ニューロマンサー の商品レビュー
訳者・黒丸尚さんの早…
訳者・黒丸尚さんの早すぎる死が惜しまれます…。サイバーパンクの教科書的な一冊ですが、物語内の政治経済への目配せにもぜひ注目して欲しいです。
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「サイバーパンク」と…
「サイバーパンク」といえばコレ。といってもいいと思う。1985年に既にこういったスタイルで昇華させているのは凄い。近年、やっとこのセンスに時代が追いついたのでは。。
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近未来の街、千葉シテ…
近未来の街、千葉シティなどを舞台に、コンピュータ・カウボーイのケイスが怪しい仕事に巻き込まれていくSF。SF好きには面白いんでは。
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「面白いし、凄いんだよ!しかし……」 本作の感想をまとめるとこうなる。本作は、サイバーパンクの源流として名高いウィリアム・ギブスンの初長編作品。『マトリックス』を制作したウォシャウスキー兄弟が当初、本作の映画化を目指していたということからも、本作が後の「サイバーパンク」という...
「面白いし、凄いんだよ!しかし……」 本作の感想をまとめるとこうなる。本作は、サイバーパンクの源流として名高いウィリアム・ギブスンの初長編作品。『マトリックス』を制作したウォシャウスキー兄弟が当初、本作の映画化を目指していたということからも、本作が後の「サイバーパンク」という世界観の普及に絶大な影響を与えたことは疑いようがない。高度に発達したテクノロジー・人工知能(AI)、人間とコンピューターとの接続、インターネットとサイバースペース、部分的(ないしは全体的)に機械化された人間たち、東京や香港等アジアの都市をイメージさせる退廃的な雰囲気、巨大企業が世界を牛耳るディストピア世界……明るい未来を描いたそれまでのSFとはまったく違った「尖った」世界観を提示した本作は、当時の「尖った」SFファンを大いに熱狂させたであろうことは想像に難くない。これが1984年という時代に考案されたものであるという事実が驚異的であり、SFのパラダイムシフトをもたらした作品としての栄誉に十分に値する。SFとしては120点である。 しかし、である。個人的には本作には大きな問題点があると感じた。一言で言えば、本作は「小説」としての「様式」がほとんど破綻してしまっている。一切説明なく次々と登場する独自概念、作中誰のセリフなのかわからない場面多数、登場人物たちの行動原理・動機がまったく意味不明……など枚挙にいとまがないのだが、作者の「小説家」としての技量に問題がありすぎて物語に「没入(ジャック・イン)」できないのが本当に残念でたまらない。私は、昨今の「何でもかんでも説明しないとわかってもらえない」方式の作品作りはとても嫌いなのだが、それにしても本作はひどすぎると思う。みんな本当にこの作品が「わかって」「楽しい」と思っているのかな?と疑問に思ってしまった。 それでも、繰り返しになるが、発表された時代に鑑みると提示されているSF的要素はどれもこれも凄いと思えるものばかりなので、本作の偉大さを否定するつもりはない。ただ、どの書評を読んでも、「物語」としての本作の魅力を語っているものが見当たらないところを見ると、上述した本作の問題点というのは割合とあたっているのではないだろうか。 用語解説等を頭に入れて解像度を上げたら楽しめたという声も散見されるので、いつかは再読してみようとは思う。ただ、私は『攻殻機動隊』や『AKIRA』もそれほど楽しめなかったクチなので、サイバーパンクが肌に合わないのかもしれない。
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驚いた。 1984年に書かれた小説だとは。スマホ前どころか、ブロードバンド前、どころか、Google検索前!? サイバー空間が舞台の小説ですが、今読んでも全然古く感じないです。 嘘でしょ、と思った。著者は予言者マーリンですか?! そして、内容を半分も理解できなかったのに、興味深...
