コンスタンティノープルの陥落 の商品レビュー
うーん…この本はある程度知識をもってたほうがいいかも。 何気なく「あっこの本読んでみよう~^o^」みたいなかんじで手に取ると読むのに苦労します。私もそうでした。
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コンスタンティノープル――東ローマ帝国の首都として一千年余りも栄えた都。 しかし過去の栄光は徐々に翳り始め、帝国を象徴する都は黄昏の中に身を置いていた。 そして1452年、ついにその座をオスマン・トルコ帝国のもう一人の皇帝に明け渡すことになる。 その2ヶ月に及ぶ攻防の一部始終を描いた作品。 久しぶりの塩野七生はやっぱり面白かった。 日本人になじみの薄い場所&歴史を躍動的な物語に仕立て上げられる手腕のすばらしさは実際に現場を訪れた人間ならでは。 映画を見るように劇的に、そして映画に撮ったら美しいであろうシチュエーションを次々に用意し面白い歴史ショーを観させて頂いている気分だ。 それゆえに歴史学者からは「物語であって史実ではない」と指摘されるんだろうが、 「それはあなた方の仕事であってわたしの仕事ではないのよ」 と人の悪そうな笑みを浮かべている彼女の顔が目に浮かぶ。 あとこの作品の成功は物語という自由さから非常に女性好みな主人公を造詣したことにある気もする。 二十歳をわずかに超えたばかりのマホメット2世の冷血非道な美男ぶりを熱っぽく見つめる小姓の少年という若手主従と 滅び行く帝国の最後を担った愁いを帯びた紳士な皇帝と、それを支えるために粉骨砕身する第一の側近という親父主従。 「甘美でスリリングな歴史絵巻」ってあおり文句が書いてあるがまさしくそのとおり。 こういう設定嫌いな女子はおらんじゃろ(笑) しかし難を言えば、トルコ帝国サイドの人間を人であって人でないような、理解しがたいものとして描いているような気がする 人間味がないというか、超絶過ぎるというか。 解説を読んで「ロティの茶店」にも行きたくなりました。 金角湾を日永一日眺めてありし日の興亡に思いを馳せるなんて素敵だろうな。 水煙草吸いつつ、海を眺める相方の隣で時折本に目をやってあの日に思いを馳せる。 うん、すてきな休日。
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「ローマ人の物語」で有名な塩野七生のコンスタンティノープルの陥落を読みました。 舞台はローマ帝国が滅んで、その末裔のビザンチン帝国の末期、首都コンスタンティノープルを巡って様々な人々の思惑が入り乱れます。 それは海洋都市ヴェネチアと商業都市ジェノヴァの商人達の利権だったり、オスマ...
「ローマ人の物語」で有名な塩野七生のコンスタンティノープルの陥落を読みました。 舞台はローマ帝国が滅んで、その末裔のビザンチン帝国の末期、首都コンスタンティノープルを巡って様々な人々の思惑が入り乱れます。 それは海洋都市ヴェネチアと商業都市ジェノヴァの商人達の利権だったり、オスマン・トルコの若きスルタンと一線を退いたパシャ(藩主)の駆け引きだったりします。 本のタイトル通り、最後には1000年続いたキリスト教の首都コンスタンティノープルはオスマントルコの攻撃に屈指、イスタンブールと名を変えることになります。 本に書いてあった言葉ですが一つの都市の一国家の滅亡に繋がる例は珍しくないが、一歳の滅亡がその文化圏の消滅を意味する事は歴史上珍しいそうです。 その滅び行く様を、塩野先生独特の多くの資料に基づく書き方で綴られています。 話は少し変わりますが、2010年のローマ人の物語のタイトルは「キリスト教の勝利」でした。 主役はコンスタンティーノープルを作ったその人コンスタンティン1世です。 どのような思惑で作られた都市なのかが書かれています。 この本とあわせて呼んでみると面白いかもしれませんね。
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中1の頃トルコに行く前に飛行機で読んでました。 これ読んでからのイスタンブールの感動がやばかったです。 塩野さんの魅力はなんといっても史実をもとに 実際の人物の物語をあれこれつむいでいくところですよね^^ 歴史の勉強にもなるし、普通に面白いので是非おススメします! 東ローマ...
