自分につながるアート 美しいってなぜ感じるのかな？ ちくまQブックス

池上英洋(著者)

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房
• 発売年月日: 2024/12/09
• JAN: 9784480251589

商品レビュー

2025/01/21

概要
本書『自分につながるアート』は、アートの重要性と私たちの生活や感情との関わりについて探求しています。著者は、アートがどのようにして人間の美的感覚や感情に影響を与えるかを論じ、さらにはアートの存在が人間にとって不可欠である理由を示しています。

アートと人間の関係
- アートの必要性: 本書は、アートが文化や個人の生活にどのように根付いているかを考察します。著者は、アートが私たちのコミュニケーションや自己表現の手段であると強調しています。
- 美の基準: 美しさは個人の主観に依存するものであり、全ての人に共通する絶対的な美の基準は存在しないと述べています。しかし、歴史的に多くの人々に美しいとされてきた作品があることも事実です。

美と感情
- 感情の表現: アートは私たちの感情を表現する手段であり、見る人に感情的な反応を引き起こす力があります。特に、自然の美しさや感情的な瞬間を捉えた作品が、人々に深い感動を与えることが示されています。
- 普遍的な美: さまざまな文化や時代を超えて、多くの人が好む美の要素（例: 自然の風景、青色の使用など）が存在し、これらは「普遍的な美」として理解されます。

アートの社会的役割
- 社会への貢献: アートはただの趣味や余暇の活動ではなく、社会に対する重要な貢献を果たしていると主張します。視覚的な体験や感情の喚起を通じて、アートは人々の心を豊かにし、時には社会的なメッセージを伝える役割を担います。
- 教育と探求: 本書は、アートを通じて「なぜ？」という問いを探求することの重要性を強調しています。探究心を持ち、アートに対する理解を深めることで、より豊かな感受性を育むことができます。

結論
本書は、アートが私たちの生活においてどれほど重要で、どのように私たちの心に影響を与えるかを示すことを目的としています。アートは自己表現の手段であると同時に、社会に対する深い貢献を果たす存在であり、それを理解することで私たちの生活により深い意味をもたらします。

2025/01/09

アートは、背景や意味を知らないと、よくわからないものが多く、結局アート自体が、よくわからないとなる。
受験に関係ある科目だけでなく、アートに興味を持ってもらうためにティーンズ向けに書かれた本。

アルタミラの洞窟絵や縄文土器に始まり、識字率が低い時代には誰にでもわかるようなメディア的な役割を果たし、宗教との関わりなど美術史的な視点や自分はアートに興味がないし関係ないと思っていても身近なところに存在していることを紹介している。
見方によっては、こじつけのような気がするものの、これもアートといえばアートなんだろうと感じる部分もあった。

普遍的な美はあるものの、結局、美は人それぞれ。
美しくなければ美術品ではないというわけではない。
なるほどと思い一通り読んだけれど、
やっぱりアートって・・・？？と思ってしまう本だった。

巻末のおすすめ本を読むとしよう。

2025/01/05

タイトルに記載してあった「美しいってなぜ感じるのかな」に興味を持って読んだが、ヤングアダルト向けのアート入門書であり、そのあたりの話は簡単にしか触れられていなかった。