザンツには都市国家としてのベネチア、ジェノバ、フィレンツェが加...
トルコ関連本2冊目。ローマ帝国最後の領土となったコンスタンティノープルを守るビザンツ帝国の軍勢7千と、東方より勢力を伸ばし遂に迫り来るオスマンの軍勢16万。 結果は知っての通り、なのだけれど、結果しか知らんかった。ビザンツには都市国家としてのベネチア、ジェノバ、フィレンツェが加担していたことや、スルタンであるマフメット2世が若干21歳だったこと、すらも初めて知った。 城壁を巡る攻防や、深く入り込んだ湾を争う展開は、歴史モノであると同時に軍記モノとして面白い。遠いルーツであるビザンツに対し、ローマ周辺の国がどのように援助するのか、という視点も面白かった。 小姓とスルタンの関係についての記述は、奥ゆかしいんだか直接的なんだかわからん書き方で、苦笑い込みで読んでしまった。
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コンスタンティノープル陥落に立ち会った人々の人物描写が主体。当時の様子を彷彿とさせた。 司馬遼太郎ぽかった。
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「Istanbul (Not Constantinople)」という曲で 「Why they changed it I can't say. People just liked it better that way.」と歌っています こういう人は本書を読みなさい 「...
「Istanbul (Not Constantinople)」という曲で 「Why they changed it I can't say. People just liked it better that way.」と歌っています こういう人は本書を読みなさい 「文明の衝突」という前に まず宗教と政治の物語です 戦いを俯瞰できる快感は確かにあるので 地図を見ながら読むことをお勧めします
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前回のローマ帝国の首都をコンスタンティノブールに 遷都させた「コンスタンティヌス」からの興味を 引きずり、東ローマ帝国(=ビザンティン帝国)が滅亡したコンスタンティノブールの陥落が描かれた本書を 読破。 最近、西洋史への関心が高いのですよ。だって海外の 人って確実に歴...
前回のローマ帝国の首都をコンスタンティノブールに 遷都させた「コンスタンティヌス」からの興味を 引きずり、東ローマ帝国(=ビザンティン帝国)が滅亡したコンスタンティノブールの陥落が描かれた本書を 読破。 最近、西洋史への関心が高いのですよ。だって海外の 人って確実に歴史を意識した動きをしている。 現代史は歴史を見れば分かる感じ。 アメリカもローマ帝国を意識しているしね。紋章が 鷲だし。(スターウォーズなんてそのまんまだよね。) 印象に残ったのは最後の文章ですね。 「西欧の人々はビサンティン帝国の滅亡によって はじめて古代ローマという母胎から切り離された 痛みを感じたのだった」
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塩野七生にこれを読んではまった。とても面白い。 こういう歴史って学校ではほとんど習わなかったので、新鮮です。なおかつ小説なので物語の世界に入りやすい。 戦いのクライマックス。オスマン軍の艦隊を金角湾に侵入させないため、大きな鎖を湾の入口に渡し、完全に封鎖した東ローマ軍を...
塩野七生にこれを読んではまった。とても面白い。 こういう歴史って学校ではほとんど習わなかったので、新鮮です。なおかつ小説なので物語の世界に入りやすい。 戦いのクライマックス。オスマン軍の艦隊を金角湾に侵入させないため、大きな鎖を湾の入口に渡し、完全に封鎖した東ローマ軍を、とんでもない方法でオスマン軍は打ち破ります。義経の鵯越え、ハンニバルのアルプス越え、ナポレオンのアルプス越えに匹敵する奇策です。これによりコンスタンティノープルは陥落し、東ローマ帝国は消滅します。 歴史的事実なのでその奇策を書いてもいいのですが、これは最高の山場なので伏せておきます。
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15世紀後半の東ローマ帝国とオスマントルコ帝国の攻防を描いた本。日本人にはあまり馴染みのない時代、場所なのですが、読み出すとぐいぐい引き込まれてしまいます。東ローマ帝国皇帝、オスマントルコ皇帝、ヴェネチア、フィレンツェ、ローマの商人や医師、軍人や枢機卿、市井の人々などさまざまな...
15世紀後半の東ローマ帝国とオスマントルコ帝国の攻防を描いた本。日本人にはあまり馴染みのない時代、場所なのですが、読み出すとぐいぐい引き込まれてしまいます。東ローマ帝国皇帝、オスマントルコ皇帝、ヴェネチア、フィレンツェ、ローマの商人や医師、軍人や枢機卿、市井の人々などさまざまな国、立場、階層の人々が登場し、それぞれのストーリーが最後のクライマックスで終結。手に汗にぎる、ドキドキ感が味わえる一大歴史絵巻です。コンスタンティノープル(イスタンブール)や地中海地方の旅のおともにぜひ。
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この著書は東方正教会とイスラム教徒の攻防を時代小説としている。ヨーロッパ各国の内外情勢に加え、オスマン帝国との1ヶ月間におよぶ篭城戦をリアルに描いている。1453年、ビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルがオスマン帝国の攻撃によって陥落するが、その歴史的な瞬間に居合わせた様々な...
この著書は東方正教会とイスラム教徒の攻防を時代小説としている。ヨーロッパ各国の内外情勢に加え、オスマン帝国との1ヶ月間におよぶ篭城戦をリアルに描いている。1453年、ビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルがオスマン帝国の攻撃によって陥落するが、その歴史的な瞬間に居合わせた様々な登場人物を主人公に見立てて、敵味方関係なく多角的視点からビザンツ帝国の滅亡を描き、考察している。最大の見せ場は、コンスタンティノープル陥落時において、市民や兵士が金角湾の船着場からマルマラ海へ脱出するシーンである。一千年間続いた帝国の儚さに加え、その場の情景を頭に炊き付ける文章表現は見事であり、歴史的ロマンを感じる。
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初めての塩野さん作品。 地中海周辺の中世史に興味を持ったのはこの作品に起因します。 塩野さんのいじわるさが随所に散りばめられ、もうなんというか もっと踏んでくださいって感じです。 若き専制君主が宰相に告げる「ひとこと」は、 当時、彼と同世代の僕に、 若者のナイーブさと傲慢さと苦悩と喜びと可能性と絶望とはこうなのだよ、と 頬を撫でられながら教わっているかのような妄想を掻き立てさせました。 興奮しました。
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ビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルをめぐる、イタリア商業国家とオスマン帝国との攻防戦。そんな印象を受けます。首都周辺をおさえるのみとなったビザンツ帝国はまさに瀕死の重病人であり、ヴェネツィアやジェノヴァの支援によって辛うじて命を繋いでいるというイメージが合うと思います。その...
ビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルをめぐる、イタリア商業国家とオスマン帝国との攻防戦。そんな印象を受けます。首都周辺をおさえるのみとなったビザンツ帝国はまさに瀕死の重病人であり、ヴェネツィアやジェノヴァの支援によって辛うじて命を繋いでいるというイメージが合うと思います。その先は滅亡しかないのですが、この物語はそのような状況が淡々と描かれ、この事件に関わった様々な人々の目を通し、リアリティをもって迫ってきます。大砲の有効活用によってヨーロッパに戦術の変化をもたらしたオスマン帝国と、旧態依然のビザンツ帝国との対比は残酷的ですらあります。 読了日 2006年9月
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イスタンブールに行ってみたい。トルコの軍事博物館に行ってみたい。ボスフォラス海峡から地中海を眺めてみたい。 コンスタンティノープルの陥落を読んだのは、もう遠い昔のことだけど、そんな想いは年々強くなってます。塩野さんの作品はすべて好きだけど、これがベスト1かな。
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