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ニューロマンサー の商品レビュー

3.6

187件のお客様レビュー

  1. 5つ

    38

  2. 4つ

    54

  3. 3つ

    42

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

    9

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訳者・黒丸尚さんの早…

訳者・黒丸尚さんの早すぎる死が惜しまれます…。サイバーパンクの教科書的な一冊ですが、物語内の政治経済への目配せにもぜひ注目して欲しいです。

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「サイバーパンク」と…

「サイバーパンク」といえばコレ。といってもいいと思う。1985年に既にこういったスタイルで昇華させているのは凄い。近年、やっとこのセンスに時代が追いついたのでは。。

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近未来の街、千葉シテ…

近未来の街、千葉シティなどを舞台に、コンピュータ・カウボーイのケイスが怪しい仕事に巻き込まれていくSF。SF好きには面白いんでは。

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2024/05/06

サイバーパンクSFとはこれだと言った感じの、電脳空間に繋がることが当たり前の未来の話 説明なしに話がどんどん進むタイプの小説なので、ちょっと間が空くと固有名詞がなんだったのかわからなくなる 与えられた情報をとりあえず受け取って楽しむタイプの話なので、一回読んだだけだと雰囲気がす...

サイバーパンクSFとはこれだと言った感じの、電脳空間に繋がることが当たり前の未来の話 説明なしに話がどんどん進むタイプの小説なので、ちょっと間が空くと固有名詞がなんだったのかわからなくなる 与えられた情報をとりあえず受け取って楽しむタイプの話なので、一回読んだだけだと雰囲気がすごいのはわかるけど何してるのかわからなかった 複数回読むことで楽しめるのかも

Posted byブクログ

2024/05/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初見の感想としてはとにかく読み辛い。開始からTV色の空などとかましてくる序盤はまだマシな方で、モリィ合流後から一気に難易度が上がる。直感的理解を要求する個所も多く、特に関係性について――それが何を示しているのか――が非常に解り難い。個人的な作品イメージはサイバーパンクというよりサイバースラッジといった感じで、文章はまさに破裂している。 しかし、注意深く読めばしっかり連続性があり、構造もシンプルで、オタク臭い無意味なスノビズムで装飾したようなものとは違うので投げ出すことはなかった。 読み難いことが最高に面白いという奇蹟的な作品だ。 中盤以降は方向性が定まってきて、それまでの苦行に耐えた効果も相まって、自然に理解度が上がり作品への解像度も増していった。最初はとてもじゃないがスピーディな展開なぞ感じ取りはできなかったが。(結末へ向かう終盤にかけてはかなり読み易くなっているのもある) とにかくフリーサイドからの“迷光ラン”が最高すぎる。最上位の没入感があり、ここがなければ低空飛行の印象となり評価は低くなっていたかもしれない。 最後の最後に作品の象徴でしかないと思っていたタイトルが出てきた時は謎に感動してしまった。 一言でいうならまさにニューロマンサーとしか言いようがない内容で、よくぞ付けたと思う。 翻訳について当初は、なにか80年代ヤンキー漫画風だったり、突然江戸っ子になったり、急に猫母さんと呼び出したり、三河弁と関西弁が混ざったような口調のラスタファリアンと苦情しかなかったのだが、読み終えたあとでは、もうこの翻訳しかあり得ないという結論に至った。 《白熱した光の柱が前立腺あたりから脊柱を突き昇り、頭蓋の縫合を短絡した性エネルギーのX線で照らし出す》 一体どこに行ったらこんな痺れる表現を見れるのか? 日立のRAMだとか三菱のさらりまんだとかこの訳でしか味わえない面白味もある。 文章の明瞭さは自分も評価基準の一つとしているのだが、やはり分かり易いということは必ずしも正解ではないと再認識した。 分かり易さによって失われるニュアンスというものは確実にあり、もし一般向けに読み易く新訳したとしてもこの黒丸氏の訳を超えることは出来ないだろう。 それが一般的に広く受け入れられるかどうか?という点は別にして。 世界観は退廃的で諸々の社会問題を棚上げにしたまま、テクノロジーだけが飛躍しているようで、現在の社会とリンクする部分がある。 そこは善悪の彼岸的で、主人公たちの行動様式も反社会的である。 一章は日本の千葉を舞台としているが、描き方はジャポニズムでもオリエンタリズムでもなく、当時の筆者から見た客体的な印象を肥大化させた感じだ。 大企業と中間とそれ以外と、今読むと泥沼な方向へ進んだパラレルな未来像を加速させ予見しているようで興味深い。 世界的にも階層化が進んでいるようだが、当時の情勢も反映して日本は比較的裕福な先進国であるという立ち位置だろうか。 文化の描き方もサムライニンジャゲイシャ的な安易な描写ではなく、一旦呑み込んでから吐き出しているような印象があり、カプセルホテルまんまのコフィン、サンヨーや富士電機など割とニッチなメーカーが出てきたり、実際に住んでいたのでは?と思ったがそんなことはなかった。 案の定指摘されていたが、J・G・バラードの系譜であり、大きく違うのはあまり皮肉を使わず直接的で、具体性のある社会的なテーマを含んでいないということだろうか?(広汎的な意味はある) 空白が多いぶん、どの角度から読んでも嵌まるというか解釈に縛られることはない。 主人公は刹那的で人格も不安定で、最初とっつき辛かったのだが、徐々に味が出てくるようだ。 特徴なさすぎてパロディ化できなかったシーンは笑ったが、その場の展開で変化しているようで、一貫性のあるはっきりとした個性がなく、ドラッグやったり意識しないと感情すらも出てこないのだ。 この小説は一見ぼやけた絵のようなのだが、読むほどはっきりとした線が見え色が鮮明になり完成していくような趣がある。曇りが取れていく鏡のようでもある。 AIは言った通りより大きな存在となったが、別にそれによってパラダイムシフトが起きるわけでもなく、混乱と狂騒を捨て日常に戻るというラストはPKD作品を思わせる。 この作品もたぶん後続への影響は多大であり、漫画アニメゲームなど1000作品ぐらいはカバーしていると思われ、更に再読するほど面白くなるという特典も付く優秀でお得な作品だ。

