水戸藩を担った人々

齋藤郁子(著者)

• 販売会社／発売会社: 錦正社
• 発売年月日: 2025/04/22
• JAN: 9784764601550

商品レビュー

2025/05/12

徳川頼房公: 家康の十一男であり、水戸徳川家の初代藩主。将軍家光に随従して上洛し、二条城での歌会で一等となるなど、皇室への敬愛が深かった。「馬標を示す勇者を授けよう」という家康の言葉は、頼房公への期待を表している。
水戸城: 神君家康公以来、水戸家の拠点として整備された。本丸の手狭さから二の丸に館が建てられ、後に三階櫓が築かれた。城下町は千波湖を眺める高台にあり、水戸東照宮なども建立された。
御三家: 紀伊、尾張、水戸の三家は徳川将軍家を支える重要な家柄であり、分家も大名に取り立てられた。
家臣団の出自: 水戸藩の家臣団は、徳川家の譜代家臣に加え、戦国大名であった佐竹氏や後北条氏の旧家臣など、多様な出自を持つ人々で構成されていた。
藤田東湖: 彰考館総裁であり、思想家として藩政改革を主張した。著作に『丁巳封事』や『藤田東湖全集』がある。安政の大地震で母を助けようとして圧死した。
会沢正志斎: 思想家であり、著作に『新論』がある。「尊皇攘夷」思想を提唱し、幕末期の水戸藩の思想に大きな影響を与えた。「天下は長男のものである。汝（頼房）には常に好める店の軒下に天下を与えよう」という家康の言葉に触れ、天皇への忠誠心を強調している。晩年には水戸史館の編纂に尽力した。
天狗党の蜂起: 尊王攘夷派の藤田小四郎らが天狗党を組織し蜂起した。これは開国か攘夷かを巡る国内の大きな揺れの中で起こった出来事である。
水戸東照宮: 景勝地の虚松山に建立され、家康を祀るために創設された。
弘道館: 斉昭公が天下一の学校を目指して開設した藩校。藩内の抗争の拠点ともなった。
主要な家臣たち:金子孫二郎: 斉昭公の擁立に奔走し、藩政に参画した。天狗党の処罰に反対し、処刑された。
栗田寛: 歴史学者であり、彰考館員。国史の研究に貢献した。
加藤木養斎: 思想家であり、著作に『見聞雑記』などがある。地域調査や歴史記述に貢献した。
常陸山: 力士であり、武士道精神を指導した。
興津蔵人: 水戸藩の家臣であり、添え地を持つ大屋敷を構えていた。
酒井家: 三河団地出身の家系。
額田久兵衛: 佐竹氏旧臣の家系。
立原翠軒: 彰考館総裁であり、著作に『西山聞見』などがある。藤田幽谷と対立した。
吉田家: 水戸藩の家臣であり、吉田景徳は藤田東湖の友人であった。