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アメリカ素描 の商品レビュー

4.1

39件のお客様レビュー

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2023/07/16

文明とは、「だれでも参加できる普遍的なもの・合理的なもの・機能的なもの」であり、文化とは「特定の集団(たとえば民族)においてのみ通用する特殊なもの」ということであるとのこと。 この前提において人工国家アメリカは、世界中でほとんど唯一、この「文明」によって成り立っている国だと、作者...

文明とは、「だれでも参加できる普遍的なもの・合理的なもの・機能的なもの」であり、文化とは「特定の集団(たとえば民族)においてのみ通用する特殊なもの」ということであるとのこと。 この前提において人工国家アメリカは、世界中でほとんど唯一、この「文明」によって成り立っている国だと、作者は述べている。 今後、上記のような視点でアメリカを見ようと思います。

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2023/03/05

第二部は小村寿太郎の足跡を辿る旅にもなっている。 ポーツマスでは小村寿太郎ゆかりの地を訪ね歩いた。 司馬氏が訪れた事によって、小村のアメリカでの基金設立の功績も再びクローズアップされたと思う。 さらに私を含めた読者が訪れる事により日本との縁は続いていくのではないかと思う。 日露戦...

第二部は小村寿太郎の足跡を辿る旅にもなっている。 ポーツマスでは小村寿太郎ゆかりの地を訪ね歩いた。 司馬氏が訪れた事によって、小村のアメリカでの基金設立の功績も再びクローズアップされたと思う。 さらに私を含めた読者が訪れる事により日本との縁は続いていくのではないかと思う。 日露戦争の最中、小村の基金設立に慌てたロシアが一年後に基金を設立したが、日本のように誠実ではなかったそうだ。 また、日露戦争はロシア有利と、マスコミを使って喧伝したそうだが、その手法はウクライナとの戦争のある令和の今でも変わっていないと思った。 司馬遼太郎氏の観察力と分析力、そして私などの一般人にもわかりやすい文章力。 この本はまた年齢を重ねてから読んでみようと思う。 また、司馬遼太郎氏はその当時から多様性を受け入れている様子が文章からも感じとれた。 あ、そういう訳でいよいよ坂の上の雲を読んでみようと思います!

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2022/08/08

記録。220808 文化と文明。文明のみで成り立っている国といえばアメリカだろう。多様な文化背景を持った人たちの濾過装置。人々はおでん鍋のようにそれぞれの形を保ちながらアメリカという鍋の中に入り、ひとつの料理を形作っている。

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2022/02/04

素晴らしい。約35年も前に書かれた米国論?なのに、2022年の今読んでも、当時の著者の洞察の鋭さや指摘の普遍性には舌を巻く。巻末の解説者が「米国論の古典」と称するのも良く分かる気がする。 欧米人の友人にも(英訳版を)読ませ、感想を聞いてみたい。

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2018/11/18

いま親しくお付き合いさせていただいている、日系コミュニティ活動に尽力している方に紹介いただいた司馬遼太郎の一冊。 1985(昭和60)年、著者が延べ40日に渡って旅したカリフォルニア州と米国東海岸諸都市の旅行エッセイなのだが、これはれっきとしたアメリカ論だ。 文明と文化という言...

いま親しくお付き合いさせていただいている、日系コミュニティ活動に尽力している方に紹介いただいた司馬遼太郎の一冊。 1985(昭和60)年、著者が延べ40日に渡って旅したカリフォルニア州と米国東海岸諸都市の旅行エッセイなのだが、これはれっきとしたアメリカ論だ。 文明と文化という言葉を用いてアメリカという国を定義し、それを身の丈に合った目線で「ナマの人間を見て」検証しているから、説得力もあるし、何しろ面白い。 著者は、文明とは誰もが「参加できる普遍的なもの・合理的なもの・機能的なもの」であり、文化とは「特定の集団(たとえば民族)においてのみ通用する特殊なもの」と指摘し、アメリカが世界で唯一「文明」によって成り立っている国家だと言う。だからこそ、世界の人々の憧れの対象になり、人々を集め、それがさらにアメリカ文明の普遍性を高めている、と説く。 その一方で、文明だけでは人は生きていけないとも指摘する。そこで、この人工国家アメリカにも文化が登場する。文化とは排他的なものであり、その内側に居る分にはとても居心地がいいものである。したがって、人は疲れや衰えを感じると、「カイコがマユの中に入るように自分の文化にくるまりたくなる」と論じ、それらがアメリカの表面にも浮き上がってきていると考える。そして、その一つの実例として「ゲイ」を挙げる。(当時はまだLGBTという言葉がない時代。) アメリカを語る上で欠かせない一冊であると同時に、時代に関わらず、物事の本質を見抜くとはこういうことなのか、と納得する一冊でもある。

