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初秋 の商品レビュー

4.4

58件のお客様レビュー

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2014/07/01

再読。 スペンサーが少年に伝える言葉が、今流行ってるアドラー心理学の考え方そのままなのに読み直してみてびっくり。 そうか、アドラー心理学ってハードボイルドだったのね…という思いがけない気づき。

Posted byブクログ

2014/03/23

依頼してきたのはポールの母親だった。ポールは両親に愛されない、孤独な少年。私立探偵が自閉症の子供を自立させるために奮闘する、探偵物としては異色だが、男の強さ、優しさが溢れている感動作である。

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2013/09/18

スペンサーシリーズは37作品目まで読んだけど、(読んでないのは文庫になっていないか、安くなっていないかのどちらか)やっぱり、初秋が一番面白いですね。

Posted byブクログ

2013/08/18

話としては面白かった。スペンサーは間違いなくかっこいい。 でも日本の小説に比べるとどこか大味さが拭えない。 それと、部屋や服装を現す表現なんかが少し分かりづらかった。

Posted byブクログ

2013/02/16

だいぶ前に読み終わってました。 映画「アパルーサの決闘」の原作者、ロバート・B・パーカーはアメリカでも日本でも有名なハードボイルド作家です。 最も有名なのがこのスペンサーシリーズの「初秋」。 私立探偵のスペンサーは典型的なマッチョタイプのハードボイルド探偵ではなく、ユーモア...

だいぶ前に読み終わってました。 映画「アパルーサの決闘」の原作者、ロバート・B・パーカーはアメリカでも日本でも有名なハードボイルド作家です。 最も有名なのがこのスペンサーシリーズの「初秋」。 私立探偵のスペンサーは典型的なマッチョタイプのハードボイルド探偵ではなく、ユーモアやジョーク、はてはシェークスピアの言葉を交えた語りで相手を魅了したり、独自の視点で依頼人とディスカッションを繰り広げたりと、従来の「寡黙=ダンディ」というスタイルとは違う魅力を持った探偵。 それだけでなく、料理や運動にもこだわり、様々な点で独特な魅力を放っています。 シリーズでは基本的には事件が起きてそれを依頼されて解決していくのですが、今回は少し趣が違います。 離婚した夫が連れ去ってしまった息子を取り返してほしいという依頼を受けたスペンサー、あっさりと取り返しますが、その息子ポールは、両親の間で裁判の駆け引きに使われることで、心を閉ざし、無気力な少年となっていた。 スペンサーはポールを自立させるため、自分の知っているすべてを教えることにします。 湖畔でボクシングを教えながら小屋を建てる大工仕事を二人でこなしていく二人。 最初は面倒がっていたポールも次第に心を開き始めます。 名シーンをひとつ紹介。 強引にさまざまなことを強要するスペンサーにポールは、 「どうしてほっといてくれないんだ」と怒ります。 それに対してスペンサーは、最低の状態にいるポールを今の状態から脱出させたいのだと答えます。そのために必要なのは体を鍛えることなのだと。 「おまえは自立する能力を身につけなければならない」 「自立心だ。自分自身を頼りにする気持ちだ」 「それ以外に途はないんだよ」 泣きじゃくるポールにスペンサーは言います。 「泣くのは構わないよ。俺も時折泣くことがある。」 強くて、優しい男、スペンサーになりてえ!と思うのは私だけでしょうか? ミステリーの範疇を超え、人間ドラマとしても最高の1冊。お勧めです。

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2013/04/23

ロバート・B・パーカーを読むのは2作目。作者の人生観が主人公スペーサーに現れている。男らしさ、騎士的な正義感、荒々しさをもつハードボイルド探偵物語。危機に際しては自然な恐れを抱くが、着々と最善のことをこなしてゆく。強さと優しさと、危険な世界を生きる知恵を持っている。そして探偵にし...

ロバート・B・パーカーを読むのは2作目。作者の人生観が主人公スペーサーに現れている。男らしさ、騎士的な正義感、荒々しさをもつハードボイルド探偵物語。危機に際しては自然な恐れを抱くが、着々と最善のことをこなしてゆく。強さと優しさと、危険な世界を生きる知恵を持っている。そして探偵にしては、よくしゃべる。本編は両親から疎まれて、何をする意思も持たなくなった少年を、親身になって両親から保護し、男としての教育をして自立させてゆく物語。ひ弱な少年が精神的にも肉体的にも一人前の青年に育ってゆく。ストーリーの展開が歯切れよく、悪役をやっつける主人公の活躍が、読んで楽しい。主人公の馬鹿なおしゃべりも笑える。

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2012/12/09

これほど独立独歩や意思決定について明確に定義した書物はない。物語はネグレクトされて自分の立ち位置を見失った少年に男臭い私立探偵が寄り添うことで自立させるという筋立てだ。私立探偵は「いいか、自分のコントロールできない事柄についてくよくよ考えたって、なんの益にもならないんだ。もうそろ...

