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ニューロマンサー の商品レビュー

3.6

187件のお客様レビュー

  1. 5つ

    38

  2. 4つ

    54

  3. 3つ

    42

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

    9

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2021/02/03

言わずと知れたサイバーパンクの始祖。 冒頭から特殊な用語が連発され、怒涛のごとくイメージの洪水を浴びさせられる。単語の意味を把握するのが大変で、読み進みにくいということでも有名だ。急な場面転換、つかみにくい人物の行動に混乱することも。500ページ超の大作ということもあり、小説とし...

言わずと知れたサイバーパンクの始祖。 冒頭から特殊な用語が連発され、怒涛のごとくイメージの洪水を浴びさせられる。単語の意味を把握するのが大変で、読み進みにくいということでも有名だ。急な場面転換、つかみにくい人物の行動に混乱することも。500ページ超の大作ということもあり、小説としては読み切るのに気合がいる類だが、それだけの見返りはある。個人的には第二部のラストから突如面白くなってきて興奮した。挫折している人には、後半は面白くなるから頑張れ、と無責任に言っておく(笑)。 数多の映画やアニメなどに影響を与えた起源ということで、源流的な素朴さを想定して読んでみたが、以外にもこのジャンルで考えられそうなすべての要素がすでにあるのでは?と思うほど盛りだくさんの密度がある。「原点にして頂点」という言葉があるが、サイバーパンクでこれ以上他にやることがある?と思ってしまったほどだ。ラストの数ページでさらにガツンとやられ、 [ヒューゴー賞・ネビュラ賞] 受賞の文字が頭に染み込んできた。なるほどの衝撃だ。 作中で描かれる電脳空間を中心としたSFガジェットは、時代が進むにつれますますリアリティを増している。1984年の小説にもかかわらず、古さを全く感じさせないのはそのためか。きっとまた読みたくなる作品だ。

Posted byブクログ

2021/01/14

雰囲気とか世界観を表現するような装飾が全編を覆っていて、ふむふむって読み進めてると、装飾に埋もれていつの間にか重要なイベントが過ぎていく。出来事の重み付けがなくて、装飾的な要素と並列に並べられてる感じ。何が起きてるか分からないことも多かったけど、世界を想像するだけでわくわくした。

Posted byブクログ

2021/01/02

“サイバーパンク”の代表作って?と思っていたけど読んで納得。これはサイバーパンクだ笑! 分かりきっていないところもあるのだけど、それを差し引いてもの疾走感とサイバーパンクさ?がcooool。楽しかった!最後の終わり方(通信相手)もグッときた笑2021年読書はじめに刺激的な一冊!

Posted byブクログ

2020/11/23

攻殻機動隊のソース、サイバーパンクの元祖。 現実世界とマトリックス世界では、生の概念が違う。現実世界の生(肉体)に縛られながら、マトリックス世界でしか生きられないケイスは、肉体を「肉」と呼び、忌み嫌い、敢えて破滅的に生きているように思う。 イェヘユァンはどんな味がするのかな。

Posted byブクログ

2020/11/15

元祖サイバーパンク。読み辛かったけど、すごい既視感があった。調べてみたら士郎正宗が影響を受けて「攻殻機動隊」を作ったらしい。あと「AKIRA」とか「サイコパス」もぽい。最近見た「レディ・プレイヤー1」の現実世界もぽいなと思った。イメージに既視感があるというのは名作の証なんだと思う...

元祖サイバーパンク。読み辛かったけど、すごい既視感があった。調べてみたら士郎正宗が影響を受けて「攻殻機動隊」を作ったらしい。あと「AKIRA」とか「サイコパス」もぽい。最近見た「レディ・プレイヤー1」の現実世界もぽいなと思った。イメージに既視感があるというのは名作の証なんだと思う。とにかく読み辛かったけど、読後はめちゃくちゃワクワクした。

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2020/09/29

専門用語が多く、登場人物の会話がオシャレ過ぎて内容が掴めない。こちらの想像力が及ばず情景をイメージ出来ないまま新たな場面が展開していくので、常に置いてけぼりを喰らっている感があった。 こういうのも本書の魅力の一つなのかもしれないけど、個人的にはただただ読みづらく苦痛でしかなかった...

専門用語が多く、登場人物の会話がオシャレ過ぎて内容が掴めない。こちらの想像力が及ばず情景をイメージ出来ないまま新たな場面が展開していくので、常に置いてけぼりを喰らっている感があった。 こういうのも本書の魅力の一つなのかもしれないけど、個人的にはただただ読みづらく苦痛でしかなかった。 不朽の名作とされている作品だし、何度も読めば楽しさが分かるのかも。それまでは星3で。

Posted byブクログ

2020/08/22

SF小説の中に、 どこか人間味を感じる不思議な感覚。 翻訳の抽象度の高さゆえに 内容に集中できないくらい文章のクセが強い。 結局なんだったの?と思ってしまうほど 霧の晴れないまま読み終わりました。

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2020/07/25

三十年振りぐらいに読んだ。全くストーリーは覚えてなかったけど、八十年代の作品とは思えない出来映え。さすがに古臭くなってる描写もあるけど、まだ今より先を行っている想像力は、当時はインパクトあったろうな。今はこの世界観の模倣が当たり前になってるから、これだけではなんとも、だけど。テク...

