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南洋標本館
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南洋標本館

葉山博子(著者)

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南洋標本館

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2025/07/16
JAN 9784152104410

南洋標本館

¥2,420

商品レビュー

4.2

12件のお客様レビュー

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2025/11/26

舞台が戦前の台湾と戦中のインドネシアということで、非常に興味深く読んだ。 特に台湾では、本当人の思いがよく理解でき私の中にあった失われたピースが埋まった気がした。 しかし物語としては冗長で、理屈っぽく、必ずしも共感出来なかった。その意味でとても残念に思った。

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2025/11/15

日本の台湾統治50年。とても長い。それによって生まれる歪みは、人々を翻弄する。それでも植物学者たろうと生きる陳と琴司。おもしろい。もうちょっと陳の米国での葛藤も読んでみたかった。

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2025/11/02

著者のアガサ・クリスティー賞受賞後第一作。在台日本人と台湾生まれの本島人の男性二人が共に南洋探険と植物学研究を志すも、一方は戦争のために、もう一方は本島人というアイデンティティゆえにそれぞれの壁にぶつかっていく、というストーリー。    物語の展開もさることながら、歴史的背景のデ...

著者のアガサ・クリスティー賞受賞後第一作。在台日本人と台湾生まれの本島人の男性二人が共に南洋探険と植物学研究を志すも、一方は戦争のために、もう一方は本島人というアイデンティティゆえにそれぞれの壁にぶつかっていく、というストーリー。    物語の展開もさることながら、歴史的背景のディティールが現在の研究の水準に拮抗するレベルで精緻に、かつ生彩ある形で書き込まれていて、著者の力量を感じさせる。中でも著者は、在台日本人・琴司のパートよりも、本島人・陳永豊のほうにより焦点を当てていく。陳(台湾語読みで「タン」と読ませる)の実父は台湾民主国のリーダーのひとりで、彼はその父の最期を知る本島人の通訳によって台湾の民族資本の担い手の家にもらわれ、こんどは経済と政治の面で植民地支配の現実と直面させられる。一方で、その陳を救った男は大陸に渡り、国民党の諜報機関の元締めとして陳を抗日戦争に動員しようと画策する。その誘いを断った陳は、アジア太平洋戦争が始まると日本名「永山」を名乗り、インドネシアを支配する日本の軍政府と結びつきながら、研究を継続しようと企てていく――。こうした展開の積み重ねによって、戦時下の中で心ならずも生きるための選択を強いられただろう多くの台湾人たちの姿を浮かび上がらせていく。  琴司のパートよりも、陳の台湾脱出後、アメリカやカナダでの学究生活のことを読みたいと思ってしまったが、それはさすがに要求しすぎかもしれない。

Posted by ブクログ