堕落論 の商品レビュー
世間で言われているほ…
世間で言われているほど面白いとは思わなかった。まあ人それぞれですから。
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いい人だな~。正直な…
いい人だな~。正直な感想。うん、いい人。
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感想会での選択本。戦後直ぐに出版された本。敗戦によって180度思想が変わった日本。戦前は武士道を基本として、天皇陛下のために奉仕をしてきた。が、戦後、男は闇市、女性は亡くなった夫から区切りをつけ新しい恋愛を夢見る。これぞ著者の言う堕落。堕落とは自分のため、欲求のためにしたいことをすること。ある意味人間らしく生きること。しかし、堕落(人間らしく生きること)は「孤独」が付きまとう。人間そんなに鉄のハートを持っていない。なので堕落は辛いこと。でも、これこそが人間の本質だ。とことん堕ちよう。自分のために。⑤
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まず難しい本だった。恋愛論は少し面白い内容だったが、堕落論に関しては筆者の述べている主観的観念が個性的であるが故に非常に難しい内容となっていた。
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坂口安吾の『堕落論』は、戦後の混乱期に発表された エッセイで、現代社会における自由と不自由、幸福と苦悩の本質を鋭く突いた作品であると個人的に感じた。 空襲下の極限状態では、人々は恐怖や混乱の感情を抱くとばかり考えていたが、安吾は、深夜に戸締まりをせずとも安心して寝ることが出来たり、少年少女の笑顔は絶えていなかったりと、ある種の幸福を感じていたと指摘する。「偉大なる破壊」によって、全てを失った人々は、皮肉にも一種の安心を得ていた。対して、現代社会はどうだろう。現代社会は自由であるがゆえに、人々は多くのことを考えざるを得ず、その自由が責任や不自由につながっているという逆説を提示する。 『堕落論』の核心は、「堕落」の意味を問い直すことにあると考える。安吾にとって「堕落」とは、既成の価値観から脱却し、人間性の深淵に降りていくことで、真の自己を見出すプロセスを意味する。 現代社会に置き換えると、「何者にもならなくていい」という安住から脱し、「何者かにならなければいけない」という現代のプレッシャーに立ち向かうためには、一度徹底的に「堕落」し、自身の本質を見つめる必要があるのだと思う。 ただし、安吾は人間の弱さも指摘する。「堕落」を突き詰めるには、人間は弱すぎるとも語る。それは、「堕落」の果てに、再び自分を救い出す意志力が必要だからではないか。現代社会には、「堕落」から立ち直るための制度が整備されているが、それらを活用するためには、個人の能動的な行動が不可欠である。(その弱さと向き合うのも現代人はとても辛いものなのだと思う。) 『堕落論』は、戦時中の「何も考えなくてよい幸福」と、現代の「自由ゆえの苦悩」という二項対立を浮き彫りにする。自由な現代社会で幸福を得るためには、自ら目標を設定し、努力する自己統制能力が必要とされる。しかしながら、常にたくさんのタスクを抱え、爆発してしまう人もいる。一方、戦時中は、生存すること自体が目的となり、考えることは少なくてよい。 坂口安吾の『堕落論』は、戦後の混乱期に書かれたエッセイでありながら、現代社会の根源的な問いを投げかける。自由と不自由、幸福と苦悩の関係性を探求し、「堕落」という概念を通じて、人間存在の本質に迫る。安吾の思想は、現代を生きる我々に、自己と社会のあり方を問い直す契機を与えてくれるのである。 (あくまで自身で読んで感じたものであり、人や時代背景により様々な解釈の余地があると考えます。)
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坂口安吾のリアリスティックな人間観は、本質を突いている。弱さから美徳を求めるのが人間であり、美徳から逃れて堕落するのも人間である。自分自身の美徳を編み出すためには、「正しく堕ちる」必要がある。 絶対的な価値観の崩壊を引き起こした戦後は、まさに「正しく堕ち」、自らの美徳を編み出す大...
坂口安吾のリアリスティックな人間観は、本質を突いている。弱さから美徳を求めるのが人間であり、美徳から逃れて堕落するのも人間である。自分自身の美徳を編み出すためには、「正しく堕ちる」必要がある。 絶対的な価値観の崩壊を引き起こした戦後は、まさに「正しく堕ち」、自らの美徳を編み出す大きなチャンスだったのだろう。しかし、日本はこのチャンスをふいにしてしまったように思えてならない。西欧の価値観を追従し、美徳について問うことを忘れてしまった現代の日本は、美しさすら失った、運命に従順な人間の姿のように思える。
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自分はわりと0か100の人間でそれが嫌で自分が面倒だなと常々感じていたのですが、坂口安吾は葛藤してる自分を愛してくれるんだろうなと感じて変な自信がつきました。 高校生の頃にカッコつけて堕落論を読んでわかった気になっていたのですが、大人になって改めて読んでも自分は理解できたのか...
自分はわりと0か100の人間でそれが嫌で自分が面倒だなと常々感じていたのですが、坂口安吾は葛藤してる自分を愛してくれるんだろうなと感じて変な自信がつきました。 高校生の頃にカッコつけて堕落論を読んでわかった気になっていたのですが、大人になって改めて読んでも自分は理解できたのかしら?となってます。ただ、恋愛論やFARCEについてを読んで安吾が人間のうちにある矛盾や混沌をとにかく愛していたんだろうなってことはわかりやすかったです。そこから堕落論を再読するとこういうことを言いたかったのかなと考えることができて楽しかったです。 理想と現実のギャップに苦しんだり、自分の思いと裏腹な行動をしてしまって後悔してる人を坂口安吾が暖かく迎えてくれるそんな感じがありました。坂口安吾なりの人間讃歌なのかもしれません。これからも精神の格闘をしていこうという前向きな気持ちになれる1冊でした。
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天才すぎ。 坂口安吾の解体に次ぐ解体。身の回りにすでに地盤を固めて安定している美徳や観念規範と、現実の人間の様相を、純粋素朴な安吾の目で捉えて比較し、それらを再構築していくといった名エッセイ集。 安吾が純粋すぎるが故の求道的文学者であったと感じる。ただ、彼にとっては文学は自身の生き方を見つめる上での副産物でしかなかったのだろうな。、 安吾流の美観に喰らいすぎた2023でした。 自分の美観を確立したいと思う今日この頃。
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エッセイも小説も面白い。 どの作品にも芸術や美に対する思想が押し出されていて、視点の面白さは言わずもがな勉強になった。
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タイトルからして中二心をくすぐってくる名著。真面目な学生が生まれて初めて「生きよ、堕ちよ」などという過激な言葉に触れた時に感じる衝撃こそ読書体験の醍醐味。
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