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2018/03/24

大学生の時に父親から勧められ読んだ時には、何処をどのように理解すれば良いのか分からなかった。司馬遼太郎の表現するアメリカが、僕の理解する現代のアメリカと少し違っていた事もある。だが、今再度読み直してみると、時代が違えど、随所にアメリカという国と国民の本質が散りばめられており、改め...

大学生の時に父親から勧められ読んだ時には、何処をどのように理解すれば良いのか分からなかった。司馬遼太郎の表現するアメリカが、僕の理解する現代のアメリカと少し違っていた事もある。だが、今再度読み直してみると、時代が違えど、随所にアメリカという国と国民の本質が散りばめられており、改めて司馬遼太郎の分析の鋭さと緻密さに驚かされた。

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2017/07/26

司馬遼太郎が語るアメリカ論。 司馬遼太郎はかつて「アジアの人々とはなんとなく感覚を共有できる気がするし親近感がわくが、欧米やアフリカ、中東の人とはそういう感覚とは違う気がする」というようなことを言っていた。 その言葉の通り、司馬遼太郎は日本やアジアの歴史は克明に描写したが、欧...

司馬遼太郎が語るアメリカ論。 司馬遼太郎はかつて「アジアの人々とはなんとなく感覚を共有できる気がするし親近感がわくが、欧米やアフリカ、中東の人とはそういう感覚とは違う気がする」というようなことを言っていた。 その言葉の通り、司馬遼太郎は日本やアジアの歴史は克明に描写したが、欧米に関する描写はあくまで日本やアジアについての記載のおまけに過ぎない感がある。そういう意味で、司馬遼太郎のアメリカ論は貴重である。 読んでみると、司馬遼太郎の他のエッセイと同じく、とても面白い。

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2017/05/06

文明と文化について。その生の景色。 今の時代にも通じるもの、変わったもの。 ・アメリカの同化力 ・無償と自由がないまぜになったものがアメリカの本質

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2015/12/13

アメリカを人工国家とし、文化と文明の違いを独自の視点からアメリカの全体像に迫る。現代の国際政治を読み解くヒントになると思う。秀逸の一作。

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2014/01/13

さすがは司馬遼太郎だ。今まで、司馬遼太郎のエッセイは読んだことがなかったが、歴史に深い造詣がある筆者だけに、アメリカを見る視点が鋭い。 まず、「ザ・ステイツ(the States)」ですっかり感心してしまった。考えたこともなかった。しかし、この一言でもってして、ローマ帝国とアメリ...

さすがは司馬遼太郎だ。今まで、司馬遼太郎のエッセイは読んだことがなかったが、歴史に深い造詣がある筆者だけに、アメリカを見る視点が鋭い。 まず、「ザ・ステイツ(the States)」ですっかり感心してしまった。考えたこともなかった。しかし、この一言でもってして、ローマ帝国とアメリカとは、同じ法による国家とはいえ、似て非なるもの、と思った。 司馬遼太郎の深い洞察力の下に書かれた、様々な国を見つめたエッセイをもっと読みたくなった。話の中にも様々な本が引用されているが、興味深い。 しかし、何気に文章が短くて、歯切れ良く、躍動感を感じる。司馬遼太郎の人柄をなんとなく感じられて、それも面白い。

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