商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2025/06/19 |
| JAN | 9784065399033 |
- 書籍
- 新書
新しい階級社会
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新しい階級社会
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商品レビュー
3.5
16件のお客様レビュー
現代日本社会の階級を六種類に分けて、さまざまな調査データを紹介していく。 六種類というのは、資本家、新中間階級、旧中間階級、正規労働者階級、パート主婦、アンダークラス、の六つである。 平たく説明すると、新中間階級は管理職や専門職であり、旧中間階級は自営業者である。正規労働者階級...
現代日本社会の階級を六種類に分けて、さまざまな調査データを紹介していく。 六種類というのは、資本家、新中間階級、旧中間階級、正規労働者階級、パート主婦、アンダークラス、の六つである。 平たく説明すると、新中間階級は管理職や専門職であり、旧中間階級は自営業者である。正規労働者階級は正規雇用だが平社員、アンダークラスは非正規雇用者である。 本書では主にアンダークラスについて、特に詳しく触れられることが多い。これはきわめて現代的な(とはいえ本書によると80年代以降の現象なのだが)事象だからである。 なお、アンダークラスの出現は先進国において起きていることであり、「アンダークラス」という呼称は英米で使われているらしい。国によっては差別的なニュアンスがまとわりつくことを回避するために、もっとマイルドな呼称がされているらしいが、本書では単刀直入でイメージしやすい、という理由で「アンダークラス」を使っている。 本書の調査結果自体に驚くようなものはないと思う。おそらく、上に挙げた階級への直感的な印象を裏付ける以上の意味はない。 本書のメッセージとして重要な点は、格差の拡大は議論の余地なく問題である、という点だろう。 現代の資本主義においてアンダークラスの人材は必要である。契約社員やアルバイトがいないと成り立たない会社など、誰でもいくらでも思いつくだろう。 しかしアンダークラスは再生産されない。再生産されない、というのは結婚ができない=子どもを持てない、という意味である。なぜならアンダークラスへの賃金にそんな余裕はないからだ。 ということは、アンダークラスの人材は他の階級の子どもから補充するしかないのである。つまりアンダークラスはすべての階級において他人事ではない、ということだ。 ちなみに本書内でも調査されているが、Aの階級の親ならAの階級の子になりやすい、というのは部分的な事実である。階級の移動はそれなりに起こる。 本書内で、この本の読者は新中間階級が主だろうといったことが書いてある。たぶんそうなんだろう。しかし、アンダークラスも他人事ではないことが本書を読めばわかると思う。
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なんとなく格差拡大は進んでいると思っていたけど、具体的にどういう状況になっているんだろうと興味が湧いて手に取った。 たくさんのアンケートデータで格差があることがはっきり示されていて、アンダークラスの人たちが生活において命や幸せに関わるレベルで切羽詰まっていることを知った。そし...
なんとなく格差拡大は進んでいると思っていたけど、具体的にどういう状況になっているんだろうと興味が湧いて手に取った。 たくさんのアンケートデータで格差があることがはっきり示されていて、アンダークラスの人たちが生活において命や幸せに関わるレベルで切羽詰まっていることを知った。そしてこの格差は他人事じゃなくて、別の階層の人間にも不利益があるという指摘も印象的だった。 ただ、それ以上に驚いたのは自分自身のことだった。読み進めていくうちに、自分が無意識に「努力は報われるべき」とか「頑張ってこなかったら貧困でも仕方ない」みたいなことを思っていたことに気づいて、正直怖くなった。 冷静に考えれば、自分が今の地位を築けたのは、ある程度の生活ができている両親に育てられて、教育を大事に思っている母親がいたからだと思う。「努力できる環境」があったこと自体が、すでに恵まれていることを認識できた。 本を読み終わって一番大きかったのは、政治にどう参加するかというか、どういう目で政党を選ぶかっていう視点が増えたこと。自分の利益だけじゃなくて、社会全体としていい方を選ぶっていう目線を持てるようになった気がする。 ちょっと数字やグラフが多くて読むのは大変だったけど、読んでよかったと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
アンダークラスは、経済的に貧しいだけでなく、孤独で不健康になりやすく、幸福感が低い。さらに、将来への不安を強く抱えている。 社会的再生産ができないほどの報酬しか与えられないアンダークラスは、やがて減少していく。 その減少分は、社会秩序を維持するために上層が補わざるを得ない。 この構造が続く限り、社会はディストピア的に階層が固定されていく。 社会の課題として格差是正は必要。その上で、下層化を避けるための私的防衛策も考える必要があると思う。 ※ ブクログだけでなく、YouTubeやSNSに視点の異なる感想があり、それを読むのも割と面白い。
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