初秋 の商品レビュー
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喋りすぎの主人公に、たまにイラッとするけど、なにこれ少年の成長記じゃん。めっちゃ心の通い合うあったかい話じゃん。 この男と付き合う彼女の器のでかさに乾杯です。
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ポールと共にスペンサーから人生訓を学ばせてもらえ、体を鍛えよう!得意なこと、好きなことに夢中になる時間を大切にしよう!と思わされる。 スペンサーのハードボイルドな言動が男気にあふれていてかっこいい。 P281 「おまえより進んでいるのが何人かいるだろう。おまえは努力して追いつかなければならない。しかし、必ず追いつける。たった一夏で自分がやったことを考えてみろ」 「ただし、ぼくは、なにも自分のものにすることができなかった」 「できたよ」 「なにを?」 「人生だ」 という最後のシーンにグッときた。
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本書を含む、ロバートBパーカーのスペンサーシリーズと、エドマクベインの87分署シリーズを、定年後に全作読み返す事を楽しみの一つに数えている。 定年を待つこと無く、この『初秋』を読み返したくなったのは、高倉健さんが亡くなったことに始まる。かつて、この『初秋』を映画化する話があった...
本書を含む、ロバートBパーカーのスペンサーシリーズと、エドマクベインの87分署シリーズを、定年後に全作読み返す事を楽しみの一つに数えている。 定年を待つこと無く、この『初秋』を読み返したくなったのは、高倉健さんが亡くなったことに始まる。かつて、この『初秋』を映画化する話があったと聞いていたからだ。絶対に観ることができない映画になってしまったが、小説は読む事ができる。高倉健さんが亡くなり1年経ったが、秋のうちに読んでおきたいと思った。 ネグレクトされ心を閉ざした少年を一時期預かり、ともに生活する中でウエイトトレーニングやボクシング、大工仕事、料理、服の選び方等々を教えていく。一夏の間に少年は本来の自分を取り戻し、将来の目標を見つけ、自立できるまでに成長する。秋を迎える頃にはスペンサーの元を離れ一歩を踏み出す。その後のシリーズにも、この少年は時々登場するので、彼の成長ぶりは時を追って知ることができる。 少年に向けただけでは無い。自立した大人とはどうあるべきかのメッセージがこめられており、読者はメッセージを受け止めないといけない。あるいは受け流すのか。 20数年ぶりに読み返し、僕は息子に何を伝えられただろうと考え込んでしまう。 息子が小学校5年生くらいの時に読み返していれば、僕の子育て人生(?)が変わっていたかもしれない。 読む時期により、ずいぶん感じ方が変わると実感した再読体験だった。将来、僕は孫を持つかもしれない。その時、僕はこの小説をどう読むのだろうか。
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ロバート・B・パーカーによるスペンサー・シリーズの第7作目。1980年発表、1982年邦訳発刊、1988年文庫化。 1980年代、文庫化前のシリーズを何冊か読んだが、今般久し振りに手に取った。 父親からも母親からも真の愛を受けることなく育ち、何事にも関心を示すことなく固く心を閉ざ...
ロバート・B・パーカーによるスペンサー・シリーズの第7作目。1980年発表、1982年邦訳発刊、1988年文庫化。 1980年代、文庫化前のシリーズを何冊か読んだが、今般久し振りに手に取った。 父親からも母親からも真の愛を受けることなく育ち、何事にも関心を示すことなく固く心を閉ざしている15歳の少年ポールを、スペンサーが、郊外の森の中に一緒に小屋を造り、身体を鍛え、料理を作り、作家について語ることにより、一人前の人間としての自信を付けさせる過程を描いた異色の作品。日本では、30数作のシリーズの中でも最も人気があるという。 上記のようなテーマから、スペンサーが自らの生き方のプリンシプルを語る場面が多数登場する。 ポールの「どうしてアイスクリームを食べなかったの?」という問いに対して、「自分で決めた交換条件だ。ビールを飲んだらデザートは食べない。・・・男は、こうと決めたことは守らなきゃならねえんだ」 相棒のホークについて、「彼は怖い男だ。いい人間ではない。しかし、立派な男だ。その違いがわかるか?」 父親が自分を誘拐するかもしれないと怯えるポールに対して、「彼が試みるかどうかについてあれこれ考えるよりは、彼が試みた場合にどうするのがいちばんいいか、ということを考える方がいいんだ。彼がやるかどうか、きみには判断できない、彼の考え次第だ。きみは、彼が試みた場合にやるべきことを決める。それはきみの考え次第だ。わかるか?・・・自分がコントロールできる事項がある場合は、それに基づいて必要な判断を下すのが、賢明な生き方だ」 ポールにウェイト・リフティングを教える際に、「得意なものがなんであるか、ということより、なにか得意なものがあることの方が重要なんだ。おまえにはなにもない。なににも関心がない」 ポールがかつてバレエに興味があると言った際に両親が頭から否定したことに対して、「要は、自分はこうあるべきだ、という考えにとらわれないことだ。自分でできるものなら。自分の気にいっていることをするのがいちばんいい」 自らのスタイル・美学を持つスペンサーがあまりに格好良い。
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私立探偵スペンサーシリーズ第7作。スペンサーのもとに父親に連れ去られた子供を取り返してほしいと依頼が母親からくる。この家族とやりとりしていくうちにどうやら子供のポールは双方どちらにも愛されていないことがわかってくる。スペンサーは子供の人生を案じ、奮闘する。 ハードボイルド。冗談...