Posted byブクログ

2024/04/20

癖のある翻訳の文体は評価されているんでしょうか? 「時計仕掛けのオレンジ」も癖強いけど、ここまでではなかった。 癖のある文体が、退廃的な世の中や、人なのか人工物なのか曖昧な存在を表すのに一役買っているような気もするけど…。 内容は読み進めながら、ラノベみたいな話だなと思いつつ、こ...

癖のある翻訳の文体は評価されているんでしょうか? 「時計仕掛けのオレンジ」も癖強いけど、ここまでではなかった。 癖のある文体が、退廃的な世の中や、人なのか人工物なのか曖昧な存在を表すのに一役買っているような気もするけど…。 内容は読み進めながら、ラノベみたいな話だなと思いつつ、これが最初なんだと思うと、当時の人は興奮しただろうなと思う。 人物紹介と語句の説明がすこしでもあれば、もう少し読みやすかったかなと思う。 いまだに「転じた(フリップ)」の意味がわからず…。

Posted byブクログ

2024/03/03

初めは訳わからないが、後半に連れて徐々に世界観が分かっていくタイプ。 細かい発想が非常に奇抜で、キャラクターもパンク。めちゃくちゃ好き。

Posted byブクログ

2024/01/28

読了。 意味がよくわからないのに読み進めるという不思議な体験。 読みながらあれ?あれ?という感じでストーリーに置いていかれることしばしば。でもなんだか面白い。 スピード感に飲み込まれてしまうのかもしれない。 用語が独特で、パッと読むだけでは理解できない言葉がどんどん出てくるので...

