天皇のソボクな疑問 今さら誰にも聞けない

跡部蛮(著者)

• 販売会社／発売会社: ビジネス社
• 発売年月日: 2025/06/02
• JAN: 9784828427324

商品レビュー

2025/09/22

歴代天皇を覚えようと思っていた所に、本書に巡りあった。ちょっと出を含めると歴代122名中119名が登場するので、あまりなじみのない天皇についても、多少のイメージを持つ事ができた。戦国時代の極貧朝廷の、後土御門・後柏原・後奈良などの天皇には、これまでほぼ全く触れた事のない領域だったので、ありがたかった。
かなりマニアックな内容にも関わらず、「今さら誰にも聞けない」という、さも初心者向けのタイトルをつける、ストロングスタイルっぷりも、いいと思う。
タイトルに「ソボクな疑問」とつけた事で全編がQ&A形式となり、なかば強引な疑問が捩じ込まれていたのも、ある意味面白かった(「一代限りと言われた円融天皇が現皇室の直系先祖になれたのはなぜ？」とか、「二度地獄を見た天皇って誰？」などのクエスチョンは、おそらく普段ソボクに疑問を持つ事はないように思われる…)
そうしたQ&A形式がゆえなのか、筆者の個人的な考えが前面に出ている部分もあるような気がしたが、全体として、天皇の細かい知識などを知る事が出来た。少なくとも、歴代天皇の暗記において、役に立ったと思う。

2025/09/02

古代が終わると天皇の名前が出てこなくなり、南北朝に盛大に暴走した後醍醐天皇が出てまた天皇の名前は出てこなくなり、そして明治維新に明治天皇が出て来て現代に至る。

そんな印象だった天皇家。

禁中並公家諸法度で、勉強と芸事のみに役割が制限されて、どうして天皇家が存続できたのか、ちょっと良くわからないなんて思っていた。

天皇家って影が薄いわりに、ずっと存続してるなー、いや貴族もそうだけど、どうやって戦乱の世を生き抜いたんだろうかと首を傾げる。

そんな疑問が全て解決できた訳ではないけれど、「長く長く続いた」という事が、他では真似できない権威となっているのだろうなと思った。
長い長い歴史。それらが詰まった器、人の形をした国の形代とも言えるのか？
上手い表現が見つからないけれど、日本の歴史を人の形にしたら天皇が出来上がる。
そういった存在だったのではないかな？
国を支配したい、手に入れたいとは思っても、国を無くしてしまえないからこそ、天皇も無くせなかったのだろうか？なんて妄想してしまった。

天皇を無くしてしまったら、自身のうちに連綿と繋がってきた血の歴史の寄る辺が無くなってしまうような気持ちになってしまったのではないだろうか？

その割に、扱いがぞんざいな気もするが。

天皇家に関する疑問は、複雑な家系図を理解できず、大量な登場人物の名前と彼らの所属する陣営を覚えられない私には、難解すぎて結局「分かった！」にはならなかったけれども、細々とした「へぇ～」がいくつもあって、好奇心をくすぐって貰えた。

天皇家の古代から現代までの大まかな流れを知れたので、さらに「分かった」となるように、大化の改新とか壬申の乱とか源平合戦とか、個々に深掘りしたいなと思った。
近親婚が多いと、さらに人物相関図が理解不能になって、何が何だかわからなくなったよ。

上皇と天皇はどっちが偉いの？

は、私も学生時代に疑問に思ったけれど、結局は上皇、天皇が誰なのか、個人の力によるというわけで、どちらが地位が偉いとは言えないようで、この切り口で理解しちゃいけないのかと分かっただけでも一歩前進か？

2025/07/03

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