中1の頃トルコに行く前に飛行機で読んでました。 これ読んでからのイスタンブールの感動がやばかったです。 塩野さんの魅力はなんといっても史実をもとに 実際の人物の物語をあれこれつむいでいくところですよね^^ 歴史の勉強にもなるし、普通に面白いので是非おススメします! 東ローマ帝国の首都、コンスタンティノープルがいかに陥落されていくのかを見せてくれる本です。 読んでた原本を韓国の実家においてきたので(;^ω^) 学校で借りるか(中央図書館の2階にあるらしいです) アマゾンで購入してください☆ アマゾンでの購入の場合たったの500円! ワンコイン!安い^ω^!
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結構おもしろく読むことができました。 ヴェネツィアがもう一足早く援助に来ていたら… コンスタンティノープルの都は頑張った。
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オスマン・トルコ帝国スルタン、マホメット2世によるコンスタンティノープル攻撃。「先生、あの街をください」。コンスタンティヌス13世による防衛戦。ヴェネツィア共和国の援軍。ローマ教会とギリシア正教の対立。セルビアの騎兵の苦悩。ヨーロッパ各国の思惑。 2010年8月18日読了
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西欧VSトルコ帝国を描く3部作の1作目。 東ローマ帝国の首都、コンスタンティノープルは若きスルタンによって落とされ、それによって東ローマ帝国は滅びた。 と、歴史の教科書だと1行ですましてしまうが、塩野七生は丹念に人を描き壮大なロマン叙事詩に仕上げている。 コンスタンティ...
西欧VSトルコ帝国を描く3部作の1作目。 東ローマ帝国の首都、コンスタンティノープルは若きスルタンによって落とされ、それによって東ローマ帝国は滅びた。 と、歴史の教科書だと1行ですましてしまうが、塩野七生は丹念に人を描き壮大なロマン叙事詩に仕上げている。 コンスタンティノープルの陥落について書かれた本、医者、海将、僧、そしてスルタンの小姓、などそれぞれ立場も年齢も状況も違う者が書いたそれらを元にして、誰もが主人公といえるスタンスで描かれている。どの人物の生き生きとしているから、読んでて気持ちがいい。 そうだ。この作品の中に、悪人はいない。誰かを悪人にする、視点の歪みがない。過ぎ去った歴史を語る時、誰かを悪人とするなんて無意味でしかない。ただ、万象は過ぎ去る。それだけだ。 最後の皇帝、コンスタンティヌスが地味な存在だけど、すごく光っていた。 また、スルタンが渋い。 塩野七生、多分こういう歴史の中に特出して生まれる荒神、みたいな存在に心ひかれるのだろうな。スルタンの小姓だった少年の目を通してのスルタンなので、抑え気味の筆になっていると感じたけれど。 「あの街をください」 のくだりは、鳥肌ものでした。
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トルコに行く前に、学習をしようと思い、読みました。 すごく面白かった。 かつての大国ローマ帝国が滅びた瞬間は、本自体が東ローマ帝国よりに書かれていることもあり、少しさびしかった。 盛者必衰の理。改めて感じた。 にしてもオスマン帝国のメフメト2世は、壮大な野望を持っていたの...
トルコに行く前に、学習をしようと思い、読みました。 すごく面白かった。 かつての大国ローマ帝国が滅びた瞬間は、本自体が東ローマ帝国よりに書かれていることもあり、少しさびしかった。 盛者必衰の理。改めて感じた。 にしてもオスマン帝国のメフメト2世は、壮大な野望を持っていたのだな。 すさまじかった。。。
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「ローマ人の物語」の萌芽が感じられるスタイル。 しかし、物語はドラマチックな戦記物。 私は「ロードス島」を先に読んでいたので、年代的に遡ったため、オスマントルコの変化がおもしろく感じられた。
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「あの街をください」 まさにこれに尽きるというか。すごい印象的な台詞だった。 語り手が多く登場し、それぞれの国の立場でコンスタンティノープルの滅亡に関わっていくのが印象深い。 反面、一人一人のエピソードが少し薄味な気も。
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