これほど独立独歩や意思決定について明確に定義した書物はない。物語はネグレクトされて自分の立ち位置を見失った少年に男臭い私立探偵が寄り添うことで自立させるという筋立てだ。私立探偵は「いいか、自分のコントロールできない事柄についてくよくよ考えたって、なんの益にもならないんだ。もうそろそろやめるできだ。きみは惨めな生活をしてきたし、状況が好転するとは思えない。そろそろ成長しはじめるべきだ。しゃべるのをやめて、準備にとりかかるべき時だ。わかるか?」(p.104)という信念を愛情を込めて少年に教えていく。教えることはできても、決断するのは少年だ。やくたいもない両親を中心とした「いざこざ」は起きるのだが、それらの事件に左右されず、少年は人生を選び取っていく。過去や環境に左右されず、本質を見極めようとすること。意思を伴うダイナミズムをもってしか、厳しい世の中を生ききれないのではないか? 1980年初頭というアメリカが比較的豊かだった時代に問われた本書の視点は、混迷する21世紀を先取りしている。それに引き換え、吉川英治『宮本武蔵』や司馬遼太郎『竜馬がゆく』『坂の上の雲』など日本の同じような位置づけの作品が、あまりにも「状況の推移に身を任せる生き方」を強調し、「意思決定」というプロセスをあいまいにしている点は問題だろう。たしかに諸行無常であり、どうにもならないこともあると思う。でも、たとえ「そうせざるをえない」状況だったとしても「自分で選び取る」と思えなければ、人生は「空っぽのがらんどう」になってしまう。日本人の国民性だといえばそれまでだが。僕はロバート・B・パーカーの指針を全面的に容れます。

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2012/09/20

スペンサーシリーズ。図書館で借りました。 事件そのものは即解決するのですがその後に重点を置く辺りがスペンサーらしいと言うか。反対にスーザンの冷徹さにちょっとびっくり。精神分析医(家?)とかをやっている人は職業上厳しい状態の人にたくさん会うだろうから一々同情してたり手を貸すわけに...

スペンサーシリーズ。図書館で借りました。 事件そのものは即解決するのですがその後に重点を置く辺りがスペンサーらしいと言うか。反対にスーザンの冷徹さにちょっとびっくり。精神分析医(家?)とかをやっている人は職業上厳しい状態の人にたくさん会うだろうから一々同情してたり手を貸すわけにはいかないと言うことなのかな。それはわかるけど少年を嫌う必要はないだろうと思うのですが。愛しい男の日常に入り込んで一定期間拘束したから?ちょっと子供っぽすぎる嫉妬だなあ…。と言う訳で少しスーザン像が変わりました。まあ元々それほど好きなタイプではありませんでしたが。 肉体を鍛えることにより精神を鍛える。両親が頼りにならないなら子供は自立と成長を早めなくてはならない。厳しいけど真実かも…。面白かったです。

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2012/07/01

 ロバート・B・パーカーの四半世紀前の小説です。文体というか会話文が、少々古臭く感じなくも無いですが、なかなか良い物語を楽しみました。  パーカーのシリーズの中では、異色だそうです。事件よりひ弱で世をすねた少年とその少年の自立を手助けするスペンサーの物語といった印象があります。 ...

 ロバート・B・パーカーの四半世紀前の小説です。文体というか会話文が、少々古臭く感じなくも無いですが、なかなか良い物語を楽しみました。  パーカーのシリーズの中では、異色だそうです。事件よりひ弱で世をすねた少年とその少年の自立を手助けするスペンサーの物語といった印象があります。  「男らしさ」にこだわる探偵の姿にどこと無くヘミングウェイの面影を感じます。こだわる姿にときおり「寂しさ」や「悲しさ」が隠れているような気がします。そのあたりいい味だと思いますい。

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2012/06/17

スペンサーシリーズの代表作と言っていいと思うけど、僕はなぜかもうひとつ好きになれないでいた。物語の内容に倫理的な不信感を感じることはないのだけど、夫婦に対する視線が相対的に少し厳しすぎるんじゃないかと感じてしまうのだ。 たとえば、「誘拐」だって「ゴッドウルフ」だって、初期の作品...

スペンサーシリーズの代表作と言っていいと思うけど、僕はなぜかもうひとつ好きになれないでいた。物語の内容に倫理的な不信感を感じることはないのだけど、夫婦に対する視線が相対的に少し厳しすぎるんじゃないかと感じてしまうのだ。 たとえば、「誘拐」だって「ゴッドウルフ」だって、初期の作品に描かれる夫婦や親は、ろくなもんじゃなかったと思う。それでもスペンサーはその人たちと本気で敵対することはなかったと思う。ただ、相容れない生き方をふまえて、一応はハッピーエンドを考えていたような印象がある。 今回は、子供に教育をする物語だから、親を追い払わなければいけなくなる。そのために、物語としては親をきちんと悪者にしなければならなかったのだとは思うが、それでも何となく、情け容赦もない、という感じがしてならない。 息子ポールの成長ぶりは、なんだかんだいっても感動的である。「初秋」というタイトルに込められたニュアンスもいい味を出していると思う。シリーズの流れ全体としては、レイチェルにずたずたにされたものを、子供を介して立て直しているように感じられる。まあ、悪くない。 怒るスーザンが印象的。この先のシリーズの展開につながるわけではないと思うけれど、逆にスペンサーの身勝手さを感じさせてくれてお見事である。

Posted byブクログ