商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 原書房 |
| 発売年月日 | 2025/09/11 |
| JAN | 9784562075676 |
- 書籍
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スカーフェイク 暗黒街の殺人
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スカーフェイク 暗黒街の殺人
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商品レビュー
4.3
4件のお客様レビュー
2025年11月読了。 暗黒街で名うての男、鮫肌の哲が何者かに殺された。現場は不可解な密室状態、その場に居合わせたのは暗黒街を仕切る三つのシンジケートの構成員が数名、そしてアウトロー専門の探偵邪無吾だった。三つの組織のトップは邪無吾に事件の調査依頼をすることになるが、それは一...
2025年11月読了。 暗黒街で名うての男、鮫肌の哲が何者かに殺された。現場は不可解な密室状態、その場に居合わせたのは暗黒街を仕切る三つのシンジケートの構成員が数名、そしてアウトロー専門の探偵邪無吾だった。三つの組織のトップは邪無吾に事件の調査依頼をすることになるが、それは一風変わったものだった。自らが犯人だと自白する者たちの嘘を見破ってほしいというのだ。前代未聞の自白劇がここに始まる。 今作は変化球のようなミステリーでとても読み応えがあった。まず暗黒街という舞台設定からくる特殊なロジックが今作の肝となっている。暗黒街では大者を殺した犯人は名をあげることができるため、誰もが犯人の地位を欲しがるという構図になっているのだ。これにより、我こそはとたくさんの者たちが犯人に名乗りをあげ、それぞれが密室トリックの解決をでっち上げる。こうして多種多様な解決法が提示され、探偵はその齟齬を見つけて否定するという流れになっている。このシステムは井上真偽の『その可能性は既に考えた』にも見られるが、暗黒街という舞台からくる特殊性がトリックにも存分に活かされる点が素晴らしい。そして、すべてのトリックが暴かれた時に浮上する真実も驚くべきものだった。多重解決ミステリーの新たな傑作だ。
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日本の新本格作家達の多重解決に対する並々ならぬ情熱はどこからやってくるのでしょうか。今年も斬新なヤツがやってきました。 裏世界の大物「鮫肌の哲」が鍵の掛かった倉庫の中、いわゆる完全な密室状況で死んでいるという展開から始まります。多重解決といってもギャングの世界では一味違って、俺こそがあの大物を殺した犯人だと次々に名乗りをあげるのです。裏社会の名探偵である邪無吾(ジャンゴ)は偽犯人達の主張する密室トリックをロジックで否定していきます。 最近読んだ井上真偽の『その可能性は既に考えた』に近い展開ですね。私的には、決め台詞は井上真偽の方が厨二臭くて好みです。 途中からかくれんぼ大会みたいになりますが、私が好きなのは、唐獅子キッドと流れ星来斗の仮説で後者は特に実数解にして欲しかったなあと思うくらいでした。真相に採用されたのはかなり前例のあるものでしたが、無数の手がかりが一挙に繋がる点や、多重解決の意義を見出している点がウリでしょう。本格ミステリ・ベスト10にランクインすると思います。
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ド派手で芝居っ気たっぷり! ギャングものに本格&多重解決を組み合わせたミステリー #スカーフェイク ■あらすじ 三つの組織が暗躍する街で死体が発見された。彼はその世界では有名なアウトローで、殺害できるのはかなり腕の立つ奴。しかも現場は密室であり、犯行は不可能ではないかと思われた...
ド派手で芝居っ気たっぷり! ギャングものに本格&多重解決を組み合わせたミステリー #スカーフェイク ■あらすじ 三つの組織が暗躍する街で死体が発見された。彼はその世界では有名なアウトローで、殺害できるのはかなり腕の立つ奴。しかも現場は密室であり、犯行は不可能ではないかと思われた。 暗黒街の探偵である邪無吾(ジャンゴ)は捜査を始める。しかし名をあげようとする裏社会の住民たちが、次々と犯行を自白してくるのだった… ■きっと読みたくなるレビュー ド派手で芝居っ気たっぷり、いい意味で外連味に溢れるハードボイルド多重解決ミステリーです。 港町の倉庫で殺し屋サメ肌の鉄が死体が発見される。名をはせるために彼を殺ったと自白してくる暗黒街のギャングどもを、探偵邪無吾は次々と論破。犯行を否定していく(=多重解決)という筋立てです。 主人公の探偵邪無吾のセリフが、いちいちカッコイイんですよ。ひとつだけ引用させてもらうと… 「死神ってのは手を合わせて拝むもんじゃねぇ、手を組んで一緒に踊るものさ」 キャー、シブすぎでしょ! 鬼シブ! 映像が目に浮かぶわー、たぶん背中越しに言われるんだろうな。まるで映画を観てるような雰囲気なんすよね。そしてなんといっても決め台詞もヤバい。クールなんよ、これはぜひ実際に目で確かめてほしい! また他にもギャングどものキャラクターも立ってるんですよ。イチ推しは流れ星来斗ですね、スケボーにのったオネエキャラ。もうこの設定だけで好きになれる。 このようにレビューするとキャラ小説のように感じるかもしれません。しかし事件としては密室殺人モノです。そしてなんと多重解決なんですが、そのアプローチが犯人が自白していくというのが面白いですよね。通常のミステリーとは逆の発想です。 謎解きの密度も濃いというか、もはや変態的なレベル。さすがはベテラン先生の手腕を堪能させていただきました。 多重解決は派手な議論、推理合戦に目がいくと思うんですが、伏線が丁寧ってのが素晴らしいんですよね。ちゃんと書いてある。 終盤なんてもう「やり過ぎ」の一言。でもステリーファンとしては大喜びですよ、楽しませていただきました。 ギャングものに本格&多重解決ミステリーを組み合わせた優秀作、まさしく合わせ技一本の娯楽小説です! ■ぜっさん推しポイント やっぱりギャングがいっぱい出てきたら、アクションシーンを期待しちゃいますね。ご安心ください、ドンパチもしっかりありますよ。現実味が全くないんだけど、ハチャメチャ感がいいんすよ。 1950-60年代、東宝の暗黒街シリーズという映画を思い出しましたね。このころのヤクザ映画は当時のエンタメの最前線。今観ると古臭くはあるんですが、映像から溢れ出る「魂」ってのは変わりません、気になった方は是非どうぞ。
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