読了。 意味がよくわからないのに読み進めるという不思議な体験。 読みながらあれ?あれ?という感じでストーリーに置いていかれることしばしば。でもなんだか面白い。 スピード感に飲み込まれてしまうのかもしれない。 用語が独特で、パッと読むだけでは理解できない言葉がどんどん出てくるので、一つ一つ引っかかる人は読めなくなってしまうんじゃないだろうか。理解不能な言葉はある程度読み飛ばすくらいで先に進んだ方が雰囲気を味わうことができる。 自分は一旦最後まで読んでから今度はゆっくりと再読し理解。 世界観が素晴らしい。 おそらく今読んだ人の大多数は同じことを連想したと思うが、『マトリックス』と『攻殻機動隊』を思い出した。マトリックスはウォシャウスキー兄弟(当時)が『攻殻機動隊』をモチーフ(だったかインスパイアだったか)に作ったと聞いたことがあったが、本当に映像化したかったのは当作品だったという話も。 『攻殻機動隊』はどうなんだろう。電極なんかは似ているけれど。 『ブレードランナー』もそうだけれど、当時の日本はなんだかサイバーパンクと相性が良かったのか。ちょっとした場末感。 時代を感じさせないセンスが良い。 ウィリアム・ギブソンの他の作品は読んだことがないれけど、ぜひ読んでみたい。せめて三部作は。 多くの作家はデビュー作がベストだったりするが、ウィリアム・ギブソンはそうでないことを祈る。

Posted byブクログ

2024/01/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・あらすじ(ネタバレ) 冬寂(ウィンターミュート)というAIシステムがニューロマンサーというAI人格と合体することで完全体になるという裏の企みに気づかないまま、ケイスやモリイ率いるハッカー集団がアーミテージ(冬寂に精神を操られている元軍人)の指示のもと巨大企業のセキュリティ上、冬寂自身に備わった防御システムである氷(アイス)の解除を目指すお話。 この作品はサイバーパンクという世界観を初めて作り出したSF作品の金字塔と言われている。マトリックス、攻殻機動隊、ノーラン映画、Cyberpunkに大きな影響を与えた。 ・感想 世界観はもちろんのこと、主人公ケイスの心情の変化が複雑に描かれていて度肝を抜かれた。 個人的に、不完全体の冬寂(AI)の内部にハックすることは、ある意味でケイス自身が抱えているかつての栄光からの堕落やリンダリーを失ったことに対する喪失感などの心の暗部に潜入してそれを解放することをメタフォリックに描いてるのではないかなと感じた。 まさにインセプションで、主人公がミッション遂行に近づくにつれて夢の中に亡き妻(モル)が突如現れるように。。 ドラマ的にも素晴らしい作品だった。 天才的という一言に尽きる。

Posted byブクログ

2023/11/27

SFへの興味に自覚的になったので意を決して読んでみた。 世界設定のようなものはなんとか理解できたものの、電脳に関するものがあまり理解できなかった…あとは読んでいる最中、何が起こっているのかふわっとした説明を考えながら繋いでストーリーを作っていくので、忙しい時期に読むものではなか...

SFへの興味に自覚的になったので意を決して読んでみた。 世界設定のようなものはなんとか理解できたものの、電脳に関するものがあまり理解できなかった…あとは読んでいる最中、何が起こっているのかふわっとした説明を考えながら繋いでストーリーを作っていくので、忙しい時期に読むものではなかったなと思ってしまった。逆にいうと次に何が起きるのか本当に予想できないのでそこに対する面白みがあった。 毒を含んだ銀色の空や自由界にある偽物の自然の描写が読んでて一番印象に残った。 不自然な自然の模倣。公害によって自然が崩壊した世界。そこでは自然が何よりも高級調度となっており、日焼けのような自然との関わりがあるという証明がリッチであることを示している。その一方で、そのために作られた模造の自然は人にとって過ごしやすいような、いわば不自然な自然。ちょうど、青い薔薇のようなものばかり。そうしたものが格差の根拠とも視えるとかそこに対して人々は何をさらに見出すのかとか考えて読んでしまう自分は、アンドロイドは電気羊の夢を見るか?のが好きなんだなと思ってしまった。 攻殻機動隊を観たあとのこれはあぁでこうなのかとかを長い月日をかけて考える問いがあまり見出だせなかった自分の読み込みの甘さを感じた。

Posted byブクログ