堕落論 の商品レビュー
旧表紙版を読了。ファンになってしまったかも。なんとなく持ってたイメージとは全然違った。世界を真っ直ぐ見て、その上でそのままの世界を肯定してる人。私の愛する小山田壮平と一緒!特に「不良少年とキリスト」がすごくおもしろかった。太宰の死を太宰を知る者として分析している。そこから見える安...
旧表紙版を読了。ファンになってしまったかも。なんとなく持ってたイメージとは全然違った。世界を真っ直ぐ見て、その上でそのままの世界を肯定してる人。私の愛する小山田壮平と一緒!特に「不良少年とキリスト」がすごくおもしろかった。太宰の死を太宰を知る者として分析している。そこから見える安吾の生きる意志に感銘を受けた。
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どうしようもない有事や、ふと見かけた工場の良さを自然体で受け止めるのがいいんであって…、ってことが書いてある気がするが、それを言い始めるとまたもうそれは自然体じゃないよなあと思い始めてしまったりめんどくさくなるw
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「日本は負け、そして武士道は亡びたが、堕落という真実の母胎によって始めて人間が誕生したのだ」生きよ、堕ちよ。堕ちること以外の中に人間を救う道はない、と説く「堕落論」。救われない孤独の中に、常に精神の自由を見出し、戦後の思想と文学のヒーローとなった著者の、代表的作品を収録。エッセイ...
「日本は負け、そして武士道は亡びたが、堕落という真実の母胎によって始めて人間が誕生したのだ」生きよ、堕ちよ。堕ちること以外の中に人間を救う道はない、と説く「堕落論」。救われない孤独の中に、常に精神の自由を見出し、戦後の思想と文学のヒーローとなった著者の、代表的作品を収録。エッセイと物語。
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旧表紙版。堕落論は色々な形で色々な本に収録されているけれど、作品バランスでは集英社文庫の作品の選び方が一番好き。 「文学のふるさと」を読んだとき、自分が普段思っていることと当に被っていてとても嬉しかった記憶がある。今も一番好きな作品。 アウトローで潔くて男前で、ちょっとキザで、そ...
旧表紙版。堕落論は色々な形で色々な本に収録されているけれど、作品バランスでは集英社文庫の作品の選び方が一番好き。 「文学のふるさと」を読んだとき、自分が普段思っていることと当に被っていてとても嬉しかった記憶がある。今も一番好きな作品。 アウトローで潔くて男前で、ちょっとキザで、そんな自分をコンチクショウとばかりに罵倒する、そんな姿勢がたまらなく格好良い。その反面、心の琴線の涙もろいところをふいにぎゅっと鷲掴む…そんな繊細さも隠し持っていて本当ににくいヒトだなあと思う。
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旧表紙版。 っちゅーか、この表紙はちょっと違うだろ…と集英社に言いたい。 代表作とその続編よりも、他の短編の方が面白かった。とても、面白いオッサンだと思います。アウトローで、図太くて、爽快で、とっても面白いオッサンだと。 この時代の小説の中ではかなり読み易い方なのではないでしょう...
旧表紙版。 っちゅーか、この表紙はちょっと違うだろ…と集英社に言いたい。 代表作とその続編よりも、他の短編の方が面白かった。とても、面白いオッサンだと思います。アウトローで、図太くて、爽快で、とっても面白いオッサンだと。 この時代の小説の中ではかなり読み易い方なのではないでしょうか。代表作の二作以外は。 というかこの人の「桜の森の満開の下」が、こんなにあっさりと読めるものだとは思いませんでした。名前と時代的な文章のイメージから、もっと、かっちりした文章かと思っていたのに、十分程度で読めてしまって、肩透かし。 ちゃんと、面白かったんです、よ?
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あまり長々と書かない方がしっかりレビューできそうなので、簡潔に。 大雑把だけれども、見るとこ見てます。 臆面もなく、おそらく言葉もあまり選ばず、言う。 彼は 自身をさらけ出すことを厭わない。 このおっさん、ロックです。
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人間は荒唐無稽であり乱痴気な存在で、そういった人間性のふるさとに回帰することが自然なことであるということなのだろうか。 読んでみて救われたり共感できたりすることはなかったが、こういった自分とは異なるものの見方に触れることができたという意味では有意義といえるのかもしれない。 ただ...