私立探偵スペンサーシリーズ第7作。スペンサーのもとに父親に連れ去られた子供を取り返してほしいと依頼が母親からくる。この家族とやりとりしていくうちにどうやら子供のポールは双方どちらにも愛されていないことがわかってくる。スペンサーは子供の人生を案じ、奮闘する。 ハードボイルド。冗談が好きな主人公だが、いまいちジョークがよくわからない部分もある。 村上春樹の主人公はだいたいこういう生活をしている気がする。
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ハードボイルドな探偵・スペンサーのシリーズの1作。捜査の内容よりも、ネグレクトを受けた少年を引き受けて、自立させようとする所が好きな作品です。 【おまえが今のようになったのは、彼らのせいだ。でも、両親が人間的に向上することはありえない。お前が自分を向上させるしかないんだ】 ...
ハードボイルドな探偵・スペンサーのシリーズの1作。捜査の内容よりも、ネグレクトを受けた少年を引き受けて、自立させようとする所が好きな作品です。 【おまえが今のようになったのは、彼らのせいだ。でも、両親が人間的に向上することはありえない。お前が自分を向上させるしかないんだ】 一番忘れられないスペンサーの台詞は、これ。
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スペンサーシリーズ第7作 ネグレクトされた少年が、親の離婚の争いに巻き込まれ、見かねたスペンサーが少年を引き取る。自立させるためにトレーニングや大工仕事を一緒にさせた結果、固く心を閉ざしていた少年は前を向き自分の道を進むようになる。人情味あふれるハードボイルド 鍛えられた身体を持つハンサムで器用でマメな私立探偵。彼の言葉はクールだわ。
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ロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズ初読みにして異色作(事件などほとんどどうでもよい感じ)。この作品を読むと、自分がハードボイルド小説の主人公に求めていたものはマッチョイズム=男性原理→私が求めても永遠に得られることの無い父性的な何か、なのかもしれないなと思う。 駄目な両...
ロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズ初読みにして異色作(事件などほとんどどうでもよい感じ)。この作品を読むと、自分がハードボイルド小説の主人公に求めていたものはマッチョイズム=男性原理→私が求めても永遠に得られることの無い父性的な何か、なのかもしれないなと思う。 駄目な両親の犠牲になり、放置子として生きる喜びも目的も無く育ったポールをなんとか自立に向けて導こうとする私立探偵スペンサー。親から愛を受けられなかったポールが醸し出すちぐはぐな感じが痛々しい。「誰も彼にふるまい方を教えてやらなかったんだ」。15歳。ねじくれこんがらがったまま固まってしまう寸前にスペンサーに拾われるポール。かりそめの親子となったふたりの心の交流が丁寧に描かれる。恋人スーザン(茶目っ気があって知的でちょっとやきもち焼き)も入り込めないほど濃密なふたりの時間。誰かを自分の手で育てたいというのはエゴなのかもしれない。でも、ではこれが愛でなくてなんなのか。 スペンサーはフィリップ・マーロウに比べるととても真っ当で健康的。昼夜問わずウイスキーを飲んだりしないし、喧嘩っ早いという事も無い。趣味は運動に読書。そして料理が上手。「男らしい」というより、「人間らしい」魅力的なひとだった。
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スペンサーシリーズで一番好きな作品。 はじめて読んだ時は、ただただ「カッコいいなぁ」だけだったけど、流石に僕も大人になり、この両親のダメさ加減も良く分かるし、昔はあまり気にして読んでなかったスーザンの気持ちも理解できているような気がする。 そのうち僕の子供も自立する時が来る。その...
スペンサーシリーズで一番好きな作品。 はじめて読んだ時は、ただただ「カッコいいなぁ」だけだったけど、流石に僕も大人になり、この両親のダメさ加減も良く分かるし、昔はあまり気にして読んでなかったスーザンの気持ちも理解できているような気がする。 そのうち僕の子供も自立する時が来る。その時にでもまた読んでみよう。
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