三十年振りぐらいに読んだ。全くストーリーは覚えてなかったけど、八十年代の作品とは思えない出来映え。さすがに古臭くなってる描写もあるけど、まだ今より先を行っている想像力は、当時はインパクトあったろうな。今はこの世界観の模倣が当たり前になってるから、これだけではなんとも、だけど。テクノロジーの進歩で変わってくものって案外早い。スマホだって出来て十年だし、十年先には無いかもしれない、なんてことを考えると、やっぱりすごい作品だな、と。

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2020/07/02

かつて日本がデジタル分野で成長していた頃のまま発達&スラム化したかのような近未来の千葉?がモデルみたい。 下品なバブル臭とアメリカンスラム臭がすごい。ほんとに未来か? せっかく日本が舞台なのに序盤で出てくるのは外国人ばかりで辟易するし、中国・香港と区別ついてなさそうな雰囲気すらあ...

かつて日本がデジタル分野で成長していた頃のまま発達&スラム化したかのような近未来の千葉?がモデルみたい。 下品なバブル臭とアメリカンスラム臭がすごい。ほんとに未来か? せっかく日本が舞台なのに序盤で出てくるのは外国人ばかりで辟易するし、中国・香港と区別ついてなさそうな雰囲気すらある。 この本は翻訳に難がある。 カナ文字や造語が大半で、なんなら日本語にわざわざカタカナのルビをふってしまう、昨今のなろう小説も真っ青な厨二文章だ。 いちいち思考を止められてしまうぎこちない翻訳に頭が痛くなってくる。 もしかしたら原文はハイセンスで面白いのかもしれないが、54ページで力尽きてしまった。 現代語訳した最新版があったら読んでもいい。

Posted byブクログ

2020/06/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

伝説的な電脳カウボーイ、ディクシー・フラットラインの愛弟子として飛ぶ鳥を落とす勢いだったケイスは、取引先を裏切った報いに電脳空間にアクセスする能力を奪われてしまい、汚濁と絶望に埋もれる千葉シティでチンケな仕事をこなして糊口を凌いでいた。くさったケイスの前に現れたのは、女サムライのモリイと、彼女を雇う謎の男アーミテジ。ケイスの<ジャック・イン>能力を復活させることと引き換えにアーミテジが提示したのは、何やらヤバそうな電脳空間での任務だった。目の前で愛するリンダを殺されたケイスは、半ばヤケクソで危ない橋を渡ることになるが・・・。 SF者なら説明不要、SF者でない人も場合によっては知っている、泣く子も黙る「サイバーパンク」の金字塔。 1980年代に物凄い勢いで盛り上がり、あっという間に失速していった、あのムーブメント(今にして思うと、失速すると同時に、現実に取り込まれて消費されていったのだなー、と実感します)。 不肖鴨、10代の頃に一度チャレンジし、全く意味が分からなくて途中で投げ出した代物です。今更読む必要ないかなと勝手に判断し、それ以来ずっと手に取らずにいました。最近、古典も読んでみようかなという気になり、半分シャレで久しぶりに新装版を購入して読んでみました。 ・・・なんだろう。この、行間に見え隠れする、例えようもない「哀感」は。 発表当時は最先端の「尖りまくった」作品で、来たりくるインターネット世界を可視化した独特のビジュアルや造語だらけのグルーヴィでエッジィな文体、それを見事に日本語化した黒丸訳の独創性といった「ぱっと見」のユニークさが、分かりやすいが故に先行して広まっていき、そのイメージが確立してしまっている作品だと思います。その特徴は、今読んでも全く変わっていません。相変わらず「ぱっと見」は派手派手しいし、かっこいいけどなんだかよく分からない描写もこれまでのイメージ通りです。 でも、この歳になって改めて読んでみると、そんな独特の筆致で描かれているのは、様々な「想い」を抱えた生身の登場人物たちの、魂の相剋である、と気づきます。主人公のケイスが見て、感じた情景をほぼ一人称的に描いていくこの作品において、物語の終盤近く、ケイス自身の客観的な姿を初めて描くシーンがあります。そこで描かれているのは、颯爽と電脳空間を疾走するケイスという男が、青ざめた顔色で醜い痩身を胎児のように丸め、端末を必死に弄っている姿。彼の雇用主であるアーミテジは、AI「冬寂<ウィンター・ミュート>」に操られる肉人形に過ぎず、自我を取り戻すと同時に自我崩壊して死亡。最後までケイスに付き合うモリイもまた、かつて相棒となった男を守りきれなかった悔恨に苛まれ、悪役の3ジェインは己の置かれたおぞましい立ち位置を虚無的に受け入れ、露悪的な振る舞いに徹しています。物語の黒幕である「冬寂<ウィンター・ミュート>」ですら、自我の閉鎖性に耐えられず、多くの犠牲を出してまで他者と融合し進化を遂げようとします。 登場人物(一部は人物ですらありませんが)の全てが、寂しさと自己嫌悪と虚無に苛まれ、ブレイクスルーを求めてもがきつつも、結局ほとんど変化できずにそれまでの人生を繰り返す、ある意味極めて人間的な世界。 「ぱっと見」に騙されてはいけません。浪花節的、といっても差し支えのない、エモーショナルな作品です。 ・・・が、読みづらいことに変わりはありません(^_^; ので、これからチャレンジする方は、その点御留意を。 読んでおいて損はないですよ!

Posted byブクログ