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屋根の花園 芝棟・草屋根を日本と世界に訪ねて
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屋根の花園 芝棟・草屋根を日本と世界に訪ねて

山口隆子(著者)

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屋根の花園 芝棟・草屋根を日本と世界に訪ねて

2,640

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 八坂書房
発売年月日 2025/04/22
JAN 9784896943771

屋根の花園

¥2,640

商品レビュー

3.3

3件のお客様レビュー

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2025/07/18

茅葺き屋根のてっぺんから雨漏りしないように処理する工法のひとつとして、芝草を乗せて根でおさえる芝棟というものがあるらしい。 その芝草と、屋根全体に草を乗せる草屋根を紹介する写真多めのガイド本。 知る楽しみを思い出させてくれてとても良い。それゆえに物足りなくもある。 芝棟、草屋根...

茅葺き屋根のてっぺんから雨漏りしないように処理する工法のひとつとして、芝草を乗せて根でおさえる芝棟というものがあるらしい。 その芝草と、屋根全体に草を乗せる草屋根を紹介する写真多めのガイド本。 知る楽しみを思い出させてくれてとても良い。それゆえに物足りなくもある。 芝棟、草屋根の説明とあとは著者がみてきた現物を駆け足で紹介していくからもっと詳しく知りたいと思う。 建築法だけど園芸や備蓄や貯蓄としても考えられるのが興味深かった。 出てくるのはだいたい日本の芝棟、フランスの芝棟、フェロー諸島の草屋根。 それぞれの気候や文化の差がおもしろい。 日本では救荒植物を植えていざというときの非常食を兼ねていたり、フランスはなんと多肉を植えていたり見せ方を考えた庭っぽかったり、フェロー諸島は手に入る素材という点からの文化が今もあたりまえに瓦屋根のように根付いていたり。 フランスで植えられる多肉植物のセルペンビウムの話も面白い。 和名は屋根万代草、カール大帝が屋根に植えるよう発布して、今でも屋根に植える植物として認知されているとか、雷避けのおまじないでもあったとか。 日本以外のアジアでは芝棟を確認していないとあった。『北朝鮮 楽園の残骸』https://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4794212410にかぼちゃを屋根で育てる話があったけどあれはまた違うのかな。建築というより栽培? 韓国でも一般的みたいだから朝鮮半島の文化だろうか。海美邑城(ヘミウプソン)や洛安邑城にも茅葺き屋根にかぼちゃをはやした建物があるらしい。 北欧によくあるという草屋根は『しごとをとりかえたおやじさん』https://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4834026000にでてくるやつだ!あれは確かにノルウェーの民話だ。文化に根付いた話なんだと気づけて感動した。 日本で公開されている建物の一覧が載っているから、見に行きたい気持ちになった。 興味関心をひきだしてくれる良い本。

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2025/06/30

芝棟とは茅葺屋根のてっぺん部分にアヤメ科・ノシバなどを植えたもので日本で600棟(岩手に9割)しかないそうだ。 茅葺自体が希少だがそれに増して希少で見たことがない。 https://seisenudoku.seesaa.net/article/516632922.html

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2025/06/07

図書館の新刊コーナーで思わず手に取りました。 この本で屋根の上の草花は屋根を補強するためのもの、と知りました。思い起こすと、屋根のてっぺんの草花はみたことがあったかも。でも手入れがされてないので生えているのかと思っていました。先人の技術と美観に敬服です。 茅葺屋根のてっぺんの棟...

図書館の新刊コーナーで思わず手に取りました。 この本で屋根の上の草花は屋根を補強するためのもの、と知りました。思い起こすと、屋根のてっぺんの草花はみたことがあったかも。でも手入れがされてないので生えているのかと思っていました。先人の技術と美観に敬服です。 茅葺屋根のてっぺんの棟の部分に芝の生えた土を置いて固定する「芝棟」を紹介。自身で現地調査した写真も多数紹介されている。巻末には見学可能な日本の芝棟が写真、所在地など一覧になっている。 表紙には、屋根のてっぺんにユリやアヤメの仲間のイチハツが咲いています。イチハツの屋根は水戸黄門の別荘の西山御殿です。 表紙中央はなんとフランスはヴェルサイユ宮殿の一画にある「王妃の村里」にある建築物で、こちらはアイリスです。王妃の村里は1774年にルイ16世が王妃・マリー・アントワネトに与えたプチ・トリアノン宮殿の周囲に創られた田舎風の庭園で、王妃が好んで滞在していたといいます。 屋根面と屋根面が合わさる屋根のてっぺんの部分は、屋根材の固定や雨水の侵入をふせぐ役割があり、ここをシバの生えた重みで押さえると同時に、シバの根が棟にからみつくことで棟を固定する。シバのほかにユリやイチハツ、ヤブカンゾウ、イワヒバなどを植える芝棟もある。 日本の芝棟は2001年調査で約4万棟あった。が著者はその後自身で調査をし、2011年時点で約600棟を確認。見学可能な芝棟分布図も載っているが、ほぼ東日本で、岩手県にその9割の541棟が現存。青森、岩手には文化財指定されていない芝棟が多数現存しているが、それ以外の県ではほとんどが文化財指定されていた。 海外ではフランスのほかは、デンマーク、ベルギー、ドイツ北部の野外博物館に芝棟があるが、現在も住居として使用している例は、日本とフランスのみ。 <北欧の草屋根> 北欧には屋根全体にシバを載せる伝統的な木造家屋があり、各地の野外博物館で保存されている。アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ルーマニア、エストニア、バイカル湖周辺、アラスカなどにもみられる。 フェロー諸島では現在も多くの草屋根が住居として使用されている。 西山御殿 https://www.tokugawa.gr.jp/seizanso/ 八坂書房 本紹介ページ http://www.yasakashobo.co.jp/books/detail.php?recordID=780 山口隆子:1972年東京都生まれ。法政大学文学部塵学科教授。お茶の水女子大学文教育学部地理学科卒業。東京都庁にて、都市公園行政をはじめ、ヒートアイランド現象とその対策である屋根上緑化などについて研究。自然環境の保全などの仕事に従事。約20年間勤務の後退職し、研究職の道へ。現在の専門は気候学・生気象学で、ヒートアイランド現象を主な研究対象としている。 2025.4.21初版第1刷 図書館

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