驚いた。 1984年に書かれた小説だとは。スマホ前どころか、ブロードバンド前、どころか、Google検索前!? サイバー空間が舞台の小説ですが、今読んでも全然古く感じないです。 嘘でしょ、と思った。著者は予言者マーリンですか?! そして、内容を半分も理解できなかったのに、興味深すぎて最後までぐいぐい読んじゃったという、不思議な小説。私はいつもは意味が分からない文は読み進めるのを苦痛に感じる人間なんですけどね。 半分も理解出来なかったのは、もちろんこの小説が難解だからなんだけど、この「難解さ」は文学的に難解だったり修辞的に難解だということではなくて、単に用語(動詞や名詞)が分からないことからくるもの。造語だったり新しい概念を意味してたりする単語が、その意味を類推できる説明やヒントが一切ないまま多用されるので、何が行われているのか分からないの。きっとそれは著者の力量不足というより意図的にそうしてるんだと思うけど。 コンラッドの「闇の奥」の英語みたいな難解さでは全然ないです。 真ん中くらいまで読み進んだとき、私は完全にロストしていて、このリヴィエラって誰だっけ?(注・超重要人物です。なのに最初に名前が出てきた時のことをその時はまったく覚えていなかった)となっていて、その人物の初登場シーンを探して、かなり最初の方まで遡って再読したら、なんと、二回目だとめちゃくちゃ意味が分かる! ということで、一回しか読んでないところは意味わかんないままなので、もう一回読もうと思う。たぶん二回目だとだいぶ意味が分かるようになってると思う。 さっきwikiの説明も読んだが、え?そんな話だったの?と私的には驚くべき新事実がいっぱいあり、かなり知識が補強されたので、それも二回目の時の助けになると思う。 私は「デッキ」とか「構造物」とか、きっと分かる人にはすぐ分かりそうな単語ですら、解説サイトで初めて正確に理解した。読んでる間は、これらの言葉が何を意味してるのか正確に知りたいとずっと思ってた。 これから読もうと思うけど一回しか読みたくない、という人は、ネットにたくさん落ちている用語解説や、登場人物解説などを参照しながら読めば、二回読む必要ないんじゃないかな? 私は小説でもゲームでも映画でもドラマでも、まずはまっさらで楽しみたいと思う方なので、あくまでも初回は解説関連は読みたくないし、頑なに読まない方だけど、この小説に限っては、用語解説、登場人物解説を先に読むのもありだと思った。 いやーしかし、この小説読むと、チバシティがこの上なくクールで怪しい場所に思えたわ。チバシティがですよ?笑 この調子で、ぜひとも他の日本のローカルな街も舞台にしてほしかった。ヒメジシティとか、ギフシティとかどうよ。あ、県名と同じじゃない場合はシティいらないんだっけ? なんかカタカナになってシティがつくと、それだけでかっこいい。(完全に外国語コンプレックス?) 読み終わってから知ったけど、Apple TVでドラマ化されるとか。 まず思ったのは、アーミテジ役は誰?てこと。もちろん主人公役も誰だろうとは思ったけど、配役への興味はアーミテジ、リヴィエラ、モリー、ラスタファリアンの二人(ごめん、名前覚えられんかった)の方が気になる。主人公も決して魅力がないわけじゃないんだけど。 アーミテジがとにかく印象的(私にとってはモリーよりも)。 でも、主人公関連のエピソードも全部おもしろい。 近所の図書館に英語版もあると判明したので、二回目はそっちにしようかな。 日本語訳は、他の方々のレビューを見ると、素晴らしい訳だと絶賛する人と、とにかく訳が酷いという人とに真っ二つに分かれていたけど、私は後者で、イマイチな訳だと思った。あくまでも英語と比べてみないと本当のところは分からないけど。 会話の語尾から見える各登場人物の性格が日本語訳でブレまくっている印象だった。すごい金持ち、という意味で「ものすごよ」なんて言ってたりして、違和感ありまくりなセリフも多かったし、クエスチョンマークを使わないから、疑問文なのか独り言なのか分からなくてややイラついた。
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世界観を頭に浮かべるとしたら、ブレードランナーや攻殻機動隊というところでしょうか。(いずれも本作とは関係ないようです) 「電脳空間を飛翔できる主人公ケイスは、電脳未来にかかわるある陰謀に巻き込まれていく。現実と電脳空間を行き来しながら、彼が辿り着いた先は…。」 とにかく、人物...
世界観を頭に浮かべるとしたら、ブレードランナーや攻殻機動隊というところでしょうか。(いずれも本作とは関係ないようです) 「電脳空間を飛翔できる主人公ケイスは、電脳未来にかかわるある陰謀に巻き込まれていく。現実と電脳空間を行き来しながら、彼が辿り着いた先は…。」 とにかく、人物や設定などに説明がなく読みにくい限りです。 ただ、サイバーパンクの代名詞として、オールタイムベストSFの上位に名前があるのも納得がいきます。 サイバーパンクといえば、”これだ”というものが全てこの作品の中に詰まっているといっても過言ではないです。 ちなみに、”ニューロマンサー”は、複数の言葉からなる造語で、ある登場人物の名前になっています。
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サイバーパンクSFとはこれだと言った感じの、電脳空間に繋がることが当たり前の未来の話 説明なしに話がどんどん進むタイプの小説なので、ちょっと間が空くと固有名詞がなんだったのかわからなくなる 与えられた情報をとりあえず受け取って楽しむタイプの話なので、一回読んだだけだと雰囲気がす...