人間は荒唐無稽であり乱痴気な存在で、そういった人間性のふるさとに回帰することが自然なことであるということなのだろうか。 読んでみて救われたり共感できたりすることはなかったが、こういった自分とは異なるものの見方に触れることができたという意味では有意義といえるのかもしれない。 ただ、ほかの文豪に対して批判的とも言えるような表現が多く見られ、正直読んでいて気持ちいいものではなかった。 坂口安吾もただ非難をしていただけではないのだが、やはり気になったしまった。 エッセイ全体の評価は★★ 小説のほうは結構楽しく読ませてもらった。 『桜の森の満開の下』では坂口安吾のファルスとはこういったものだというのを感じられた。 まさに荒唐無稽、話に読者がおいていかれるようである。 桜、女、鬼…これらについてどういった解釈をするのか考えていきたい。
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■目的 堕落論とは? 「2009 夏の文庫フェア」8冊目。 ■本の内容・特徴 受け身に安住するな。堕落自体は悪であるが、人間は本来堕落するものである。まずはそこから目を背けるのではなく肯定すること。堕ちるところまで堕ちることによってのみ、自分自身を発見することができる。そして...
■目的 堕落論とは? 「2009 夏の文庫フェア」8冊目。 ■本の内容・特徴 受け身に安住するな。堕落自体は悪であるが、人間は本来堕落するものである。まずはそこから目を背けるのではなく肯定すること。堕ちるところまで堕ちることによってのみ、自分自身を発見することができる。そして自分自身を救えるのである。 ■感想 いわゆる「ご立派な教え」というのは、人間性というものを無視したものが多いですよね。私はこれらは苦手です。見苦しいものに蓋をして上辺を取り繕うだけのキレイ事だと思うからです。上辺をいくら取り繕っても根本的な解決にはならないと思います。机上の空論やキレイ事では何も救えない。 なので、著者の言う人間性そのものを肯定する、という考え方はとても納得がいきます。そう、人間は見苦しいもの、堕落するものなんです。でも、完全に堕落することはなかなか難しい。そこに救いがあると著者も言います。同感です。 上辺だけの理想論には説得力がない。単なる空論、だから救いにもならない、何も解決しない。堕ちるところまで堕ちて、地獄を見て這い上がってくる力こそ本当の強さ・問題解決能力ではないでしょうか。救いは美しい言葉などではなく、「経験から得た力で自助すること」だと思います。 価値のあるものが、一瞬にしてその価値を失ってしまうような今の世の中だからこそ、こういう底から這い上がる力が必要なのではないか、と感じました。いい教えでした。
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なぜこれほど明治時代を生きた文豪たちの作品は響くのでしょうか? 古典作品を読み始めたのが遅く、未だに読んでいない作家、作品が数多くあります。 しかし、こういった作品に出会う度に勿体ないことをしたと悔やむばかりです。 ゲーテやツルゲーネフ、シェークスピアといった海外の作家に勝る...
なぜこれほど明治時代を生きた文豪たちの作品は響くのでしょうか? 古典作品を読み始めたのが遅く、未だに読んでいない作家、作品が数多くあります。 しかし、こういった作品に出会う度に勿体ないことをしたと悔やむばかりです。 ゲーテやツルゲーネフ、シェークスピアといった海外の作家に勝るとも劣らぬこの文才! 個人的な好みとしては表題作の「堕落論」よりも、「文学のふるさと」での作品・作家語りや、 「桜の森の満開の下」の破滅的、崩壊的な展開の方が心惹かれるものがありました♪
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何かに囚われてしまうということ、それを嬉々として受け入れて思考停止のまま踊っている人間、そういうものに対する嫌悪を本書からは強く感じる。終戦期に発表されるや一気に話題となったのは、読み手が戦時体制への批判を程よい羞恥心を伴って反芻できたからか。一方で、2009年に生きる自分の心...
何かに囚われてしまうということ、それを嬉々として受け入れて思考停止のまま踊っている人間、そういうものに対する嫌悪を本書からは強く感じる。終戦期に発表されるや一気に話題となったのは、読み手が戦時体制への批判を程よい羞恥心を伴って反芻できたからか。一方で、2009年に生きる自分の心にも安吾の言葉が響くのはなぜか。 ここでいう堕落は、「いわゆる堕落」とは違う。制度や伝統や価値観、そういうものが生み出す茶番を示して、人間本来の姿への回帰を説く。その回帰が「堕落」と呼ばれるのなら、甘んじて堕落の道を行こうではないかと語りかけている。 『生きよ堕ちよ、その正当な手順のほかに、真に人間を救い得る便利な近道がありうるだろうか』(本文抜粋)。人間存在を真摯に見つめていればこそ、かくも硬派な評論ができる。一見シニシズムに陥っているようだがそうではない。大きな愛に満ちているテクストだ。
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