サイバーパンクSFとはこれだと言った感じの、電脳空間に繋がることが当たり前の未来の話 説明なしに話がどんどん進むタイプの小説なので、ちょっと間が空くと固有名詞がなんだったのかわからなくなる 与えられた情報をとりあえず受け取って楽しむタイプの話なので、一回読んだだけだと雰囲気がすごいのはわかるけど何してるのかわからなかった 複数回読むことで楽しめるのかも
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
初見の感想としてはとにかく読み辛い。開始からTV色の空などとかましてくる序盤はまだマシな方で、モリィ合流後から一気に難易度が上がる。直感的理解を要求する個所も多く、特に関係性について――それが何を示しているのか――が非常に解り難い。個人的な作品イメージはサイバーパンクというよりサイバースラッジといった感じで、文章はまさに破裂している。 しかし、注意深く読めばしっかり連続性があり、構造もシンプルで、オタク臭い無意味なスノビズムで装飾したようなものとは違うので投げ出すことはなかった。 読み難いことが最高に面白いという奇蹟的な作品だ。 中盤以降は方向性が定まってきて、それまでの苦行に耐えた効果も相まって、自然に理解度が上がり作品への解像度も増していった。最初はとてもじゃないがスピーディな展開なぞ感じ取りはできなかったが。(結末へ向かう終盤にかけてはかなり読み易くなっているのもある) とにかくフリーサイドからの“迷光ラン”が最高すぎる。最上位の没入感があり、ここがなければ低空飛行の印象となり評価は低くなっていたかもしれない。 最後の最後に作品の象徴でしかないと思っていたタイトルが出てきた時は謎に感動してしまった。 一言でいうならまさにニューロマンサーとしか言いようがない内容で、よくぞ付けたと思う。 翻訳について当初は、なにか80年代ヤンキー漫画風だったり、突然江戸っ子になったり、急に猫母さんと呼び出したり、三河弁と関西弁が混ざったような口調のラスタファリアンと苦情しかなかったのだが、読み終えたあとでは、もうこの翻訳しかあり得ないという結論に至った。 《白熱した光の柱が前立腺あたりから脊柱を突き昇り、頭蓋の縫合を短絡した性エネルギーのX線で照らし出す》 一体どこに行ったらこんな痺れる表現を見れるのか? 日立のRAMだとか三菱のさらりまんだとかこの訳でしか味わえない面白味もある。 文章の明瞭さは自分も評価基準の一つとしているのだが、やはり分かり易いということは必ずしも正解ではないと再認識した。 分かり易さによって失われるニュアンスというものは確実にあり、もし一般向けに読み易く新訳したとしてもこの黒丸氏の訳を超えることは出来ないだろう。 それが一般的に広く受け入れられるかどうか?という点は別にして。 世界観は退廃的で諸々の社会問題を棚上げにしたまま、テクノロジーだけが飛躍しているようで、現在の社会とリンクする部分がある。 そこは善悪の彼岸的で、主人公たちの行動様式も反社会的である。 一章は日本の千葉を舞台としているが、描き方はジャポニズムでもオリエンタリズムでもなく、当時の筆者から見た客体的な印象を肥大化させた感じだ。 大企業と中間とそれ以外と、今読むと泥沼な方向へ進んだパラレルな未来像を加速させ予見しているようで興味深い。 世界的にも階層化が進んでいるようだが、当時の情勢も反映して日本は比較的裕福な先進国であるという立ち位置だろうか。 文化の描き方もサムライニンジャゲイシャ的な安易な描写ではなく、一旦呑み込んでから吐き出しているような印象があり、カプセルホテルまんまのコフィン、サンヨーや富士電機など割とニッチなメーカーが出てきたり、実際に住んでいたのでは?と思ったがそんなことはなかった。 案の定指摘されていたが、J・G・バラードの系譜であり、大きく違うのはあまり皮肉を使わず直接的で、具体性のある社会的なテーマを含んでいないということだろうか?(広汎的な意味はある) 空白が多いぶん、どの角度から読んでも嵌まるというか解釈に縛られることはない。 主人公は刹那的で人格も不安定で、最初とっつき辛かったのだが、徐々に味が出てくるようだ。 特徴なさすぎてパロディ化できなかったシーンは笑ったが、その場の展開で変化しているようで、一貫性のあるはっきりとした個性がなく、ドラッグやったり意識しないと感情すらも出てこないのだ。 この小説は一見ぼやけた絵のようなのだが、読むほどはっきりとした線が見え色が鮮明になり完成していくような趣がある。曇りが取れていく鏡のようでもある。 AIは言った通りより大きな存在となったが、別にそれによってパラダイムシフトが起きるわけでもなく、混乱と狂騒を捨て日常に戻るというラストはPKD作品を思わせる。 この作品もたぶん後続への影響は多大であり、漫画アニメゲームなど1000作品ぐらいはカバーしていると思われ、更に再読するほど面白くなるという特典も付く優秀でお得な作品だ。
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癖のある翻訳の文体は評価されているんでしょうか? 「時計仕掛けのオレンジ」も癖強いけど、ここまでではなかった。 癖のある文体が、退廃的な世の中や、人なのか人工物なのか曖昧な存在を表すのに一役買っているような気もするけど…。 内容は読み進めながら、ラノベみたいな話だなと思いつつ、こ...
癖のある翻訳の文体は評価されているんでしょうか? 「時計仕掛けのオレンジ」も癖強いけど、ここまでではなかった。 癖のある文体が、退廃的な世の中や、人なのか人工物なのか曖昧な存在を表すのに一役買っているような気もするけど…。 内容は読み進めながら、ラノベみたいな話だなと思いつつ、これが最初なんだと思うと、当時の人は興奮しただろうなと思う。 人物紹介と語句の説明がすこしでもあれば、もう少し読みやすかったかなと思う。 いまだに「転じた(フリップ)」の意味がわからず…。
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初めは訳わからないが、後半に連れて徐々に世界観が分かっていくタイプ。 細かい発想が非常に奇抜で、キャラクターもパンク。めちゃくちゃ好き。
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